飯テロ⑤迷惑を被る村人達
村人達へのアフターケアーも飯テロの一環です。
半月後、コウウの元にガンテツが慌てた様子で謁見を願いでる。
「し、失礼します!コウウ様、食糧の在庫が…底を突きかけています…!」
「ふむ。間に合わなかったか…。」
「間に合わなかった…と申しますと?」
「コウウ様はこうなることを見越し、食糧の手配を大都に依頼していらっしゃったのだ。」
「皆の食欲が爆発的に上がっていたからな。しかも日を追うごとに胃袋が大きくなったのか、食べる量も増え続けている。」
「た、確かに飯を楽しみにしている騎士は多いですし、いっぱい食うために仕事を頑張る奴までいますから…。」
「大都からの返事は一向に返ってこない。しかたない、村の米を買い占めよ。」
「え、でもそれじゃ村の人たちは…。」
「騎士の飯の質を落とすのは本望でない。ならば村人たちには今年は豆で我慢してもらうより他ないだろう。買取額を少し上乗せしてやれ。」
あと少しでエルフの国に攻め込めるようになる今、騎士達の戦意を維持したいコウウ。哀れ村の人たちは豆しか食べれなくなります。買取を上乗せしたとて、元々安く買い叩かれていたので喜ぶものはいないでしょう。
こうして村人達から米が取り上げられていった。
「楽、子供拾った。」
「こだま!生き物を拾ってきちゃだめって言ったのに!あと子供は落ちているもんじゃないぞ。」
「いいな、いいな!オラも拾いに行くぞ!」
ワシッ。寸でのところでバカエティを取り押さえる楽。
「ぼく、カイト。豆しか食べれなくなったお母に、何か別のもの食べさせたくて森で探してたの…。」
「ほら、こだま。この子は拾っちゃダメな子。」
「楽、お腹すいた。」
「お前絶対確信犯だろ。はぁ。カイト、こだまに拾われたのも何かの縁だ。お前とお母さんにご飯御馳走してやる。家案内してくれるか?」
「え、お母に豆以外食べさせてくれる!?」
この村では大豆は育ててはいるが、基本は大都に売るだけであまり食べ方を知らないらしい。大都の富裕層がここの大豆を使って醤油を作るらしい。豆腐は?と思うだろうが日本でも豆腐が広く普及したのは1700年以降らしいし、あってもまだ大都なのだろう。だから豆は煮るくらいしか食べる方法がないし、ひどく味気ない。他の食べるものを探そうとするのもうなづける。
カイトの家は母との2人暮らしだった。お母さんは明らかにご飯好き、な体型でした。ぽっちゃりしてて肝っ玉母さん然とした感じだ。
「豆しか食べれなくなってお母痩せちゃったんだ…。だから豆以外のもの食べさせてあげたいんだ。」
「へ、へぇ、痩せちゃったんだね…。」
全然わからなかったけど、お母さん思いの優しい子だって事はわかったぞ。
「まぁ、カイト森に行ってたのかい!?危ないからダメだってあれほど言ったじゃない!」
「だって…。もう長い事肉食べてなかったから、肉捕まえたかったんだ…。」
「そうか、カイトは肉を食べさせたかったんだな。じゃ、肉にしよう!」
「え!本当!?」
俺が選んだメニューは、【オール大豆タコス】だ。【タコス】って無性に食べたくならない?だからこのメニュー。しかし肉が無く、大豆しかないからちょっと道のりは長い。まずは【豆腐】を作ろうと思う。
【豆腐】
材料
・大豆
・塩(マグネシウムが豊富なもの。つまり海水から作られたもの。)
・水
作り方は【ひよこ豆の豆腐】と一緒。大豆を水で煮て、ミキサーで混ぜて、絞り、豆乳の方に苦汁を入れて冷やす。概ねそんな感じだ。
豆乳は豆腐以外にも【チーズ】を作ろうと思っている。
【豆腐チーズ】
材料
・豆乳
・レモン汁
これまた超簡単。豆乳にレモン汁を入れて厚手の布で濾しながら2時間ほど冷やす。だけ。
まだまだ大豆加工品続くぜ。次は【トーフミート】。
【豆腐ミート】
材料
・豆腐
そう、豆腐だけ!豆腐を冷凍して、解凍。そうすると繊維がスカスカ高野豆腐みたいに。これが肉の食感に似ているのだ。ヴィーガンの人が多用してるお手軽ミートだ。今回は挽肉がわりなので細かくしておく。
食材が揃えばいよいよ【オール豆腐タコス】。
【オール豆腐タコス】
材料
・玉ねぎ
・豆腐チーズ
・豆腐ミート
・玉ねぎ
・塩
・胡椒
・ナツメグ
・ケチャップ
・チリパウダー
・コンソメ
・砂糖
フライパンに油を引きみじん切りした玉ねぎをしんなりするまで炒める。挽肉状の豆腐ミートを入れ、塩、胡椒、ナツメグを入れて炒める。全体馴染んだら、ケチャップ、チリパウダー、コンソメ、砂糖を入れて混ぜればタコミートの完成。
タコスに入っているワカモレの代わりは【大豆のフムス】にしようと思う。フムスはバゲットや野菜スティックなんかにつけて食べるペースト。おしゃれな人がホームパーティーのアペタイザーなんかに食べてるやつね。
【大豆のフムス】
材料
・大豆
・オリーブオイル
・白ねりごま
・レモン汁
・すり下ろしにんにく
・塩
蒸した大豆をミキサーで細かく攪拌。オリーブオイル、白ねりごま、レモン汁、すり下ろしにんにく、塩をいれて混ぜ混ぜ。はい完成。そして、忘れてはいけないあれ!
【大豆トルティーヤ】
材料
・粉末大豆(大豆をまんま粉末にしたもの)
・お湯
・塩
パンを作るように、材料全部混ぜてとにかくこねる。まとまったら、20分くらい寝かせる。
後はトルティーヤサイズに薄く伸ばしてフライパンで両面しっかり焼く。
漸くここまでたどり着けましたね!後は【大豆トルティーヤ】に【タコミート】、【大豆のフムス】、【豆腐チーズ】乗っければ完成だ。もしトマトとレタスがあれば細かく刻んで乗せると良いよ。
「お肉みたいだ!周りのもパンみたいでおいしいし、チーズ?すごい!」
「本当、チーズなんて久しぶりに食べたわ。これが全部豆なんて…まるで魔法みたいね。」
あなた達リアル魔法使えるのに、魔法みたいって。俺は魔法の方がすごいと思うぞ?
「うまうまうまうま」
「すごいぞ!全部豆なのに全部違う味だぞ!」
うちの子達も驚いたようです。
正直大豆は小麦粉と同じくらいポテンシャルがある食材だと思う。小麦粉をあの手この手で加工して作った、小麦粉加工食の最高峰がグラタンコロッケバーガーなら、パンも、肉も、チーズも作れちゃう大豆の方が凄くないかな?とか思う。きなこに納豆、醤油、味噌だって大豆じゃないか。
「お母、パンにもお肉にもなるなら、もう米なくても大丈夫だね!」
「確かにそうねぇ。」
「いや、大豆はご飯の代わりにはならないよ?」
「え、何で?」
「体にはご飯の栄養も必要だからさ。だが安心しろ。ご飯の代わりも作ってやるさ。」
そう、実は米の代わりに大豆を代用はできない。大豆はタンパク質で米は炭水化物だからだ。そこで、炭水化物メニューも作ろうかと思う。でも今はまだ材料がない。そこで俺たちはあるところに向かうことにした。




