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感謝のワンハンドフードを作ろう

パーティーフードを作ろう。

ブラックな働きっぷりであっという間に移動手段を完成させてくれたクアワさん達には感謝のランチをご馳走させてもらおう。そこでどんなメニューがいいか仲間達に相談してみた。


「ハンバーグ。」

「オラ、おいしいのがいいぞ!」

「クルも食べていい?」


まぁ、そうなるよね。元気に答えてくれるみんなに笑顔をひくつかせていると、リアが肩を叩いて優しい笑顔を向けてくれた。


「片手で食べれるものとかは?」

「ドワーフは食べる時間を惜しんでまで作り続けるから…。あとはやっぱりお酒?」

「なるほど、片手で食べれる食べ物ね。いいかも!お酒は俺があんまり得意じゃないからなぁ。でも挑戦してみるか。」


【ピザコーン】だって好評だったし、やっぱりドワーフにはワンハンドフード、と言うことで早速材料をゲットしよう。あと道具も。必要な道具はドーナツ型なので、こちらはこだまにサクッと作っておいてもらう。

手持ちにない材料のお酒をゲットすべく街に繰り出すことになった。

街に出てみて分かったことだが、ジクロブ・ハフナのお店は、市場のように一箇所に集中するスタイルでなく、やりたい人が好きにお店を開くスタイル。なので欲しいものを探すにはとにかく歩くしかない。住宅街の中に突然工場がでてきたり、学校の中に家具屋があったりする。ちなみに学校の中の家具屋は先生が突然思いついて開いてしまったらしい。そして家だと思っていたら店というのも非常に多く、判別が難しい。工場スペースを見つけて入っていったらただの家だったのには驚いた。

そして店を切り盛りする人は圧倒的に女性が多かった。没頭したら時間が分からなくなる男衆には向かないからかもしれない。


「あら、あんた達、こんなところで何してるんだい?」


求める店を探して歩き回っていたところで、偶然マーラさんと出会った。


「食材を買いに来たんですけど、なかなか店を見つけられなくって…。マーラさんこそどうしたんですか?」

「私も買い物さ。長いこと家を開けてたら、何もかもなくなってたからね。よかったら一緒に行くかい?」

「いいですか!?正直途方に暮れてたんです…。」

「ははは、この国は店が見つけづらいからねぇ。それで何が欲しいんだい?」

「麺と肉、トマト、粉チーズ、寒天、後はお酒ですかね。」

「どれも丁度私も用がある店だね。着いてきな。」


マーラさんと連れ立ってやって来たのは、やはり一見ただの家。でも入ってみると思ったよりも広い店内と種類豊富で立派な八百屋さんだった。どれも新鮮で聞けば裏の畑で作っている野菜も多く、いわゆる生産者の営む店。産直だけにどれも安くて立派、最高の食材を手に入れることができた。


「次は肉屋だね。」


八百屋に続いて案内されたのは隣の家。中はこれまた広くて立派な精肉店だった。


「豚肉のミンチってありますか?」

「あるよ。ミンチの粗さはどのくらいがいいのかい?」


ミンチ度合いまで選べる素晴らしい精肉店だった。今回は細かいミンチを選んで購入。


「最後は酒だね。この国一番の酒屋に連れていってあげるよ。」


ドワーフは元来酒好き。この国一番といわれたら自ずと期待値が上がってしまう。しかし案内されたのは、いい意味で期待を裏切る超ド級の店だった。もはや蔵元で巨大な樽が所狭しと敷き詰められていて、生産者さんが作りながら売っていた。またまた産地直送です。

しかも相当種類も多い。ウィスキーのような酒が多そうだがビールにリキュールなどもある。そしてなんと!日本酒も発見した。滅多に出会わない日本酒、これは大量に確保しておこう。調理主としてだが。


