性格悪いよな
ミロクは案外性格が悪い。そう思ってはいたが、本性はここまで狡猾な奴だったとは。
私たちはミロクの悪だくみを間近で見て、少し戦慄を覚えていた。ここまで狡猾な奴だったとは思えないが……。
「というわけだ。お前ら試験官を……どうした?」
固まったままの私たちを見てミロクは驚いていた。
「いや、お前こんなに性格悪かったか?」
「ん? あー、やるなら徹底的に、だからな……。その、幻滅したか?」
不安そうに尋ねてくるミロク。
「幻滅はしていない。だがしかし、敵には回したくはないな」
「だね。金を持っててここまで狡猾なやつとはミツネとは違った意味で相手したくないよね……」
「……悪かったよ。そこまで言うなっての。ま、これで情報を集められるのは本物の鑑定士が見つかるまでだからな。本物の鑑定士が見つかったらこの作戦は意味をなさなくなる。俺が本当に性格悪いやつだったら、鑑定士を誰よりもいち早く見つけて鑑定不可能の状態にするさ。そのほうが俺らにとって都合がいい」
なるほど。一番ひどい手は取ってはいない、か。
「ま、それをしないだけまだましなんすけどね。で、試験は俺らで決めていいんすか?」
「ああ。ミツネ以外はそれぞれで決めろ」
「私は決めれないのか?」
「ミツネはこれを使ってもらう」
と、差し出されたのは運命の天秤というアイテムだった。
「これは運対決用の天秤でな。片方に毒の丸薬、もう片方に無毒の丸薬が乗っかっている。これは自動補充されるからなくなる心配もないものだ。前に適当にぶらついてたら見つけてな。面白そうだからって思って買った」
「……これを使えというのか? もし私が毒を飲んだら? 死んでしまうから鑑定などできんぞ?」
「そこは考えてあるさ。この乗っかっている奴は入れ替えることができる。入れ替えて、当たりのほうはあまーい黒糖飴に、毒のほうはにがーい飴玉に変えておいた。死ぬ心配はないが、外れだった場合苦さが襲い掛かる」
うーむ。微妙な罰だ。だがしかし、生死をかける必要がないのは救いかもしれんな。これは運の勝負だといえる。
私の剣が一切からまないのでこういう勝負は公平に行けるだろう。
「ミツネ、試練は頼んだぞ。お前らもな。試練の場所が決まったら教えてくれ。掲示板に書き込み人を集める。わざと負けるのは禁止だぞ。実力をちゃんと出すんだ。わざと負けてしまったら相手に失礼であると思え」
「わかった。ま、僕も全力で頑張ってみるよ」
そういってリュウが出ていく。
「俺も精いっぱい頑張ってみるっす。ま、どこまで本物を集められるかっすね」
シラトリも続いて出ていった。
私も運命の天秤を手に取り、部屋を出ていく。場所決めをまずせねばなるまいな。




