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Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
第4章 幻獣の棲む島

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第4章 幻獣の棲む島 その2

第4章 幻獣の棲む島 その2


如月島、飛行場。

小型ジェット機から降りた俺たちを、如月会長が出迎えてくれた。


「みんな、よく来てくれたわね。空の旅は疲れなかったかしら?」


「いえ、快適でしたよ。操縦士の方にもそう伝えて下さい」


「俺も、飛行機乗ったの初めてでしたけど、楽しかったです!」


俺と晃の感想に続いて、朋や楽々浦先輩、鈴原先輩も各々感想を述べる。


「良かったわ。それじゃあ、荷物もあるから、早速別荘に案内するわね。ここから車ですぐよ」


そう言って、近くに停めてある車に案内してくれる。

これまた、いかにもといった感じの真っ白のリムジンだ。ちゃんと整備、清掃されているのだろう。ピカピカに輝いていて、汚れ一つない。


みんな恐る恐る乗っていく。

俺も乗ろうと車に近づいたその時だった。


(ん? 何かの気配? 島の向こう側か。いや、消えた?)


そんな俺の様子に気がつき、如月会長が声をかけてきた。


「どうしたの、宇佐見くん?」


再び気配を探ろうとしてみたが、もう何も感じなかった。


「あ、いえ、気のせいだったみたいです」


俺は如月会長にそう答え、車に乗った。




「これは、想像以上だな!」


「わぁ〜、すっごい! 映画とかに出てきそう!」


島の南にあった飛行場から、島を半周程走ったちょうど反対側に位置する、如月会長の別荘に着くや、朋がそう声を上げる。俺も流石に驚いた。

晃はというと、すっげぇ! でっけえ! と、繰り返すばかりで、語彙力を失っていた。


「あはは、去年のわたしたちも似た反応してたよね」


「あぁ。まぁ、二回目でも慣れないがな」


楽々浦先輩と鈴原先輩も、俺たち程ではないが、やはり驚いた表情をしている。


「ふふふ、ここに初めて連れてきた人の反応を見るのはやはり楽しいわね♪」


如月会長はそんな俺たちの反応を見て楽しんでいた。


「お嬢様、お食事の用意ができております」


「そうだったわね」


先程まで車を運転していた運転手が如月会長にそう告げる。執事か何かだろう。

というか、“お嬢様”というが、非常にしっくりくる。


「みんな、朝ご飯の用意ができているから、食堂へいきましょうか。中もきっと驚くわよ♪」


「みなさま、お荷物は先に部屋へと運んでおきますので、こちらにどうぞ」


俺たちは荷物を執事さんへ預け、如月会長の後へと続いて入っていった。




別荘の中も想像以上にすごかった。正面玄関から入ると、中央に階段があり、東館と西館へ別れていた。

如月会長が言うには、上空から見ると、建物全体が、ちょうどロの字になっていて、東と西それぞれに、一階と二階を合わせて40部屋ずつあり、東館に食堂、西館には遊技場があるらしい。

それから、天然芝の中庭もあり、中庭にはプールもあるという。もはや一種の超高級ホテルだ。


「如月会長、こんな立派な別荘、俺たちだけで使って良かったんですか?」


食堂へ向かいながら、俺は如月会長に尋ねる。


「えぇ、大丈夫よ♪ 普段はお父様が客人を呼ぶのに使ってるから、部屋の数も多いけど、今回は貸し切りなの♪ みんなの部屋も広い部屋を用意したから楽しみにしててね♪」


驚く事尽くしで、正直少し疲れているが、まだまだ驚くことが多そうだ。そんなことを考えていると、食堂についた。


ここまできたらわかるだろう。食堂も、高級ホテルそのもの。如月会長の計らいで、ビュッフェスタイルの朝ご飯を食べたが、味も申し分なかった。

食べることが好きな朋は、喜んで色々な物を食べて、満面の笑みを浮かべていた。


一通り食事が終わると、如月会長は俺たちに、別荘内を案内してくれた。


遊技場にはビリヤードやダーツがあり、俺と晃は夜に遊ぼうと約束する。

中庭のプールもなかなかのものだ。海で泳がなくても、ここで十分なくらいの広さがある。

如月会長は、いつかウォータースライダーを作りたいと言っていたが、冗談ではなく本当にやるだろう。


別荘の北側には、露天風呂があるとのことだったが、そこは夜の楽しみだからと見せてくれなかった。

そのまま、北側の別荘の裏口から外に出ると、そこには……


「おぉ!」


「やっほー! 海だぁー!」


「すごい! すごい! 綺麗な砂浜! 海もすごく綺麗!」


別荘の北側、裏口から外に出ると、そこは一面、真っ白なビーチになっていて、その先はエメラルドグリーンの海が広がっていた。


「やっぱり、綺麗だね〜」


「うむ。ここは何度見ても素晴らしいな」


先輩たちも感動している。


「どうかしら、宇佐見くん?」


「流石に言葉にならないですね」


改めて景色を見ると、水平線の向こうに、別の島が見えた。


「如月会長、あの島は?」


「あの島は、無人島よ。わたしも詳しくは知らないけれど、なんでも、古い言い伝えがあるらしいわ」


気になるならボートを出しましょうか? という申し出に俺は断りを入れた。


「気にならないと言ったら嘘になりますが、単純にあの島も含めていい景色だなって思ったんです」


と、如月会長と話をしていると、いつのまにか視界から消えていた、晃と朋が声を上げる。


「だ、誰だ!?」

「おじいさん、誰?」


俺と如月会長、楽々浦先輩、鈴原先輩は声のした方へと急ぐ。

すぐに晃と朋を見つける。同時に、俺たちは、晃と朋が遭遇した人物、一人の老人に出会った。

老人は、海パン一丁の姿で、ビーチで焚き火をし、焼き魚を作り食べていた。

いや、そんなことよりも、俺はこの老人を知っている。


「師範!? なんでこんなところに!?」


「ん? おー、銀か! 4ヶ月ぶりかの? どうしたんじゃ、こんなところで?」


老人の正体は、俺の師匠であり、真天一刀流の開祖、相楽宗有(さがらむねあり)だった。




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