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恋する話  作者: チーズ
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君に一目惚れ片想いちゅう〜かむばっく〜

  ガラガラ--

  「ひーろせ! おはよう」

  広瀬と呼ばれた男子生徒が教室に入ってくると、教室が賑やかになる。

  ボクはこの現象を「広瀬現象」と呼んでいる。

  自分の席に座り、本を開いて読書してますよ風なオーラを醸し出しながら教室のドア付近(広瀬)を盗み見る。

  (ちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめんちょういけめん!)

  話しかけてくる男子に無邪気な笑顔を向けている広瀬が超輝いている。

  その光景を緩む口元を文庫本で隠すようにしながら眺めていた。

  そう。ボク、滝田優良は隣の席である広瀬に絶賛片想い中だ。

  ちなみに、面と向かってではないが昨日、フラれている。

  ボクは、お兄ちゃんを使って広瀬の気を惹こうとしたのだが、あえなく失敗。

  『こいつの隣は俺が予約してるんで』

  と、「俺はお前のこと好きじゃないし付き合うつもり無いけどフラれたくらいで諦めてほかのイケメンと付き合っちゃうくらいの気持ちだったんだ」という意味の言葉を言い、私を抱きしめてくれた。

  マジ広瀬最高!

  何回だって、挑戦するって決めたんだ。もっともっとアピールしたい。

  「おはよっ、広瀬!」

  先生が来るちょっと前くらいにようやく広瀬が席に着く。

  いつもボクが話しかけても無視されるが、挨拶しないよりはマシだ。

  笑顔で、フラれてもいつも通りで行こう! そういう意味も込めて挨拶すると、

  「おはよ、滝田」

  入学してから1ヶ月、一目惚れをして広瀬に初恋をしてから1ヶ月間いっちども挨拶された事はなかったのに広瀬が私に挨拶してくれた。

  きっと、広瀬なりにボクの事を気遣ってくれたのだろう。驚きと同時に、嬉しさが込み上げてきた。

  彼に「うんっ!」と返し、るんるんな気持ちでHRを迎えた。


  (ちょ、広瀬くんがあの子に挨拶してる!)

  (え、広瀬くんのあんな笑顔見たことないよ! 悔しいけど、あの2人お似合いだよね、美男美女で!)

  (広瀬は確実にあいつが好きだな!)

  (くっそ、俺の優良ちゃんがぁぁあ!)

  優良が1人、脳天気なことを考えている間、クラスメートはすごく困惑していてHRに集中できた者は優良と広瀬以外いなかった。


  -放課後-


  「今日はお兄さん迎えに来ないの?」

  前に座る友達が帰る準備をしているボクに問う。

  「うん。今日は、ボクが料理当番だからね」

  「そっか、気をつけてね」

  「うん! また月曜日ねー」

  「明日休む気満々かよ・・・」

  「金曜日だからね!」

  「理由になっとらんわ!」

  「あははは」

  友達と軽くジョークを交えた会話をしてから教室を出る。

  明日からは本格的にアピールを再開するつもりだ。

  (何にしようかなー)

  作戦ついでに夕食のメニューも考えようと思ったが--

  (うーん・・・髪型変えてみる作戦はもうやったしなーでも、この前は2つだったからサイドとかは、どうかな?)

  夕飯のことなんか忘れて髪を結ぶ。

  鏡がないから似合っているかどうかよく分からない。

  手で右側にまとめた髪をいじっていると不意に「滝田」と呼び止められた。

  「ん? あ、広瀬だ! ばいばーい」

  校門のところで広瀬がボクを見ていたので、軽く手を振る。

  すると広瀬がすたすたとボクに近づいて来た。

  「どしたの? あ、帰り道分からないの?」

  「俺は小学生か! 帰り道くらいわかるわ!」

  ボクの言葉に広瀬が鋭くツッコミをいれる。

  昨日まではありえなかった関係だ。ちょっと嬉しい。

  そして広瀬は、ボクの隣を当たり前のように歩いてくれた。

  でも--

  「広瀬の家、こっから少し遠くない?」

  「なんで俺の家を知ってるんだ!」

  「え、なんとなく?」

  「なんとなくでストーカーじみたことしてんのかよ・・・」

  こめかみのあたりを抑えながら広瀬が呆れたようにつぶやく。

  よく分からない。

  「?」と小首を傾げて彼を見上げていると、彼は顔を真っ赤にしながらボクから目をそらして、


  「送って、やるよ」


  そう言った。

  「? なんで?」

  「ーっ! おまえ、鈍感! 鈍すぎ! ばか!」

  私の質問に恥ずかしそうにしながら広瀬は呟いた。

  そして、結局家まで送ってもらい、さよならをする。

  玄関を閉める前、広瀬が

  「気づいてないのか?」

  と聞いた。

  「?」と首を傾げると、彼は「あー、もういいや、また明日な」と諦めたように笑った。

  そして、玄関のドアを閉めて


  「--鈍感作戦、成功--」


  ボクはそう呟いた。


          とぅーびーこんてぃにゅー??


  「優良のサイド、超可愛い! ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、血がつながっているのが辛くなるくらい可愛い! 俺の嫁! ところで、夜ご飯は?」

  「夜ご飯の材料を買うの忘れちゃって」

  「珍しいな」

  「広瀬と一緒に帰ってきたからね」

  「チッ・・・くっそ! 今日はいっぱい食べてやる! で、ご飯は?」

  「ないよ」

  「許すまじ広瀬! 俺の嫁(いもうと)とご飯を奪いやがってぇぇえ!」

  出番がなかったお兄ちゃん。働かざる者食うべからず、だよ☆

「君に一目惚れ片想いちゅう」は、とにかく、死ぬほど明るい話にしようと思って書いた話です。だから、ちょっと昨日はシリアス(?)な話だったので明るい話を--と思って続きを書いたのですが・・・・・・

優良怖い!

自分で書いていて怖いと思った!まあ、どこからどこまでが演技(作戦)だったのかはご想像におまかせします。女って怖いな・・・

リアルな女性はこんな事を考えているのだろうか--そう考えた作品でした

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