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飯テロ⑩トマトで追随攻撃

暑くて食欲ない時でもぺろりと食べれる料理こそが真の美味しい料理なのでは?

こう暑い日が続くとついつい思ってしまいます。

翌テントから朝外に出てみると、人族は既に起きていて訓練をしているところだった。朝食は既にすました後のようで、剣を撃ち合う組み手が至る所で行われていた。


「進軍中でも訓練ってするもんなんですね。」


騎士や軍隊の事はいまいちわからないのでそう言うものなのかどうかわからない。


「進軍中はやるとしても移動した後が多いんじゃがの。朝じゃと、疲れて進軍が遅くなるじゃろうて。しかも見てみろ。あいつら、ちょっと練習してはすぐ休憩を繰り返しておる。思ったよりだらけた兵士達のようじゃの。」


相変わらず朝が早いノマディ族の爺さん達も既にサテュロスの世話を終えて物珍しそうに訓練を眺めていた。この世界の人達は割と勤勉な人が多いように感じる。まぁ、日本も勤勉な国だとは思うが。そんな勤勉なノマディ族からするとするとだらだらした訓練は変に感じるようだ。

へー…と頷きながら改めて兵士達の訓練を眺める。確かにさっきまで打ち合いを続けていたのに今は2、3何か確認しあった後にゴロンと寝っ転がり休憩に入った。しかしその休憩もそれほど長くなく、程なくまた訓練がはじまる。


「これは…インターバル?」

「インターバル…。楽、それなに?」


真剣に訓練を見ていて気になったのかリアも近づいてきた。リアも既に一汗流してきたのか訓練着姿だ。因みにエルフのリアは隙間があればすぐ訓練しているので朝も夜もない。こちらも実に勤勉である。


「俺達の国にあった訓練法の一つかな。全力、短い休憩、全力、短い休憩って繰り返すと効率がいいんだって。」


遥か昔の記憶だが、俺も学生時代授業でインターバルをやらされたことがある。トラック1周猛ダッシュして、半周歩くを繰り返すってやつだったが凄いキツくて先生を恨みながら走った。以降運動部なんて入るもんじゃないなと文化部を選択していたっけ。でも確かにあの期間は体力がぐんと上がっていたと思う。


「負荷をかけすぎると疲労が蓄積されすぎるが、こまめに休憩を挟むと疲労の溜まりすぎず効率的に訓練ができるとかなんとか…。俺もうる覚えだけど、まぁ、ただ長く訓練するより効果があるらしいよ。しかも疲れも回復しやすいとか。」

「そんなもんかのぉ?」

「気になる。次から試してみる。」


リアは訓練に貪欲で、インターバルに興味津々な様子。逆にノマディ族の爺さん達は半信半疑だ。


「あと、朝体を動かすと頭がスッキリするからその後の仕事も捗るらしい。やる気も出てくるみたいだしね。」

「そんな話聞いたことないわい。しかし、それを知ってて何故お前さんはやらないのじゃ?」

「うぐ…。運動はあんまり好きじゃなくて…。あ、でもこまめな休憩は仕事中取り入れてましたよ。ミスが少なくなるんだ。これでもそこそこなサラリーマンだったんだから。」

「サラなんちゃら…それも初めて聞く言葉じゃ。お前さんは相当へんぴなところからきたんじゃな。」

「へんぴっちゃへんぴな所から来てるかもですね。はは…。」


しかし、この人族の騎士達はどうやら優秀な指揮官を持っているのかもしれない。魔法があるせいで化学が発展していない中、トレーニングの効率が考えられた訓練を取り入れているのだから。

そんなこんなで訓練などを眺めていたが、すぐに飽きてノマディ族の爺さんとリアは若いのを誘ってこの辺を探索することにしたようだ。初めてきた土地なので、どんな植物や魔物が生息しているのか調べるらしい。レアなお土産とか見つかったら儲け物だと意気揚々と去っていった。

