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Fランク能力者の存在理由‐レゾンデートル‐  作者: トウミ
幕間

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幕間 その4

幕間 その4


連休最終日。

今日も、もはや日課となりつつある朝の訓練を行っていた。


「せいっ! はっ! ニの型、落葉斬(らくようざん)!」


舞い落ちる葉を斬るように、周辺を瞬間的に移動して、敵を斬りつけていく技、落葉斬を使う。

今回、縦横無尽に動くようにセットした訓練用のロボットを全て破壊した。


パチパチパチパチ!


と、後ろの方から拍手が聴こえてきた。


「やっぱり、宇佐見くんの剣術はすごいねぇ」


「楽々浦先輩、今日もいたんですね」


「うん、なんだか日課みたいになっちゃって」


「同じですね、俺もです」


二人してあははと笑い合う。これもいつものことになりつつあるが、まぁ悪い気はしなかった。


「よーし、それじゃあ次はわたしがやるから、見ててね、宇佐見くん」


そう言って、楽々浦先輩は拳銃を構える。

この構えは、速射が見られるな、と思っていると、


「やっと見つけたぞ、宇佐見。ここにいたのか」


訓練場の入り口の方から聞き覚えのある声がしたので、振り向く。


「あ、鈴原先輩。おはようございます。見つけたってことは、俺を探してたんですか?」


「あぁ、まぁな。寮の部屋を訪ねたらいなかったから驚いたが、まさか朝から訓練場にいたとは。それにしても、ふむ……」


鈴原先輩は、ジッとこちらを眺めると、何か納得したように、軽く頷き、


「すまない、邪魔したようだな? しかし、まさか二人がそこまで仲良くなるとは予想外だったな」


と、勝手な状況把握をしていた。


「鈴原先輩! ち、違うよ、まだそういう関係じゃなくてね! ね、宇佐見くん?」


「そうですね。一緒に戦闘訓練するぐらいには仲良くなりましたね、楽々浦先輩♪」


「うん、そうそう! 一緒に仲良く……仲良く……はうー」


ぼふっと、楽々浦先輩の頭から湯気が出た気がした。ほんとにこういうところが、子どもっぽくて可愛いらしい。


「それで、鈴原先輩、何か用があったんですよね?」


「あ、あぁ、少し買い出しを頼みたくてな。本来なら俺が行く予定だったんだが……」


「校内設備の補修ですね?」


「あぁ、もう少しなんだが、残っていてな。頼めるか?」


少し疲れた表情をして、鈴原先輩は頼んでくる。流石に断るのは申し訳無い。


「いいですよ、それで何を買えば?」


「そうか、良かった。じゃあ、これが買うもののメモと、それから条件だ」


「え、条件?」




お昼前、正門。

「あ、来た来た! おーい! 宇佐見くん!」


「待ってたぜ、銀!」


鈴原先輩に指定された時間に、指定された場所に行くと、晃と朋が待っていた。


「もう二人とも来てますね、楽々浦先輩」


「うん、二人とも時間ぴったしだね」




一時間前。

「条件?」


「あぁ、と言ってもそんなに難しくない。宇佐見の他に、中森と早瀬にも頼んであるから一緒に行ってくれ。二人にはお昼前に正門前に集まるように言ってある。それから、能力は使わないように」