「どんな酒が欲しいんだ?」

「そうですね…ドワーフの皆さんが好きな種類を数種類欲しいです。あ、発泡酒系はやめときたいですけど。」

「なら、この辺のだね。」


選ぶのは全部マーラさん任せだがお酒もゲットできた。買い物帰り、大量に買い込む俺達の荷物を眺めながらマーラさんが尋ねてきた。


「そんなに買ってどうするの?」

「実は道具を作ってくれたクアワさん達に何か作ってあげようかと思いまして。ドワーフだから作業しながらでも片手で食べられるものがいいかなって。」

「片手で食べられる。それは気になるねぇ。それ、家で作りらない?」

「マーラさんの家でですか?」

「私も作り方知りたいからね!」


そんな流れで、再びマーラさんの家の台所をお借りすることになった。


「それで、どんな料理を作るんだい?」

「パスタ料理にしようかなって思ってます。クラッグさんもパスタ好きそうだったし、ドワーフの皆さんはパスタ好きですか?」

「確かに、好きな人は多いね。でも作業中には向かないから食べるのは宴会の時くらいだね。普段は、もっぱら肉をかじっている。」

「肉は骨つきにすれば片手でも食べられるけど、パスタは難しいですもんね。だから片手で食べれる【スパゲティドーナツ】を作ろうと思ってるんです。」

「【スパゲティドーナツ】?聞いたことない食べ物だね。」

「面白い作り方ですよ。見ててください。」


【スパゲティドーナツ】


材料

・スパゲティ

・トマト

・みじん切りにんにく

・バジル

・挽肉

・塩

・胡椒

・粉チーズ

・マヨネーズ

・小麦粉

・片栗粉


「折角なんでマーラさんお手伝いお願いできますか?」

「えぇ、なんでも言って。」

「ではスパゲティ茹でていただけますか?俺はその間にスパゲティのソースを作りますので。」

「そのくらいなんでもないよ。任せておいで。」


マーラさんにスパゲティを茹でてもらっている間にソースを作ろう。

フライパンでみじん切りしたにんにくをオリーブオイルで炒める、香りが立ったら挽肉を炒める。みじん切りしたバジルとトマトを潰しながら入れ、塩胡椒して煮詰めていく。

ソースができたら荒熱をとり半分に分け、片方を粉チーズ、小麦粉を加え、もうひ片方に粉チーズ、片栗粉を加えていく。どちらも水っぽさがなくなる硬さに。


「見た目は普通のスパゲティソースだね。粉の違いはなんなの?」

「小麦粉を入れるともちもち食感になって、片栗粉を入れるとザクザクした食感になるんです。どっちがお好みか分からないので食感比べに両方作ってみようかなって。」

「へぇ、見た目は一緒なのに食感が変わるなんて面白いね。」

「このソースに茹でたスパゲティを入れてしっかり混ぜ、ドーナツの型に入れていきます。こだま、ドーナツの型よろしく。」

「はい。」

「オラは?オラは?お手伝いするぞ!」

「じゃあエティはこのスパゲティをドーナツ型に入れていってくれるか?」


こだまにばかり頼っていたらアピールを始めるエティ。仕方ないのでドーナツ型に詰めていく作業を任せることに。入れる際のポイントは、少ないと硬くなりすぎるのでたっぷり入れること。

型に入れたらオーブンで焼く。これで完成だ。


「へー、スパゲティなのにパンみたいに形がしっかりしているよ。」

「これなら片手で持てるでしょ?スナック感覚でスパゲティが食べちゃいます。折角なんでいろんな味のソースも試してみますか?」

「そうだね。それじゃ、他のソースは私が作るよ。他にも作るのがあるんでしょ?」

「材料からバレてましたか。そうです、食べるお酒【テキーラボール】作ろうかなって。」

「酒まで食べられるのかい?そりゃあ楽しみだ。」

「それじゃ、【スパゲティドーナツ】はお任せします。こだまとエティとクルは俺のお手伝いね。」


いろんな味の【スパゲティドーナツ】作りをマーラさんとリアの女性陣に任せて、男性陣で【テキーラボール】を作ることに。


【テキーラボール】


材料

・おテキーラ

・ジュース

・砂糖

・寒天


鍋でジュースを沸騰しないよう温め水で戻しておいた寒天と砂糖を入れてしっかり溶かす。少し冷めたらお酒を入れて型に入れて冷蔵庫で冷やし固める。ポイントはアルコールが飛ばないように温度を熱くしすぎないことだ。お酒のゼリー、それが【テキーラボール】。食べすぎ危険でこれもパリピがポンポン口に入れてく様子が脳裏に霞む。そのまま食べてもいいし、クラッシュしてアイスティとかに混ぜたりアイスと合わせたりしても良いかも。


「へぇ、それすごい簡単。食べてみるのが楽しみだね。」

「あっという間に完成ですね。それじゃ早速クアワさん達のところに持ってってあげましょう。クラッグさん達も声かけてあげてください。」

「あぁそうする。殴ってでも連れてくるよ!」

「殴ってって…。」


さぁ、いよいよ実食です。

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