馬鹿王子 裏
アンジェリーナを侮辱した王子を、どうやって懲らしめるか悩むクロード。
「あの王子にきついダメージを与えるにはどうしたらいいかな。ウィリアム、あの王子の情報見直すから資料ちょうだい」
「はーい。今あるのはこれだけね〜」
カストリク王国の第四王子カーリム、22歳。
第四妃までおり、子供は6人。
愛人は入れ替わりが頻繁にあるため人数は不明だが、庶子が4人。
ここまで読んで、クロードはため息を吐いた。
自分より年下の王子が、10人の子持ちである。
それに、避妊魔法があるのに庶子をつくる神経がわからない。
あんな国の庶子の待遇が良いわけがない上、親があの王子だ。可哀想に。
カストリク国王には、男児が第一王子から第九王子までおり、更に王女は19人もいた。王女に継承権はなく、貢ぎ物用なので、成人次第どこかに嫁がされている。庶子は不明。
第一王子が既に27歳になるのに、王太子は未だ決まっておらず、兄弟で暗殺者を送り合っている。国王は何をしているのか。
今のところ王子に死者はいないようだが、妃や愛人、子にも死者が出ている。まあ、これにはハーレム内の争いも混ざっているのだろう。
結婚している王子は、どいつもこいつもハーレム持ちの子沢山だ。王族だけで100人を超えている。
本格的な殺し合いに発展するのも、時間の問題かもしれない。
実際、現国王は兄弟を暗殺して王になったらしい。
少し離れた国で、ここまで文化が違うとは畏れ入る。
「うーん、魔宝石を買い叩けば、王族全体にダメージ行くよね」
「間違いなく行くでしょうね。元々それなりの高値で取引を纏めるつもりだったようですし。とりあえず、あの王子は今回の失態で、王太子への道は絶たれたと思いますよ」
クロードは、王子個人への攻撃が浮かばない。どうやっても王族全体に影響がでそうだ。
カルロスが言った王太子への道なんて、元々無さそうな王子だ。大したダメージにならないだろう。
「王族が100人以上も居たらさ、贅沢できないよね〜。食費だけで凄い金額になりそう。でも、あの王子の衣装、かなり豪華だったな〜。どこまで価格引き下げられるか、国の財政も詳しく調べてもらお!」
ウィリアムは、王族が国庫にも手を出してると睨み、ニヤニヤしながら調査依頼を出す。
「あの国には行きたくねぇな。外交官はマトモだけど、王族が皆あの王子みたいな奴なんだろ?」
脳筋紳士のルーカスには、カストリク王国の文化は合わないようだ。他の王子も似たりよったりと聞いて、これからの付き合いを考えて苦い顔をする。
それぞれ仕事をしていると、アルフォンスが帰ってきた。
「陛下達と話してきた。抗議文は既に送った。返事次第でどこまで搾り取るか決める。
それと、クロード!第四王子は入国禁止にするよう進言しといたぞ」
「ありがとう。でも、もっと個人的な制裁を加えたいんだよね」
「そういえばさ〜、ルドラ王国に“お仕置き薬”ってのがあるんだって〜」
ウィリアムがニヤリと笑った。
「それはなんだ?」
「浮気した男に飲ませて、一年男性機能を不能にする薬〜ぷぷぷ」
クロードが満面の笑みを浮かべた。背後に黒いオーラが見えるようだ。
「それ、もしかして秘薬?」
「そうだよ〜!ルドラ王国の貴族女性が隠れて作ってた秘薬〜。あの王子、国に帰ってめちゃくちゃ怒られてると思うんだ〜。ストレスで不能になるとか、たまに聞くよね〜?」
「一年くらい療養すればきっと元気になるよ」
「むしろ王太子争いから逃れられていいんじゃないか?」
「子供も既にいるし問題ないでしょう」
「エグいなー。お国柄、不能はアウトじゃね?」
ルーカスだけは頬を引き攣らせていたが、他の4人はニヤニヤと笑っていた。
三週間後、魔宝石をラビスタ王国に買い叩かれ、不利な契約を結ばされた責任追及で、沢山の人に責められた第四王子は、不能になったらしい。
暫くは、妃相手に頑張っていたらしいが、噂が広まり、今は自室に引きこもっているそうだ。
その話は、アンジェリーナの耳には入らなかった。
ルーカス 「なあ、うちの国は不能とか不妊の秘薬ってあるのか?」
ウィリアム「うーん、ないかな。秘薬に該当するのは、自白剤や睡眠薬辺りじゃないかな。諜報部が使うやつね」




