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第四十六話



「はぁはぁ……」



「悪くなかったぞ。いつもの修行より力を出せていた。これなら充分力を示せたした剣闘士大会準優勝の実績があって完璧じゃないか?」




「はぁはぁ……ありがとうございます……」



「うん。これで遂になれるな!」



「はい! でも、師匠から一本取れる気配は全くないですね」



「そりゃそうだろ、ぶっちゃけSSSランク位の力じゃ一本取るのはかなりきついぞ?」



「SSSランクが世界最強なんですけどね……」



「俺の強さはそんなのぶっちぎってるからさ」



「……そうですね。優勝おめでとうございます」




「あぁありがとう」




「勝者ツカサ選手! 正直私にはまったく理解できませんでしたが、恐ろしいスピードで動き、恐ろしい剣撃を放っていました。恐ろしい試合でした! 解説のウェルター様どうでしょう?」




「私にも全くわからん! レベルが違いすぎだ! だが、良い勉強になった! ツカサ殿ありがとうございます!」




「……仕事しろよ」





「今大会は大波乱がありましたが、優勝者はツカサ選手! 準優勝はラメリ選手です! おめでとうございます!」



「「「わぁー」」」


「「アニキ!」」


「ラメリちゃん、顔見せて!」


「ツカサ様ー」




「おぉー女の子の声援が増えた……」




「さぁそれではここからが、剣闘士大会の見せ場! 剣聖への挑戦です! 圧倒強さで今大会を勝ち抜いたツカサ選手! しかし、相手の剣聖ロード様は十五で剣聖になり、それから三十年その座を守り続けている最強の剣士です! どのような戦いになるのか見物です! 二時間の休憩のあと……」



「実況さん、俺は体調万全だし運営やら剣聖さんに問題ないならこのまま戦ってもいいけど?」




「おぉー! すぐやってくれ! 待ちきれねー!」

「やれやれ!」「すぐ始めろー!」




「すぐに協議を始めま……」




「私は一向に構わん……その方が観客も運営も嬉しかろう?」



「「!」」




「おっとぉ! ここで最強の剣聖、ロード様の登場だぁ!」




「はじめまして剣聖様。冒険者のツカサと言います。挑発ではないのですが、剣聖ロードさんの剣に興味があるので見に来ました。あと……剣聖の座も弟子にあげたいので来ました。実は観光にも来ました」




「かっかっか。そうか! この剣聖の座を観光ついでに貰いに来てくれたか! なんとも頼もしい! ……だが、剣聖の座はそこまで()()()()()?」



「「!」」



「たいした威圧感だ、一般人がまともにその圧を受けたら失神もんだよ。上位ランクでもビビる圧だ。流石は三十年も剣聖でいるだけのことはある……」




「そういうお主も、全く底が見えんな? 儂は優勝者が決まるまで試合は見ないようにしている。その方が初見の相手と試合が楽しめるからな。だが、今はそれを少し後悔している、貴様がどうやって勝ってきたか興味が湧いてしまったからな」



「大したことはしてない、ただみんなが勝手に場外へ落ちていっただけだ……」



「? まぁいい。戦えば全てわかる。さっそく始めていいか?」




「あぁかかってきなさい。剣聖の剣技楽しみだ……」




「口の方もかなり達者のようだ……」




「もう判断をまつ必要はないでしょう! では、剣聖への挑戦! 開始です!」





「「シッ」」




 おぉー手加減済みとはいえ、俺の剣速に合わせてきやがった! さすが! めっちゃくちゃ鋭い!



「これに合わせるか! 貴様剣をどこで覚えた!」



「教えて欲しかったらもっとがんばり、な! っと!」



「くっ!」



 これも避けやがる……剣聖すげー、しかもバサシと同い年位でイケオジだから、ちょっとした動きがなんでも様になるな……あ! バサシに連絡すんの忘れてた!



(バサシ! 剣聖との試合が始まったぞ! 戻ってこい!)




