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二次創作 東方project 神隠しに遭った青年  作者: 零月
第二章 異世界の魔王編
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幻想郷で大事件です【前編】3

岳が人間の里に現れたのは里中にすぐに広まった。

「そうか、現れたか」

牢屋の入り口に居た慧音が呟く。

「今数名で追いかけていますが、まだ捕まっていないようで、慧音先生が向かわれた方が早いかと思いますが」

「確かにそうしたいのは山々だが、岳さんがどうしてこの状況に気づいたのか。博麗神社から脱出した彼が独自でこの状況を知った可能性もあるが、誰かからこの状況を聞いたのだと私は思うんだ」

「・・・一体、どう言うことですか?」

「岳さんが現れたのはここから離れているところ。私が彼のところに向かった時、この牢屋の警備が薄くなる。もし、彼が囮として私を誘っているのなら・・・」

「まさか、そんな訳ないと思いますけど・・・」

考えすぎだと思う女に慧音はどうするか考えていた。

(頼む、離れていってくれ!)

慧音と女が話しているのを霖之助と男が見ていた。

どうするか考えていた慧音だったが、やがて頷く。

「・・・わかった。私が・・・」

「ちょっと待った」

慧音が答える前に誰かが口を挟んだ。

「私がいくよ。慧音はここを離れないでくれ」

「・・・わかった、頼む」

「あぁ」

慧音に頷いた白髪に赤いモンペが特徴な少女は、岳がいるところに向かった。

「まずいね・・・これは・・・」

岳の所へ向かっていく少女の後ろ姿を見ながら霖之助は歯噛みするように呟いた。



「っと!」

俺は牢屋から離れた場所で追いかけて来た女たちを少しずつ無力化していきながら走っていた。

「はぁっ!」

横から武器を振り下ろして来た女に対して、武器を避けると鳩尾に拳を入れて気絶させる。

痛みを感じない程度に気絶させながら女たちを引きつけているので大変な所この上ない。

かといって、木刀を使うわけにもいかない。

しかし女たちも、普段は武器などを使うことがないからか、隙はかなりある。

大変ではあるが、実のところ女たちは弱い。

なので、俺は捕まることなく、女たちを無力化していった。

「ただ、流石に慧音さんが来たら木刀を使わないといけないだろうな・・・」

一旦走り、建物の陰に隠れて追っ手をやり過ごしながら俺は呟く。

そして一息いれると、また走り出した。

(追っ手は・・・撒いたか)

後ろを確認しながら俺は別の建物の陰へと入る。

先程追いかけて来た追っ手の半分を無力化した。

今は追っ手の姿はない。

ここまでしていたらおそらく慧音の耳にも届いているはずだ。

だとすれば、今あえて姿を見せるのは得策ではないか・・・?

