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Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
第3章 能力消失事件

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第3章 能力消失事件 その5

第3章 能力消失事件 その5


6月19日土曜日、早朝。

警察署前。


「ふぁ〜、早朝警備はやっぱり眠いなぁ」


「確かになー。だけど、欠伸なんかしてると、犬山さんに怒られるぞ?」


「ハハハ、そりゃあやだな。ん?」


警察官が前方を見ると、空間が歪んだように見えた。


「どうした?」


「いや、今なんかそこが歪んだように……うわぁ!」


男が歪んだと説明した空間から突如として、兵器用自律型ロボットが3体、姿を現す。


「こ、こいつらどこから!? く、撃てー! 撃てー!」




同時刻、廃工場南側出入口。


「こいつら、例の無くなった押収品じゃないか! なぜ急に現れた!?」


こちらでは、工場内に放たれた大量の兵器が、外に出ようと、数体、入り口付近に集まっていた。


「とりあえず外には出すな! 民間人に被害が出ないよう、ここで食い止めるんだ!」


警察官達は、応戦し始めた。




生徒会棟。

如月会長から緊急招集を受け、いつものメンバーが集まっていた。


「先程、犬山さんから緊急連絡が入ったわ。例のロボットが警察署、それから、例の北にある廃工場で警察官を襲撃中らしいわ」


「なんだって!?」


「そこで、私たちは警察官たちを援護することします。と言っても、警察署はたくさんの警察官がいるから、鈴原くん一人を送るわ。大丈夫ね?」


如月会長が鈴原先輩に尋ねると、鈴原先輩は任せてくれと力強く答えた。


「次に、廃工場だけど、宇佐見くんを先行、後から中森くん、早瀬さん、それから、怪我人の救護に楽々浦さんを。宇佐見くん、先行任せて大丈夫かしら?」


「はい!」


そう答える俺を心配そうに見てくる楽々浦先輩。


「大丈夫ですよ、無傷で乗り切りますから」


「無理しちゃダメだよ? 怪我したら言ってね?」


「はい、分かりました」


俺は笑顔で楽々浦先輩に答えた。


「それでは、みんな、頼んだわ! わたしはこれから緊急放送を流して校内の生徒に外出禁止と伝えます。それから、宇佐見くん」


「なんですか?」


「廃工場だけど、どうやら南側出入口が襲われてるらしいわ」


「わかりました!」


こうして、俺たち生徒会は、それぞれの襲撃された場所へと向かって行った。




廃工場南側出入口。

次々に外に出ようとしてくるロボットたちと応戦している警察官に焦りと疲れが見えてきた。


「くそ、なんて多さだ。このままでは持たないぞ」


徐々に押され始めたその時だった。


「二の型、落葉斬!」


俺は、瞬間的に移動しながら、周辺にいたロボットたちを次々に斬りつけ破壊していく。


「す、すごい! あ、その制服は!」


「国立第一能力者学校、生徒会所属。宇佐見銀です」


能力を使って、ここまで戻って来たが、どうやらタイミング的にバッチリだったようだ。


「どうしてここに?」


「うちの生徒会が、犬山さんから連絡を受けまして」


近くにいた警察官に尋ねられ、事情を説明する。


「すみません、この工場の地図とかありますか?」


「あぁ、これでよければ」


警察官に工場の地図を受け取り眺める。


(南側からA区画、B区画、C区画か。犯人がいるなら、最奥のC区画か? 能力を使えばすぐだけど、工場内の兵器を破壊しないとな)


「ありがとうございます。それでは、失礼します。あ、後で俺と同じ制服の生徒会メンバーが3人来ますので、C区画に向かったと伝えて貰えますか?」


そう警察官に伝え、俺は急いで工場内へと進んだ。


「お、おい君! まさか一人で行くの……行ってしまった。なんて速さだ」


警察官は、しばらく工場の入り口付近を眺めた後、他の警察官の方へ向き直す。


「少年のおかげで、周辺の驚異は去ったが、まだ警戒は怠るな。彼の仲間が来るまで、ここを守り抜くぞ!」


「おー!」




廃工場A区画。

辺りを眺めると、たくさんのロボットやドローンが徘徊しているのが分かる。


「なるほどな、確かに大量だ。だけど、あいつらは、さっき倒したのと違って、入り口の方へは来ないみたいだな? 警備用か?」


スマホを取り出し、如月会長に連絡を入れる。


「こちら、宇佐見銀。廃工場内に入りました」


『南側出入口は?』


「到着して、全て無力化しました。一先ずは、外に出て、学校に向かうロボットはいないと思いますよ」


『そう、それなら安心したわ。廃工場内はどうかしら?』


「そうですね、想像以上にはロボットの数が多いですね。全て破壊すればいいんですよね?」


『相変わらず頼もしいわね♪ でも、あまり無理をしてはダメよ? 悲しむ人もいるのだから』


そう聞いて、真っ先に楽々浦先輩の顔が浮かぶ。晃や朋、意外と鈴原先輩もそうかもしれない。如月会長は、どうだろうか?


「大丈夫ですよ。あ、それなら、これが終わったらまたみんなでパーティーやりましょうよ。俺、朝ご飯食べてこなかったので」


『ふふ、その調子なら大丈夫そうね。わかったわ、こちらで用意しておきます♪ それじゃあ、そちらは任せたわよ?』


「はい! それでは、宇佐見銀、これより廃工場の攻略を開始します!」


そう言って、スマホを切った。


(最後は半分冗談で言ったんだが、まぁ、パーティーを用意してくれるなら頑張るか)


非常用に胸ポケットに入れていた固形レーションを食べる。そして、左腰の刀を確認し、よしっと気合を入れる。


俺は、廃工場の攻略へと出発した。




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