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ピノキオもびっくりの胃の中

異世界といえばこんな展開ですよね?

有名な木の少年もビックリの見事な丸呑みぷりでした。

おじいさんも緑の光もきっとこの中でしょう。

驚きを通り越してそんなくだらないことが頭をよぎりましたが、ライオンもどきに襲われている最中でした。

飲み込まれた事も気にせずライオンもどきが襲って来ています。

あ゛ーーーー!埒が明かない。いったん休憩!

リアには内緒でしたが、そんなことも言ってられない。


「こだま!」


叫びつつ「どこでもYEAH」をあけると、相棒がリアを、俺がエティをワシッして飛び込み、ドアを閉め鍵をかける。するとパッとうめき声が消え、即平和に。


「はぁ、危なかった。」


座り込み息を整えていると、「…!?ここは??」「オラ、こんな場所初めて見たぞ!」と案の定の騒ぎに。


「ここは楽のおうち。」

「ま、そういうことだ。魔法が使えない俺の唯一のとっておきだ。いままで内緒にしてたがな。」

「み、見たことないものばかりだ…。」

「言ったろ、おれは地球人だ。ここは俺が地球にいた頃の家。魔法のない世界から来たからこうやっていろんな技術が生み出されているんだ。」


電気をつけると驚くリアとエティ。


「オラ、地球人生まれて初めて会ったぞ。」


ざっくりと家の中を紹介し、外が落ち着くのを待つためにも今日はもう休んじゃうことに。

久々の我が家、落ち着くわぁ。お風呂入ってさっさと寝よう!と思ったらこだまもエティもリアまでもが同じベッドに入ってくる。こだまはいつもだが…みんな初めての場所見知りかな?落ち着かないから一緒に寝たいそうだ。せめぇ!めちゃくちゃせめぇんですけど!

ってかリア、俺一応男ですけど!?男と思われてない…!?それはそれでショックですよ!?おじさんだって泣きますよ??一人心を痛めながらその日を終えた。


翌朝、ドアの覗き穴から外を伺うと、ライオンもどきは見える範囲にはいなくなっていた。

朝食食べたら外出てみるかな、ということでとりあえず朝食。

今日の朝食は【ホットサンド】と【コーンスープ】でちゃちゃっと。

もちろんハンバーグ入りもあるよ。

だからじっと見つめないでね、こだま?


【ホットサンド】


材料

・食パン

・バター

・お好みの具


ホットサンドクッカーにバターをたっぷり塗る。久々の現代調理器具。因みに我が家のホットサンドメーカーは直火式のやつです。昨日のうちに食パンメーカーセットしておいたので食パンは出来立て。ビバ現代調理器具。スライスした食パンをバターの上に置き、ソテーしたじゃがいもとにんじん、チーズ、ハムを入れぎゅーっと潰しながら両面こんがり焼く。

他にもハムとスクランブルエッグ、冷凍しておいたカレーをレンチンしたもの、昨日釣った魚とハーブ塩胡椒、もちろんハンバーグも。フライパン一つで作る【エッグサンド】もいいが、シンプルな【ホットサンド】大好物だ。子供の頃、我が家ではカレーの翌日は必ずカレーホットサンドだった。懐かしいなぁ。


【コーンスープ】


材料

・コーン

・牛乳

・コンソメ

・塩

・じゃがいも


某CMの刷り込みで、朝といえば【コーンスープ】。鍋に牛乳ととうもろこしのみを削ぎ入れる。

火にかけ、コンソメと塩。ふつふつして来たらすり下ろしたじゃがいもを入れトロトロに。

俺オリジナルコーンスープの完成だ。


「うまうまうまうま」

「これすごいうまいぞ!」

「カレーは子供の心掌握率半端ないね。」

「このスープ食感楽しい。」

「だろ?コーンのプチプチとじゃがいものドロっと感最高の食感だよな!」


会話が弾むすごい満足感のある朝食、おいしゅうございました。


さて。

外、いや中(?)はどうなってるでしょうか?

