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庭師のカルマ  作者: 赤葛羽
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00:スタート

 薄紫の髪を持つ少年・カイリは物心つく頃から憧れたギルドへと就いた。

 新人依頼の後なんとか戻ってきたカイリの心身は疲れ果て、ホームのテーブルにぐったりとしていた。


「やぁ、少年」

「はいっ?!」

「そんなに震えることもないじゃないか」


 古い音楽と傷だらけの男、華麗に舞う女が酒場のごとく騒ぎ立てるギルドで、一人の青年がカイリに話しかけた。

 青年は、ライトグリーンの長髪を三つ編みにして肩にギターを掛けている。


「もしかして新人くんなのかな?」

「あっ…はい」

「ふふ、ハンター登録はした?」

「えっ」

「これだよ、コレ」


 細い指先で青年が取り出したのはライセンスと呼ばれる紙。

 

「あ、俺…」

「やっぱりね。コレを出しておかないと依頼を完了しても意味が無いから、今書いてしまおうか」

「あ、はい」

「キミのライセンス名は?」

「か、カイリ…カイリです」

「へぇ。本名は?」

「カイリ…カイリ・ガードナー」

「ライセンス名と一緒にしたんだね」

「えっ」

「普通は偽名とかにするんだけど」

「そう、なんですか」

「でもまぁ、本名で活動しない奴が居ないわけじゃないからね。正直でいいと思うよ」


 ライセンスにサラサラとカイリの名を記す。

 にこやかな青年の淡々とした質問にカイリは正直に答えていった。


「はい、これで終わり」

「すみません、何から何まで…」

「いいんだよ、この時期は新人くんが多くて、ライセンス書き忘れる子も少なくないしね」

「あの…お兄さんの名前は…」

「お兄さん…?」

「すみません、あの、」

「ふふ…ははは!キミ、面白い子だなぁ」


 目を細めて笑う青年に、カイリは心配そうに眉尻を下げた。


「忘れてたね。僕はロベリオ」

「ロベリオさん」

「そう、よろしくね」


 両者は握手を交わした。

 少年の緊張する心が不思議と解けていった。


「あ、そうそう。キミのライセンスについて教えてくれたのは彼女だよ」


 すっと腕を振り、カウンターに座る少女を指差した。

 洋緑の髪に萌葱の服に身を包んだ少女。


「やぁ」


 青年の一声に不思議そうに振り向く。


「新人くんの、カイリくんだって」

「よ、よろしくお願いします」

「…」


 じっとこちらを見る。

 カイリの声掛けに応じている様子はない。


「あの?」


 もう一度声をかけると、ふぅっと笑った


「…冴えないね」

「…は!?」

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