きっかけ
「お前のこと、好きなんだよ」
嬉しかった。あの言葉が。
だって、私も好きだったから。
いつだって、私を心配してくれて優しくしてくれたから。
デブでブスな私みたいなヲタクに優しくしてくれる人なんていないでしょ?
だから、もちろん答えは
「はい・・・」
そう伝えた。
やっと、両想いだ。
手を繋いで笑ったり、一緒に勉強したり・・・
妄想が膨らむ。
キモイかなって自分でも思う。
だけど、想像すればするほど顔がにやけてしまう。
今日から一緒に帰るのかな?
寄り道とかするのかな?
手は繋ぐのかな?
彼のことを考えただけで心は満たされて幸せになる。
これが、本物の愛ならば
「え、まじかよw 超キモイんですけどwww」
うつむく私を嘲笑うかのような声がする。
これは、誰?
ショックだった。
瞳からは涙が溢れた。
なんで? って怒鳴りたくなった。だけど、私の口は震えるばかりで何も発しない。
ああ、これで終わりなんだ
そう感じた。
今で優しかった彼は幻だった。
嘘だった。
私はその見かけに騙されて、彼自身を見ていなかった。
でもこいつ、ほんとに
クズだと思う。
悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい
なんで私が? って
私が可愛かったら良かったの? って
好きでこんな顔に生まれたんじゃないって
怒鳴りたくなった。
唇を噛み締めて、怒りを抑える。
「・・・はっ。お前の悲劇のヒロインぶってるところとか大っ嫌いだわ。自分だけ恵まれてねぇみたいに俯いて、可哀想でしょ? アピールかよ。お前、そんなんだからこんな事されじゃねーの?」
彼の言葉が胸にぐさりと刺さった。
なんで私が悪いみたいになってんのよ。悪いのはあんたでしょ
顔面にグーパンチを食らわせてやりたいくらいイラッとした。 でも、彼の言うことが真実だった。
悔しい。
情けない。
あんだけひどいこされて、なんか開き直られてイラつく。殴りたい。
だけど、言い返せない。
彼が言う通りの人生しか送って来なかった自分が憎い。
「見てろよ、絶対にお前を見返してやる」
彼の前を通る。
泣いてる暇なんてない。
いつか、絶対に見返してやるから。
私を好きになっちゃうくらい。
胸はって、前見て歩けるようになるから。
やり方は最低だけどさ・・・・・・
「背中押してくれてありがとう」
教室を取る直前にそう呟いた。