おっかなびっくりでてみると、あらびっくり。

外、いや中(?)は透明なクリスタルの世界でした。


「どんなやつに飲み込まれたのかは分からないけど、体の中クリスタルって凄くない?」


思わず一人ごちる。

胃の中だというのに雰囲気は森だ。クリスタルの山の麓に広がるクリスタルの木々。クリスタルの鳥が飛んでるのも見えた。全てが透けて見えるクリスタルでできている。

しかし外の世界は見えない。

そして何故か明るい。

昨日は暗かったので外と同じように1日の明かりのサイクルがあるのだと思う。

もし緑の光を飲み込んだやつがいたら、一発でわかるだろう。


「ここってどこか知ってる?」


念のためにみんなに聞いてみてもやはり分からないという。

仕方ないので適当に彷徨ってみよう。

出口ってまさか…なるべく上の方目指そうかな。


歩いてみると、非常に歩きづらい。

足元もクリスタル。ツルッツルだ。

歩きづらいと分かった途端、こだまは俺が肩車させられている。

俺とリアは滑り止めしっかりの靴に履き替えた。

エティはアイススケートみたいに滑り歩きしている。

寒い地域が得意なだけあって、ツルツルも得意なのだそうだ。


そして、しばらく歩いて本日の難所が現れた。

坂、である。

その先に何かあるか分からないし、ツルツルで一度滑ったら止まらない。

悩んでいると、エティが俺、リアの手を掴み一気に飛び出した。


「っひぃやぁぁぁぁぁあぁあああああああぁっぁぁぁぁぁ…。」


最高に情けない雄叫びを上げて一気に滑り降り、コブに乗り上げ天高く飛び上がる。

やめて!蝋で固めた鳥の羽まだ持ってない!

蝋の羽は最後溶けて結局落ちるんですけどね。


ジェットコースターの類があまり得意でない。なのにゾワっとする浮遊感。落ちる!!!と思ったら、ピタッと着地。まるで棚の上に置いてくる、そうレイアップシュートのように。肝が冷えたぜ。

しかし既にしっかりと腰が抜けているので、這いつくばりながらあたりを見回す。

隣にはヒーローポーズで降り立つエティ。

何事もなかったように立っているリア。

そして、不安定な楽の肩からみごとな1回転で着地するこだま。

情けない姿を晒しているのは楽だけだった。


降り立ったのは小高い丘の上。

と間違えるほど大きな、首長竜の頭の上だった。

もちろんクリスタルの。

それはそれは大きな目が、楽たちをジロジロみている。


「オラ、エティだぞ。お前なんだ?」


呑気なエティが首長竜の頭をバンバン叩きながら尋ねる。こら、首長竜さんが怒ったらどうするんだ!

すると地鳴りのような音が鳴り響く。


「そうかそうか。エティたち緑の光探してるんだぞ。お前、みなかったか?」


会話成り立ってるの!?

もしかしてさっきの地鳴りってこいつの鳴き声?


「おぉ、お腹が緑に光る鳥をみたのか。それ絶対緑だな!よし、その鳥のところまで連れてってくれ。」


勝手に話が進んでます。そして首長竜が動き始めます。


「エティ、こいつはなんて言ってるんだ?」

「こいつはこの亀鯨の胃の中に住んでるクォーツ竜なんだぞ。緑を食べた鳥の群れを見たから案内してくれるんだぞ。いいやつだぞ!」

「さいですか。」

「やはりここは胃の中…。ここは安全なのか?」


ぐおぉぉぉおお


リアの言葉を理解してか、クォーツ竜が答える。


「楽、ここにいるとみんなクォーツになっちゃう。いやなら早くでたほうがいい、言ってる。」


おぉ、こだまも言葉理解できるのね。

クォーツ化、竜みたいに生きてられるのかしら?

まぁならないほうが良さそうだな。クォーツおっさんモテる気がしないし。

その後、エティ、こだま、クォーツ竜はお喋りしながら鳥の群れの元へと向かう。

すごく揺れるんでこちらは落とされないように必死だ。

15分後、数本の木にまたがって作られたまるでツリーハウスのような巨大な鳥の巣が見えて来た。

同時に、大量の鳥がこちらに向かってくる。

あれ、絶対威嚇してますよね?

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