(はい! かしこまりました! でも、もう始まってますよね? 拙者始まる前に教えて欲しかったですが?)



(……待ってるぞ)


(……)




「どうした! 考え事をしている時間などないぞ!」



「まだまだ余裕があるよ! もう少し強くいくぞ? 大丈夫か?」




「ぬかせ! 儂も余裕じゃ!」




 ……こういうのを天才と言うのだろう。齢四十五でここまで剣を極められるものか? 剣に生きる……とは伊達や酔狂じゃねぇんだな……


 

 やっぱり、愚直に努力を重ねがんばる人好きだなぁ。手助けしてあげたくなってしまう。俺にはそれだけの力があるし……




「剣聖ロードさん! あんたはすごい! マジですごいよ! セイレンデスもやばかったがあんたは一段階上を行ってる」



「セイレンデス……あやつも貴様に破れたか……確かにあやつでも貴様には勝てないだろうな」



「あぁ、そのまま俺の弟子になったよ。……提案だが、ロードさんも俺の()()()()()()?」



「調子にのりおっ……」



「あんたは、いま老いを感じている」


「!」



「そして、そのせいで壁にもぶち当たっている」



「ふざっ!」



「俺がその先へ導いてやろう!」




「確かに貴様は強い。儂に迫る程に……だが、まだ決定的な力の差はない! それだけの大言は儂を圧倒してから言え!」




「そりゃそうだな……少しだけ力を見せてやろう……ちなみに俺の利き腕は()()




 俺は右手に剣を持ち直して、少し力を開放し横一閃……



「!」



「おっ! さすがだね。今の一閃見えてたろ? 絶対に見えないと思ったのに」




「なんだ? なんなのだその剣は! ただの一振りが全てを断ち切るような……そんな域に達している……あり得ない……」




「やっぱり天才……そこまで理解できるなんて素晴らしい。どうだ? 俺はお前の師足りえるだろう?」




「! ……まだだ! まだ!」




「いいぞ! 納得するまでかかってこい!」



「やかましいわ!」




()()()()()させてやるから全力でこい」


 そっからは、剣闘士大会と同じ流れだ。俺の指導に剣聖がついてきて、ダメなところを直してやる。直ったらまたダメ出し。それの繰り返し。ただ、剣聖は本物の天才だからその速度が尋常ではない……凄まじい速さで強くなっている。




「年齢など気にするな! 今の歳で動ける最善を尽くして戦えばいいだけだ! 二十歳なら二十歳の、四十なら四十の! 百なら百の動きで最強に居続ければいいだけなんだよ! ビビるんじゃねぇ!」



「はい!」




「わかったならいい! ここまででいいだろ……()()()()()()()()




「! はっ!」



「「ええ!」」



「え? 剣聖様もこの流れ? え? じゃあ新たな剣聖様はツカサ選手ってこと?」


 


「いや、実況さんちょっと待って……この試合は俺の負けだ」



「「え?」」




「俺はさっきロードに()()()()を使ってしまった。要するにルール違反だ」




「「はぁ?」」



「俺の反則負けってこと」




「……いや、しかしそれは……申し上げにくいですがツカサ選手はロード様を圧倒していたように感じますし、第一相手を回復させたのであれば、なんというか……」




「でも、魔法なしの大会だろ? やっぱり俺は反則負けだ……」




「そうですが……」




「だけど、新たな剣聖には誕生してもらう。その為にもう一試合していいか? ラメリとロードが戦って勝った方が正真正銘の剣聖だ。()()()()()? 運営さんももう一試合タダでできてラッキーじゃないか?」




「い、一旦協議に入ります……文句はないと思いまぁーす……」
















「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひ感想、ブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただけると自分でもビックリするくらいモチベーションが上がります! 



ぜひよろしくお願いします!




一昨日の投稿ができておらず、申し訳ありません。今気付きました。ごめんなさい。



次回は日曜日に投稿したいと思います。

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