あの世で見つける、番人と対決
また遅くなり申し訳ございません。私生活が忙しくあまり時間が取れません。不定期ですがよろしくお願いします。
あれ……?どこだ……ここ……真っ暗だ。
ゴポゴポゴポゴポ
ずっと水の中にいるような……そんな音が聞こえてる……なんだ……これ……。
(・・・・い・・・・真・・・・・ろ!!)
誰かが……なんか……叫んでる……誰だ……?
(おい!!玲真!!起きろと言っとろうが!!)
あれ……ガルゴか?ここは……?確か……?
「そうだ……俺は……あいつを……」
ラミエラを……助けに来たんだ、あの世まで。
(やれやれ、ようやく思い出したかい、世話かけおって)
悪かったなそりゃ……ここがあの世なのか?真っ暗で何も見えないんだが。
(正確には、その中間地点……周りが暗いと言ったな?よく眼をこらして見てみぃ、お主の眼なら、見えるじゃろ)
はあ?目を凝らせって、一体どういう……。
ヌルリ
あ……?なんだ?ぬるって……そういや、何だか生暖かいような……。
「オ……オォォォォォ……」
「うおっ!?な、なんだぁ!?」
バチン!!
な、なんか、辺りが真っ暗だと思ってたら、全身黒一色の人型がいっぱいいる!?なんだよこいつら!!てか殴り飛ばしちゃったんだが!?
(これが死者の成れの果て、自分が誰かも分からず、他の者と混ざり合ってしまっておるんじゃ)
は……?それじゃ……ラミエラ、は?間に合わなかっ、た?
(早合点するな、普通の人間ならじゃ、あの子は普通じゃ無い、それはお主が一番分かっておろう?)
・・・・・・・確かに、ラミエラは魔力がバグってたけど……関係あるのか?そんなの。
(ある、魔力とは魂に宿るもの、あの子の魔力量は、それだけあの子の魂が強いという証、それならば、他者と混ざり合って無い可能性がある)
・・・・・いろいろ初めて聞くが、要するに、この中からラミエラだけを見つけ出せ、と?
(簡単に言えばの、だが話はそう単純じゃあ無い)
は?それってどういう……
〈レイシンくん〉
「ラミエラ!?」
ばっ!!
〈レイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくん〉
「は……はあ……?」
ラミエラの声が聞こえて、振り返ったら……ラミエラがたくさんいる?
(やられたか……さっきも言ったが、こやつらに自我は無い、ただ生にしがみつく亡霊……今、この場で一番生に近いのはお主じゃ、だからこそ、お主にしがみつく)
しがみつく?それが何でラミエラの姿に……。
(つまり、お主の目的であり未練、ラミエラの復活に乗じてここから出ようとしてるんじゃよ)
はぁはん?なるほど……舐めてんのか。
〈レイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくんレイシンくん〉
「うるせえ!!ラミエラの声で喋るな!!ぶっ殺すぞ!!」
(もう死んどるよ)
うるせえ!!言葉の綾!!
(しかし……どうやって見つけるかの、こればかりはわしも力を貸せん、お主が見つけ出さねば)
クッソ……どれが本物だよ……全部ラミエラと同じ姿だ、完璧に!!
(既に死んでる以上、他者に化ける程度どうってことあるまい、普通には見分けられんな)
普通にはね……普通に……ん?
(なんじゃ?どうした玲真)
「・・・・・・・なんだ、そこに居たのか」
俺は、無数にいるラミエラの偽者をかき分けながら進んだ。
「迎えに来たぞ、ラミエラ」
「オ……オォォォ……」
最初に殴り飛ばした黒い人型……それだけが、ずっと同じ姿だった。
「ごめん、殴っちまって……帰ろうぜ、ラミエラ」
「・・・・・・・なん、で……来たの……?」
俺が近付き、話しかけると、黒い人型からラミエラの姿に戻った。
(たまげたの……一発で見分けよった)
あんま舐めんなって……ラミエラ、悲しんでるのと怒ってるので、分かりやすかった。
「私……弱くて……死んだのに……レイシンくんまで……何で……」
「なんで、か……好きだからだよ、お前が一番、何よりも、離したくない」
俺は、本音を言ってラミエラを抱きしめた。その体は、死んでいるからか冷たかった。
「この世界に来て、初めて知ったんだ……誰かを、ここまで好きになる気持ち……もう、後悔しねぇ」
「レイシンくん……」
「帰ろうラミエラ、帰ってまた、一緒に冒険しよう?」
「うぅ……うん……ぐずっ」
〈ユルサヌ、ソレハケッシテユルサレヌ〉
ゴボン……ゴボゴボゴボゴボゴボゴボ……。
突然の謎の声と供に、周りのラミエラの偽者がナニカに引き寄せられ始め、巨大な人型に変ぼうし始めた。
(来よったか……さあ、ここから正念場じゃぞ)
だろうよ……定番だよなぁ?あの世の番人。
「ラミエラ、下がってろ」
「うん……」
俺はラミエラを背に構えた、武器無しでどこまで出来るか……。
(いや、よく見てみい、持ってるじゃろ、一本だけ)
は?いやいやずっと素手で……あれ?
「哭破……?いつの間に……」
俺の手にはいつの間にか哭破が握られていた。もしかして、俺をあの世とこの世に繋いでるからか?
(そうじゃよ、さあ!!こいつを倒して、ここから出るぞい!!)
「もちろん……なあ、あの世の番人さんよ、許されぬ、だったか?」
〈ユルサレヌ……ユルサレヌゾニンゲン……〉
「確かにあんたが正しいよ、死者は普通生き返らねえんだから……だけど!!」
チキッ
「俺は!!自由に生きると決めた!!誰にだって指図されねえ!!ラミエラは絶対に、連れて帰る!!」
俺は、哭破を構えて突撃した。あの世の番人との、直接対決が始まった。
次回か次々回にはあの世から帰還させたいです。もしよろしければ、ブックマークとコメント、レビューお願いします。