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P.A.R.T.S become Hero  作者:
5/5

2話の4「地下洞窟」

何度もアクセスしているジェイクは最初のほうこそ違反が露呈することに緊張していたが今は呑気にだらけきっている。

しばらく読書をしたのち石から腰を上げ背筋を伸ばす。

浮かび上がるホログラムに対して指を横に振り時刻画面に切り替える。

「そろそろ戻る時間だな」

ドリルを手に持ち移動しようとしたとき。突然地面が大きく揺れ始める。

逃げる間もなく体がよろけて壁に体がぶつかる。

揺れが強く立っていられないジェイクは身をかがめ天井が崩れないことを祈るしかない。

揺れは数秒間続きほこりが洞窟に舞い上がる。更に数秒後に突然収まった。

恐る恐る立ち上がり頭を軽く横に振りほこりを払う。

今の振動について通知が来るかと思いホログラムを起動すると彼は一瞬理解できなかった。

「文字化け?」

その画面に通知はなく、目に入ってきたのは先ほどまで読んでいた資料が文字化けしている様子だった。

再度資料を読み込むと文字が出てきたが文章が変わっていた。

『、、、俺の英雄譚はこうだ。幾度となく迫る敵をなぎ倒す。その動きは雷。その怪力は橋を持ち上げる。その知恵は書物にするなら点に届くほど積み重ねられる。その英雄譚は興奮と、、、、』

ジェイドはその文章を見つめて眉一つ動かさない。

「別の資料を読み取ったのか?」

そういってホログラムを閉じその場を後にする。

エレベータに乗り上に戻り腕輪を付けられた機械とは別の機械の中に腕を入れ腕輪を外す。

『勤務態度:良好。本日はお疲れさまでした。明日から三日間は休みになります。ご自由にお過ごしください。』

ジェイクは一息ついて帰りの通路を歩く。人でごった返している広場をチラッと見るとカイルが数人の男に絡まれていた。

ジェイクはしばらく見つめた後、ゆっくりと歩みを進める。

歩いているうちに口論のようなものが激化しカイルが殴られる。

周りで悲鳴も上がるがジェイクはゆっくりと歩いている。

「お前、盗んだだろ?あぁ?」

殴られて尻もちをついているカイルの胸ぐらをつかみながら相手は叫んでいる。

ジェイクは集団に近づき声をかける。

「カイル、どうした?」

「あっ!、、、ジェイ!こいつら、俺がクレジットを盗んだって言いがかりをつけてくるんだ」

「、、、盗んだのか?」

「神に誓って盗んでねえ!」

神に誓っても意味がないなどというくだらないことは言わない。

「そもそも、クレジットなんてどう盗むんだ?」

少しあきれたように話しながら、ジェイクは胸ぐらをつかんでいる男とカイルの間に入り込む。ジェイクの顔の位置が相手の胸のあたりに来る。想定以上にでかい相手だったようだ。しかし、ジェイクは焦る様子も見せない。

「それは、、、腕輪をハッキングされたんだよ!」

「そんなことしたら統制局が黙ってないぞ。もう少しマシな嘘を考えろ」

相手の理屈を否定したうえで逆に提案をする。

「今すぐにクレジットが必要なら貸してやる。こんなところで揉める意味もないだろ」

目の前の大男は明らかに不機嫌そうな顔をして次の瞬間拳を打ち出す。

その一撃を喰らいジェイクはよろめく。

周りの取り巻きは煽り立てるように声を上げる。

ジェイクは目を瞑りしばらく考える。

「仕方ないか、、、明日から三連休だったんだが」

目を開けジェイクは相手に対してまっすぐ構える。

「この前読んだ本だと、、、確かここを引いて、、、重心を、、、」

「何をブツブツつぶやいてるんだあ!」

巨体が迫ってきた次の瞬間、全員が予想しなかったことが起きる。

ジェイクが素早く突き出した蹴りで相手の体が吹き飛ばされたからだ。

数メートル吹き飛んだのち、立ち上がらずにその場で涎を垂らしながらうずくまる。

取り巻きもそれを見て呆然としている。

すぐに統制局の局員が来て制圧態勢に入る。

ジェイクはすぐに膝をついたので過剰な制圧は受けなかったが、取り巻きは我に返り応戦し始めた。

その様子を横目に彼は連行された。不服そうな様子など顔に出さずに。

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