夏の夕日
「俺、お前が好きだ」
急な告白。
どんな反応したらいいのか分からない。だが、答えは明白。
「ごめん」
彼を友達以上に見れない。
恋はしていない。
初恋がまだって訳じゃない。だいたい、平均くらいは恋をしてるはず。でも、今は恋なんていらない。ただ、馬鹿みたいに笑いあって騒ぐ時間が大切なんだ。
「そっか。わかった。ごめんな? 急に変な事言って。いつもどうりにしてくれ」
「当たり前じゃん! 大好きな親友なんだから!」
私は、力いっぱい彼の肩を叩く。
彼も、ちょっと無理したように笑った。
「夏はやっぱりかき氷だよね! おいひー」
「お前・・・食いすぎ。豚になるぞ?」
「うっひゃい!」
「全部食ってから口をひらけ!」
いつもの帰り道。季節は夏で生暖かい風が薄くなった制服を揺らす。
私の手にはいちごのかき氷。彼は、炭酸水。
夏に炭酸水は必需品だ。
私は、彼に言われた通りに口の中の物を無くしてから
「炭酸水ちょーだい♪」
「ちょ、キモイわ!」
彼の腕に抱きつく。
すると、彼は心の底から嫌そうな顔をする。
失礼だな・・・君の好きな子だよ?
彼の態度に、ちょっとムッとしながらも彼から離れる。
面白くない。
なんだか、いつものように楽しいはずなのに笑えなかった。
別れ道、彼が私に声をかける。
「俺さ、好きな奴ができたんだ!」
沈む夕日をバックに、見た事もないような笑顔で彼が笑う。
「そっか、うん、頑張って!」
「おう!」
「じゃあ、また明日」
何とも言えない気持ちを抱いて、私は笑う。
そして、彼は私に背を向けて帰っていく。
その、遠ざかる彼の背中が虚しくて遠くってモヤモヤした。
いつもとは違う通学路。いつも隣を歩いている彼の姿は無い。
彼はもう、私の隣で笑うことは無いだろう。
だって、彼には彼女ができたんだから。
私よりも可愛くて女の子らしい女の子だった。廊下を歩く2人はお似合いだった。
私の出る幕じゃない。
ずっと隣にいるんだと思っていた。それが当然だと思っていた。
だけど、違った。
気づけば目で追っていた。
気づけば彼を見ただけで笑顔になっていた。
気づけば彼が隣で笑っていた。
気づけば彼の隣で笑っていた。
気づけば彼の隣は違う人になった
気づけば私の隣は空白になった
楽しかった通学路。毎日短く感じてもっと彼の近くに住んでいたら良かったのになんて思っていた。毎日笑いながら帰った。寒い日は彼のマフラーを借りて暑い日はアイスを片手に笑いあって雨の日は傘をくるくる回して水を飛ばして遊んだりもした。春は四葉のクローバーを死ぬ気で探して秋は落ち葉を踏みながら鬼ごっこをした。そんな思い出がいっぱい詰まった通学路を歩いているのは私1人だけ。
あんなに短かった通学路が長い。毎日笑っていた通学路が辛い。笑顔が涙で埋まる。楽しくて仕方がなかった思い出が私の胸を抉る。
近くにいたのに離れてしまった影。
1センチだけ空いた影を見る事もない。
何なら、話すことも無くなるだろう。
私は、その前に伝えたい気持ちがあることに気付いた。気づいてしまった。
この気持ちは、無かったことにはならない。
「それなら、私は」
そうつぶやくと、私は夕日の向こうへと走った--
なんか、今日は2回投稿したくなってしちゃいました☆
キモイですね。はい。
当たり前だった毎日が変わった時って、なんだか物足りなく感じませんか?
例えば、毎日あった学校が夏休みとかで急になっなったら口では「夏休み(・∀・)イイネ!! サイッコウダネ!!」みたいな事言っても、1日が長く感じたりすることないですか?今回はそんな感じで気持ちに気づいた女の子の話を書きました。楽しんでもらえると嬉しいです。




