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第三十五話

 




 

 可愛い可愛い弟子の事を考えていると、爆音という言葉がピッタリな程の大歓声が響く。



「やった! 遂にやったぞ! 王都を守れたんだ!」


「おー!」


「報奨金たっぷりもらうぞ!」



「朝まで飲み続けてやる!」 「俺も行くぞ!」 「お前は鬼嫁に怒られるだろ!」



「「ぎゃははは」」



 なんて声がそこら中から聞こえてくる。ギルドマスターや隊長さんも安堵の表情を浮かべて皆を労っていた。死傷者ゼロ、けが人も四人だけで王都を守れたのだ、素晴らしい戦果だろう。


 

 浮かない顔をしていたのは、俺とSランク冒険者四人位だ。バサシはこんな戦い元から興味ないし、ラメリは色んな事を考えて複雑な表情をしている。






 とりあえず、終わった。バサシを活躍させることはできなかったけど、まあいいや……さっさと帰ってカラミさんに報告しよう。その前にサービスでケガの治療をしてやるか。



 と振り向いた瞬間……





 馬鹿二人の胸に()が空き、倒れた。即座に戦闘態勢に入った残り二人だが、なんの抵抗もできず頭を吹っ飛ばされた。



 人類最高峰の戦力は数舜の内に命を落とした。先程までの歓声は反転悲鳴へと変わり、絶望が辺りを包む。



 全く意味が分からない状況にパニックを起こし混乱し始める冒険者と兵士達。




 俺も見てなかった、どうしてこうなったか()()()()()()()てもいいけど、とりあえずバサシに聞いてみよう。




「あの、ザコ三体の死体がゴニョニョと動き出し合体したのです。倒しに行ってもよかったのですが、あの程度の攻撃を躱せないようではご主人様の従者には……」




 こっちのバカはほっておいて、こいつは俺が討伐しようかな? それともやっぱりバサシの手柄を貰っとこうかな? ギルマスさんどうします?




「ツカサ、お前とバサシ二人でどれくらい足止めできる? こいつはちょっとヤバすぎだ……間違いなく天災級を超えている」



「超えてる?」



「俺も一度しか遭遇したことはないが、()()()でもトップクラス……もしかしたら()()()にも届きうるかもしれん。こんな個体はしらんし、こんな現象聞いたこともない」



 ちなみに、魔物たちは各ランク事に数種類いて、同じような見た目をしている。もちろん個体差はあるが見た目はほぼ同じだ。だから、あの魔物はAランク! とかあれは天災級! とか区別ができる。全ての魔物を確認できているわけではないが、その強さによって人間側がランク付けしているわけだ。



 んで、こいつは久々の未発見の魔物ってわけだな。……しかも最強の極天級かもしれんと……



「まじか」



「ああ、こいつはマジでやばい、このままだと……ハジー王国は今日滅ぶかもしれん」




「心配すんな、俺がいるから……()の故国はちゃんと守るよ」



「ご主人様……」「師匠……」



「チッ……」



「最重要事項として、再度Sランク冒険者達への連絡を各ギルドに通達する。どれほど時間がかかるかわからんが少しでもいい……時間を稼いでくれ……頼む」




「ギルマスさん……悲痛な思いで話している所悪いけど……」




「無理は承知だ! だが、ここで引けばハジー王国は滅び、その被害は全世界に広まるだろう。一分でもいい! 応援の冒険者が、そしてSSSランク冒険者()()()が来るまで時間を稼いでくれ!」




「全然話聞かんな……まあいいや。とりあえずあいつと戦えばいいんでしょ? バサシ、いくぞ」



「畏まりました」





 


 全く話を聞かないギルマスはほっておいて、俺達は奴の前に降り立った。




「やはり儂の思った通りであった。おぼろげな意識の中であったが間違いではなかった。儂らは元から三体で一体だったのだ。それを、あの冒険者のクズに……まぁ良い……やっと元に戻れたのだ。本来の姿に」



「……皆殺しにしてやるぞ……忌々しい冒険者どもめ」




 やっぱり知性があって、会話ができるみたいだな。一応会話を試みようと思ったけどこれは無理っぽい。滅茶苦茶冒険者の事嫌いみたいだし。




「我が眷属よ」



 そいつがそう言うと、傅いた()()()レベルの魔物が一体現れた。



「……なぜだ? なぜお前しかおらんのだ?」



「我が主よ、申し訳ございません。他の眷属達は憎き冒険者共に討たれました」




「……ほんに、冒険者共は何度殺してもうじゃうじゃとゴキブリの様に……」




「恐れながら主様。わが主様もそのゴキブリに討伐されたんですよね? 主様はゴキブリに討伐されるくらい雑魚っていう認識でいいですか?」






「……なんじゃこのゴキブリは? ビョウよ、そのゴキブリ二匹は任せる。儂はあの城壁の中にいるゴキブリの巣を叩いてくる」



 ビョウと呼ばれた魔物は、恭しく頭を下げこちらを睨みつける。



「ゴキブリの糞にも劣るゴミが、我が主を愚弄するとは。すぐに死ねると思うなよ」




「おお、眷属様ともあろうお方が我が主はゴキブリの糞に討伐されたと申されますか?」



「口の減らぬゴミが……」



 ……こいつも天災級ならちょうどいいな。




「ギルマス! この眷属さんも天災級っぽいし、こいつを単独討伐できたらSランクでいいよね?」




「な、なにが起こっているんだ。……眷属? しかも会話を……」




 ……ギルマスも色々考えないといけないのだろう、とりあえず討伐しよう。




「バサシ」



「畏まりました」




 そう言うと、バサシはしっかり()()()位の速度で動き、誰が討伐したかわかるように眷属さんの頭を刈り取った。



 我が主さんは、目を見開き驚愕、からの激怒。






「ゴキブリが! 儂を怒らせおって! もう面倒じゃ! 巣ごと消し飛ばす!」




 ひどい言い方になるが、Sランクなど目じゃない位の力が主さんに集まっていく。こんな魔法が放たれたら、城壁はもちろん王都に住む全ての人間が生きてはいられないだろう。こんなの人間に太刀打ちできるのか? こいつが本当に極天級だったとしたらSSSランクはどのように戦うのだろう。気になる……  



 しかし、小物と思ったが我が主さんの力やばし……









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