冬がくる
「もうすぐ冬だね〜」
「寒くなってきましたね」
朝、出勤するのに外に出ると、気温がかなり低くなっていた。温度調節の指輪はあるけど、コートくらい羽織ろうかな。
本当は、部屋から転移を使いたいのだが、主人の見送りができないなんて!と執事に嘆かれたので、玄関から出て転移してる。
まあ、主人がいついなくなったかわからないってのも困るよね。
実家の私付きの侍女は、転移慣れしてくれてただけらしい。転移で部屋に帰ると必ず気づいて声かけられてたの、今思うとすごいことだったんだな。
しょうがないから、部屋で朝食とるのは休日だけにして、ダイニングで朝食も食べてる。そっちの方が、玄関近いからね。
うーん、コートかぁ。新しいの作ろうかな。
あ!クロード様とお揃いにしよう!
懇意にしてる商会にデザインを持ち込んで作ってもらった。デザインが気に入ったのか、ノリノリで作ってくれた。
厚手の生地のケープコートに、猫耳フードつけてみた。色は、私は白で、クロード様が黒。
クロード様が、私のこと白猫みたいって言ってたから、私は白にしてみた。
クロード様の私室に、猫グッズがちまちまあったから気に入るはず!
「新しいコートが出来ました!色違いのお揃いです」
「わあ!アンジーありがとう」
サッと着せてみる。前からは、お洒落なダブルボタンでカッチリして見える。いいんじゃない?
後ろは、黒だから猫耳フードがあまり目立たない。よく見ると猫耳。可愛い。
「これ暖かいね。ケープだから腕も楽〜」
「生地は厚手ですけど軽いでしょう?」
「確かに!」
「メリーメリーの毛なんですよ」
「ああ!あのふかふかがこうなるのか」
しみじみと呟くクロード様は、メリーメリーを思い出してるのか、遠い目をしてコートを撫でる。
また牧場に連れていってあげよう。
「クロード様、見てください」
自分のコートを着て、猫耳フードを被って声をかける。
「え!猫耳!白猫だ!可愛い!」
目を輝かせて、興奮してるクロード様。
暫くすると、あれ?って顔をして、自分もフードを被る。そして、ソッとフードを撫でて、自分にも猫耳が付いていることに気づいた。
全身鏡の前に連れて行く。
「白猫と黒猫にしてみました」
「本当だ!可愛い!」
気に入ったようで、何よりです。
ちなみに王宮魔術師団の制服は、ダブルボタンのロングジャケットの色はピアニーで、装飾はスチールグレー。中に黒の立襟シャツ、下は白のワイドパンツに編み上げブーツ。
男女共基本は同じだが、女性用は甘めのデザインになっている。
護衛の時は、目印にジャケットに黒のマントをつける。
討伐の時は、銀の刺繍が美しい黒のローブを羽織る。これは、色々な付与がついてるから防具扱い。
クロード様は、襟や袖に金の刺繍が施された濃紺のジャケットが、王太子殿下の側近の制服らしい。
中のシャツやネクタイは自由なので、お揃いなのに4人ともかなり個性がでてる。
クロード様は、白シャツにアスコットタイが多い。最近は、私が選んだラバリエールもよく使う。
他のところの制服は、王宮騎士団は黒の詰襟、近衛騎士は青の詰襟、王都警備隊は緑の詰襟です。
うん、コートにジャケットが隠れるから、本当に白猫と黒猫って感じ。
明日からは、これで出勤しましょう。
出勤時。
「お!クロード、新しいコートか」
「いいデザインですね」
「へ〜かっこいいね〜」
「うん、アンジーと色違いなんだ」
先に執務室にいて後ろ姿を見ていない側近3人は、猫耳に気づかなかった。
「アンジェリーナ!なにそれ!可愛い!」
「猫耳ついてる〜」
「尻尾もつけたら?」
「フード被って、被って」
「ハルトン補佐、似合いますね」
魔術師団は、猫耳フードに大盛り上がりだ。
退勤時。
「皆様、お疲れ様です。クロード様、帰りましょう」
「うん!皆、お疲れ様。また明日ね」
「「「お疲れ」」」
見送る時に、二人の並んだ後ろ姿が見えた。
「おい、あの二人猫耳フードついてたぞ」
「朝は気づかなかった。なにあれラブラブ〜」
「白猫と黒猫ですか」
「後ろ見ないとわかんねーよ!」
「アンジェリーナだな」
「だろうね〜」
「クロードは抵抗しないのか」
「気に入ってんじゃねー?」
気に入ってます。
その日、二人の並んだ後ろ姿を見た人達から噂が流れた。
『ハルトン伯爵夫妻は猫が好き』
ハルトン伯爵家への贈り物に、猫グッズが増えた。
猫のアイマスクが贈り物で届いた。
クロード「なにこれ、可愛い!」
アンジー「ふむ、使ってみましょう」
クロード「アンジー使い方可笑しくない!?」
アンジー「目隠しプレイ用じゃないんですか?」
クロード「そんなこと…ふぁ、ん」
おいしくいただきました。