俺の方はと言うとこだまとクルを誘ってお昼ご飯の準備でもすることにした。


「お昼も豪華と行きたい所だけど、ガッツリ系を連続は逆効果なので昼はさっぱり系で行くかな。」

「ハンバーグ?」

「こだま、ハンバーグはさっぱり系じゃないぞ。」

「かき氷!」

「クル、かき氷はご飯には向かないかな。」

「さっぱり系のハンバーグ。」

「ご飯系のかき氷?」

「どうしても食べたいのね…。それじゃー…、ゴロゴロハンバーグのトマトパスタとトマトのかき氷パスタの二本立てにしてみるか!」


トマトのさっぱり系をチョイスすることにした。あの爽やかでさっぱりした酸味の香りもまた食欲そそるだろう。メニューが決まったとなれば後はさくさく作っていくだけだ。


「よし、まずはハンバーグのパスタ作っていくか、こだまハンバーグは任せた!」

「わかった。」


ハンバーグはハンバーグ好きに任せることにした。肉の食感とか合わせるつなぎとか、好きにできるからハンバーグ好きのこだまも楽しく作れるだろう。


「それと、おっきくて穴の開いたパスタを茹でてもらおうかな。」

「この真ん中におっきな穴が空いてるやつ?」

「そうだ。マニケっていうんだけど、このおっきい穴があいたやつは中にソースが絡んで味も食べ応えもばっちしなんだぞ。」

「分かった。」


こちらはさくっとソース作りといきますか。まず1品目は…


【フェタチーズとミニトマトのベイクドパスタ】


材料

・ミニトマト

・フェタチーズ

・バジル

・にんにく

・オリーブオイル

・塩

・胡椒

・マニケパスタ

・ハンバーグ


まずフライパンにミニトマトを敷き詰める。そしてその上にたっぷりオリーブオイルをかけ、ざっくり微塵切りにしたバジルとすり下ろしたにんにく、塩胡椒を加えざっくり混ぜ合わせる。次に真ん中に穴を開けるようスペースを作ってフェタチーズをブロックごとドーンとセンターに投入。ここで火にかけ、フェタチーズが溶けるまで煮詰める。トマトは水分量が多いのでこげる心配もないので溶けるのを待つだけだ。いい感じに溶けてきたらスプーンでミニトマトとチーズを混ぜ合わせる。これでソースは完成だ。


「こだま、ハンバーグとパスタはできた?」

「できた。」


しかし、こだまの前には何故かザルが一つ。入っていたのは茹でたマニケだけ。


「マニケだけ…、ん?おぉパスタの中にハンバーグが詰め込まれている!」

「この方が肉汁パスタが吸う。」

「わ!ハンバーグとパスタ仲良しさんだね!」


どうやらマニケにハンバーグの種を詰めて茹でたようだ。マニケとハンバーグが合体した姿にクルも大喜び。確かに肉汁はパスタに吸われて旨味が増す。驚きつつ俺は出来上がったフェタチーズとミニトマトのソースにマニケハンバーグを投入。しっかり絡めたら追いバジルして完成だ。一見トマトとマニケとバジルのパスタだが、食べるとびっくり肉々しい豪華なパスタに早変わりだ。


「すげー旨そうだ。早く食べたい所だが、もう一品。クル、頼んでおいたのできた?」

「できてる!」


2品目はクルのお手伝いで【トマトのかき氷パスタ】だ。


【トマトのかき氷パスタ】


・凍らせたトマト

・バジル

・塩

・胡椒

・オリーブオイル

・カッペリーニパスタ


俺はクルに頼んでトマトを凍らせ、さらにかき氷に仕上げてもらっていた。

トマトは凍らせた後水にさらすとあらびっくり、簡単に皮が剥ける。この皮を剥いてからかき氷にするのだ。

かき氷状のトマトにオリーブオイル、塩、胡椒、みじん切りにして乾燥させたバジルをかける。


「楽、はい、これ。」

「おぉ、こだまサンキュ!」


マニケとは別にこだまに茹でてもらったカッペリーニを受け取る。髪の毛のように細いので別名エンジェル・ヘアー、天使の髪とも呼ばれていたパスタ。昔のイタリアの人はなんともおしゃれな言い回しをしたものだ。この細いパスタは夏場の冷製パスタとして重宝されるやつ。細いのでそこまで水を吸わない(吸えない?)ので伸びづらいのでいいのだろう。あくまで推測だが。

こだまから受け取った茹でたカッペリーニをささっと冷水でしめていく。そしてよく水を切ってトマトのかき氷へ投入。後はざっくり混ぜ合わせれば【トマトのかき氷パスタ】の完成だ。


「おぉ!旨そうな匂いじゃ!」

「お腹すいたんだぞ!いっぱい食べるんだぞ!」


トマトの爽やかで美味しそうな香りに引き寄せられリアとノマディ族が戻ってきた。見かけないなと思っていたがエティもリア達と探検していたようだ。


「丁度昼頃ですし、お昼にしましょう!」


俺は簡易テーブルにパスタをサーブしていく。おかわりはハニワ鍋に入れてみんなの間に置いておいた。ご自由におかわりスタイル&昨日同様いつでも逃げられるスタイルだ。


「うまうまうまうまうま。」

「中にお肉入ってる。すごい楽しい。」

「むむ!オラの次ぐらいにびっくりなご飯だぞ!」


どう言う意味だ、エティ?

こだまのアイディアで生まれた【フェタチーズとミニトマトのベイクドパスタ】改【フェタチーズとミニトマトのハンバーグパスタ】は美味しいだけでなく楽しさもあり、すごく好評だった。


「トマトのかき氷おいしい!」

「これは爽やかでよいのぉ!」

「ただのトマトよりも香りが強く感じますね。これはクセになる美味しさです。」

「冷たくなったら熱々の、熱くなったら、冷たいの。こりゃ無限に食べれるのぉ!」


冷たいパスタ、【トマトのかき氷パスタ】も新しさも相まってとても好評だった。おやつでなくご飯系かき氷が食べられてクルも興奮気味で食べている。しかし、ふと人族の方を見てみると、昨日とは様子が少しちがう。


「こちらをちらちら見ている奴もいるけど、今日は襲いかかってこなさそうだな…。」

「まぁ、お昼じゃし、このあと進軍があるからのぉ。流石に奪いにくる奴はいないじゃろ。」

「確かに。それじゃ、今日の夜も胃袋刺激系で追い討ちかけてやりますか!」

「おう!楽しみじゃ楽しみじゃ!」

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