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1話「完成された都市」
長い間太陽を見ていないと人は言う。
人類史上最大の核戦争が起きてから首脳各国を含むすべての国が越えられない苦難を迎えた。
異常気象、土壌汚染、経済社会の崩壊、人類という大きな生物はただ衰弱しながら終わりに向かうだけだった。
しかし人というのはおかしな生き物だ。
半年前まで殺し合いをしていたというのにそれを水に流し、新たな未来のためにすべての国が協力し苦難に向き合い始めた。
だから海岸にすべての起点となる塔を作った。
彼らはそこを中心に都市を形成し、いつか世界中を復興させることを誓った。
それから二千年、崇高な誓いは忘れ去られ人類は堕落した。
完成都市P.A.R.T.Sは人類に戦前と変わらぬ豊かさを与えた。
それと同時に人々に再び階級を与え、貧富の差を生み出させた。
長い間太陽を見ていないと人は言う。
それすらも贅沢であることを知らない。
なぜなら、彼は長い間空を見ていない。
これは羨望の物語。
これは渇望の物語。
これは絶望の物語。
これは希望の物語。