可能なら俺を探しに来た慧音の姿を確認するまでは不意打ちの弾幕を受けないためにも良いだろうと思っていた俺は、

「見っけ」

側で言われた声に反応するのが遅れた。

構えるよりも早く、何らかの衝撃が俺を襲った。

俺は衝撃によって、近くにあった建物の壁を破壊しながら、中に置いてあった家具を巻き込んで倒れた。

アリスから作ってもらった着物がなかったら完全に気を失っていた衝撃を受けた俺は痛みに顔をしかめながら立ち上がる。

「くっ・・・!一体何が・・・」

「よぉ、岳」

俺が飛ばされた建物の中に入って来たのは妹紅だった。

「妹紅・・・!」

「へぇ、流石にあの時と同じように気絶はしてないか。これはなかなか楽しめそうだな」

妹紅は言うと同時に俺に向かって蹴りを放つ。

「っ!?」

なんとか蹴りを躱すと、俺は壊れた壁から建物を出て走る。

振り返ると、建物から出てきた妹紅が俺を追いかけていた。

「ははっ!また広いところで戦う気か?」

俺は道を右に曲がるとすぐに振り返って木刀を構えた。

そして、後を追って曲がってきたばかりの妹紅に向かって木刀を振る。

「危なっ!」

妹紅は跳び上がるようにして木刀を避けると、俺から離れた所に着地した。

「ただ逃げるだけじゃない。これも前あったな、岳」

「・・・」

振り返りながら呟く妹紅に、俺は無言で木刀を構えた。



「どうするのですか?」

牢屋の入り口を警備している慧音たちを見ながら、男が霖之助に尋ねる。

「う~ん・・・さて、どうするべきか・・・」

霖之助は自分が持っているもので役に立つものがないか探す。

「っと・・・これは役に立ちそうだね」

霖之助はあるものを取り出すと、捕まっている者たちを助けるために行動する。



「っ!」

妹紅の体術を紙一重で躱していく。

「炎は里が火事にでもなったら大変だからな。流石に放ったりは出来ないけど」

妹紅は炎を纏った拳を俺に向かって突き出す。

「これくらいはやってもいいだろ!」

俺はその拳を避けると、一旦距離を取るために下がる。

やはり妹紅は強い。

だが、今までの鍛錬の成果か、動きが見えないことはなかった。

それに、体術だけなら咲夜や美鈴とも鍛錬をしているので防ぎ方も大体はわかる。

これならなんとか時間稼ぎくらいは出来そうか?

「・・・嬉しいよ。岳がここまでやるようになるなんてな」

妹紅は手を俺に向けると、炎を放った。

「っ!?」

炎は放たないんじゃなかったのか!?

不意をつかれた俺だったが、なんとか炎を避ける。

しかし、その隙に間合いに入ってきた妹紅に気づくのが遅れた。

「でも、防戦一方だと私に勝つなんて出来ないぜ!」

妹紅の炎を纏った拳が腹にめり込む。

「ぐっ・・・!」

めり込むだけではたらず、俺の身体は側にあった建物を巻き込む形でフッ飛ばされる。

威力が強かったのか、巻き込まれた建物が崩壊し、俺は建物の下敷きになった。

妹紅は崩壊した建物から意識を失っている岳を引き上げた。

「やりすぎたかな?」

意識を失っている岳を見ながら呟いた妹紅の首筋目掛けて、木刀が振られた。

しかし、振られた木刀を妹紅は掴む。

「・・・なんて、そんなに弱くないもんな」

妹紅は俺を見る。

俺は意識を失っていなかった。

そして、気を緩めた妹紅の首筋に木刀を当て、なんとか気絶させようと考えていたが、あまかったようだ。

妹紅は木刀を掴んだまま俺を気絶させようとする。

すみません、霖之助さん。俺はどうやらここまでのようです・・・

覚悟を決めて目を閉じた俺は

「あれ?どうして岳がここにいるんだ?」

と言う妹紅の声に目を開けた。

目を開けると妹紅が何故かキョトンとしている。

何故キョトンとしているのかわからないが、木刀を掴んでいた手が離れた。

チャンスだ!

俺は木刀を妹紅に振った。

「なっ!?」

妹紅は驚いた表情をしたが、片手で木刀を掴んで止める。

「おい!いきなり何するんだよ!?私が岳に何したってんだ!」

妹紅の言葉に俺は目を丸くした。

いきなり変なことを言う妹紅だが、彼女は演技派ではない。

と、すると、言っていることは本当なのだろうか・・・

「・・・妹紅、俺のことがわかるか?」

「は?岳だろ?」

「お前は男がどう見える?」

「ん?どう言う意味だよ?」

「・・・俺が敵に見えるか?」

「は?どうして私が岳を敵として見なきゃいけないんだよ?」

まさか・・・

俺は妹紅の手を取ると、その場を走り出した。

「お、おい!?どうしたんだ!?」

妹紅はわけがわからないまま俺に尋ねる。

俺が答えようとした時、近くにいたのだろう武器を持った女たちが襲ってきた。

「っと!」

俺は一旦妹紅の手を離すと、女の武器を木刀で止めて、女の鳩尾に拳を入れて気絶させる。

襲ってきたのは2人。

もう1人の女は妹紅が武器を掴んで止めているが、当の本人はわけがわからず混乱しているようだ。

俺は妹紅が止めている女を気絶させた。

女が妹紅を攻撃したということは・・・やはり・・・

「お、おい岳!なんでこいつらは襲ってくるんだ!?」

先程気絶させた2人以外に追ってくる女たちを見ながら妹紅が口を開く。

「あとで説明する!とりあえず一旦牢屋の所に向かうぞ!」

「お、おう!」

牢屋がある所に向かうと、そこには何やら煙が上がっていた。

見ると、警備をしていた慧音たちが咳き込んでいる。

「岳君!」

煙の向こうから声が聞こえてそちらを見ると、霖之助と男が捕まえられた男たちや八百屋の娘を連れて里を脱出しようとしていた。

「良かった!成功したみたいだ!妹紅、俺たちも脱出するぞ!」


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