「なぜですか?」


鈴原先輩に尋ねると、それは教えられないとのことだった。


「わかりました。理由は聞かないようにします。それじゃあ、行ってきます」


「すまない、最後に。一応、能力を使わないか監視役として、楽々浦を連れて行くように」




という条件を聞き、今に至る。


「みんな、今日は買い出し頑張ってね! わたしは監視役だから手伝えないけど、応援はできるからね」


なぜか、楽々浦先輩が一番わくわくしている。なんだかいつも以上に張り切っている感じだ。


「二人とも、とりあえず買い出しのメモを見せてくれないか?」


「あ、そうか、全員違うんだよね?」


「俺はこれだな」


晃と朋が見せてくれたメモを見る。なるほど、そういうことか。とりあえず、俺もメモを二人に見せた。


「なぁ、銀、これって」


「あ、晃、流石にあんたでも気づいたんだ」


「いや、朋、馬鹿にしすぎだろ」


二人も気がついたようだ。


「よし、それじゃあ行こう!」


二人ともオーッと元気よく答えてくれる。

楽々浦先輩は、俺たちの後ろからニコニコ笑いながら付いてきてくれた。




夕方、生徒会棟前。

買い物を終えた俺たちに、後ろにいた楽々浦先輩がここに行くように伝えてきたため、買い出ししたものを持ちながら、生徒会棟へと辿り着く。


「なんだかわくわくしないか、銀?」


「まぁ確かにな♪」


「ねぇねぇ、早く入ろうよ。わたしお腹空いちゃった」


もう、何が行われるのか三人ともある程度は分かっていたが、それでもわくわくしていた。


「あはは、三人ともお疲れ様〜。それじゃあ、中に入って」


楽々浦先輩が生徒会棟の扉を開けてくれる。

俺たちは、その中へと入っていった。そして……。


「新入生のみんな、ようこそ! 生徒会へ!」


中で待っていた、如月会長、鈴原先輩、それだけではない、警備部隊以外のメンバーも全員、俺たち三人が中に入ると同時に歓迎の言葉をかけてくれた。


「やっぱり、そういうことですか」


「ふふふ、さすがにあんなメモじゃ、気づかれちゃうわよね♪」


「というか、気づかせるためにわざとですよね?」


さぁ、どうかしら? とはぐらかす如月会長。


「どれ、買ってきたものを渡してくれ。今回の主役がいつまでもそれを持っていても仕方ないしな」


そう言うと、鈴原先輩は俺たちから買い出しの物を受け取る。


「じゃがいも、にんじん、鶏肉、カレールー。それから、簡易調理器具。ふむ、確かに全部あるな。よし、調理に取り掛かる!」


鈴原先輩は意気揚々と、買ってきた物を持って、奥の部屋へと向かった。


「鈴原先輩のカレー、すっごく美味しいんだよ。わたしも去年食べたんだ〜」


楽々浦先輩が自分のことのように語る。


「あー、そんなこと言われたら余計にお腹空いてきたよ〜」


「ふふ、待っててね、早瀬さん」


如月会長が朋を落ち着かせる。珍しい光景かもしれない。


「如月会長、もういいんですか?」


「ん? あぁ、設備の補修ね? それなら昨日までに終わらせてるから大丈夫よ♪」


割と壊れた箇所が多かったはずだが、これも如月会長の手腕の賜物だろうか。

と、如月会長が、笑顔で俺たち三人を一人ずつ眺める。そして、


「改めて三人とも、ようこそ、生徒会へ! 本当はもう少し早くに歓迎会を催すはずだったのけど、いろいろあって遅くなってしまったわ。今日は思いっきり楽しんでね!」


そう言ってくれた。俺たちはそれを聞き、


「はい!」


と一斉に答えた。

そんな俺たちのことを、如月会長や楽々浦先輩、それから他のメンバーたちも笑顔を向けてくれたのだった。


その後、待ちに待った鈴原先輩特製のカレーが登場し、俺たちは全員、舌鼓を打った。

朋なんかは3杯もおかわりしていた。


カレーのあとは、如月会長が用意したという、デザートまで食べ、俺たちはお腹いっぱいになり、それから、夜更けまで様々な談笑をしながら過ごした。


連休最終日。改めて俺は、いや、俺たちは、生徒会に入って良かったと思い、眠りについた。




幕間 完


To Be Continued…




みなさんこんにちは、トウミです。

今回で幕間の終了です。

分かりやすく言うと、日常編といった感じでしょうか?

銀と楽々浦先輩の関係が進展したような、してないような?

トウミは、とりあえず楽々浦先輩を気に入って貰えたら成功だと思っています(笑)


次回からいよいよ、第3章のはじまりです。

怒涛の展開が待ってます。うわぁ、これプレッシャーだな。でも頑張りますね♪


長くなりましたが、この辺で。

これからも楽しんで読んで頂ければ嬉しいです♪

よろしくお願いします♪


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