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これは想定外です  作者: らんらんらん
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王弟殿下の恋人

ご注意※同性婚ありの異世界です

 


「入れ」


 いつも通りクロード様のお迎えで執務室に入ると、お客様がいらっしゃった。

 えっこれ入ってきて良かったの?


「ハルトン伯爵だー。やっほー」


 !?王弟殿下ですよね…?いつもと雰囲気が違い過ぎる…偽者?影武者?…とりあえず挨拶しとくか。


「王弟殿下、ご機嫌麗しゅう」


「僕ねー、やっと大公になれるんだー。すっごいご機嫌!」


 ああ、王太子が決まったから、王弟殿下は一代限りの大公爵位を貰うのか。


「おめでとうございます?」


「後は、貴族の同性婚が認められれば文句なし!」


「叔父上、後数年は難しいと思いますよ」


「えー!頑張ってウザい祖父様を隠居させたのに〜。アルフォンスのけち〜」


「父上が、叔父上の作成してくれた法案を通してくれればいいんですがね」


「それね!全くだよ!兄上がお願いしてきたから継承権の放棄しなかったのにさ〜。

 まあ、こっちも母の実家が煩かったし、あの時はしょーがなかったんだけど。やっと柵から解放されるんだから、最後までハッピーエンドにして欲しかった!」


 ぷんぷん怒ってる王弟殿下。

 社交用の仮面を外すとこんな人だったのか。

 軽い?いや、若い?


「あーあ、僕達が結婚できないと離婚してあげられないよ〜。テオ、困ったね〜」


 後ろを振り向いた王弟殿下の視線の先には、護衛と思われるガッシリした体型の男性がいた。


「私に言わないでください。契約結婚したのはお二人でしょう」


「ぷ〜。早くテオのお嫁さんになりたいのに〜」


 おぉう。そうか。王弟殿下の恋人はこの人なのか。

 そして、王弟殿下がお嫁さん側なのか。


 って契約結婚!?バラして良かったの?




 我が国に限らないが、平民は同性婚を認められている。人口が男性の方が多いので、必然と言える。

 ただ、貴族は血を繋がなくてはいけないので、認められていない国が多い。


 どうしても同性婚をしたい人は、貴族籍を捨てる。そういう人は、生家の領地で、補佐や文官につくことが多い。


 王宮に出仕してる人でも、法服貴族や騎士爵の人には同性婚をしている人がいる。


 王弟殿下は、領地つきの貴族以外の同性婚を認める法案を通したいらしい。


 貴族籍を捨てる必要がなければ、出世できた有能な人が沢山いるそうだ。

 一代貴族だと、他国の王族や高位貴族の対応を任せられないから、出世できないことがあるらしい。

 褒賞で叙爵しようにも、同性婚をしていてできなかったなんてこともあったようだ。


 後は、事実婚で済ませてる人もいる。

 この場合は、貴族籍がある独身扱いだから、ある程度の出世はできる。やっぱり叙爵は断るけど。

 恋人に残せるお金の方がいいんだろうね。

 それに、叙爵した後に知らない人達から婚活ターゲットにされたくないんだろう。


 王弟殿下の法案が通れば、世襲できる領地なしの爵位(領地収入がない代わりに、毎年国から小額のお金が貰える爵位。法服貴族や騎士爵といった一代貴族は職務上必要だから貰う爵位なので、給料以外のお金は貰えない)なら、同性婚をしてる人も叙爵できるようになる。

 世襲できる領地なしの爵位を複数持ってる貴族もそこそこいるから、貴族籍を捨てないで済む人もいるだろうし、事実婚の必要もなくなるだろう。


 ああ、この法案が通れば、一代限りの大公爵位なら領地もないし、王弟殿下も同性婚できるのか。

 王族は辞められないから、この法案が必要だね。


 王族で同性婚かー。いままで如何してたんだろう?病死扱いで、王領に蟄居とか?ありそう。

 それなら、同性婚認めて公務してもらった方がいいんじゃないかな。どうなんだろう。




「叔父上の結婚は、契約結婚だったのですか?」


「そうだよ〜。独立資金を作る時間稼ぎがしたいって言われて、僕も結婚しなきゃまずい状況だったから契約結婚したの。

 もう王太子も決まったし、資金も貯まったから離婚しよって言われてる〜」


「それは…」


 マジか。仲が良い夫婦に見えてたけど、友達みたいな関係だったのか。

 口を挟めないこの状況、ツライ。私以外も唖然としてる。


 あれ?そういえば、同性の恋人は愛人にして、契約結婚で跡継ぎは養子をとるって抜け道あるよね。

 バレたら叩かれそうだけど。やってる人いるのかな?


「とりあえず、私は叔父上の法案に賛成します。父上に言っておきます」


「アルフォンスが賛成なら早めに通るかも!お願いね!」




 その後、王弟殿下はテオさんとの軽快なやり取りを見せつけ、嵐のように去っていった。


 執務室が沈黙に包まれる。


「王弟殿下、テオさんと結婚できるといいですね」

「お二人、仲良かったね」

「俺、まだ今見たことが信じられない」

「恋人バレして派閥潰したの、計算だったのかな〜」

「そんな気がしてきました」

「はあ。まんまと騙されたな」


 精神的な疲弊が酷い。






王弟の奥さん、腐女子向け小説書いてガッツリ資金を貯めました。

「夫のおかげでガッポリよ!」



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