1
あるところにひとつ星が浮かんでいた。
その星には命と水に溢れていた。
その水の中に三つ、四つほどの陸地があった。
そこもやはり、命に満ちていた。
数多の神々はそれを眺め、良しとしてその星へ降りて行った。
そこは昼であった。
ある神はそこに猿を見つけ、空を翔び眺め始めた。
そこは夜であった。
ある三つほどの神はそれを良しとせず、日の光を気にせず暮らせるよう地下へと穴を堀り、そこを住まいとした。
ある時、地表に暮らす神々が、自分たちのための食糧が食い荒らされているのを見た。
それを見た主神ビリスは激怒し、他の神々に問い詰めた。
心当たりのあるものはいなかった。
問い詰めているうち頭が冷えた主神ヒュリスにもやはり心当たりはないのであった。
これを見たある1人の神が、“皆で交代で食糧を見張って犯人を見つけるのはどうか”と言った。畢竟それ以外の案などなかったので、二つごとの神が1日毎に交代して見張ることになった。
3日もせず神々は犯人を捕えることができた。
食糧を盗み食っていたのは、猿であった。神々の多くもこれは予想しなかった。
“捕まったからには抵抗するつもりはないのだ、このような猿などは殺してしまえ”と猿は言った。
主神はその潔さに驚き、その猿に情けをかけることにした。
ある神は“その猿の心持ちや潔し、殺すのではなく罰を与えて逃すのはどうか”と言った。それを聞いたある神は“知能を高めて見せてはどうか。面白いものが見れるかもしれぬ”と言った。
主神ビリスはこれに“では知能を与える代わりに体の作りを少しばかり弱くしてやろう”と言い、猿の体を作り変えた。
その後、猿を放ち、この事件は幕を下ろしたのである。




