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rain1-6 流れ星

「寒いね」

恵美の口から声が出る。僕は聞き逃すことなく即答した。

「うん」

恵美と一つの毛布に入っているという極度の緊張から、単純な返事しか出なかった自分に腹が立つ。しかしそんな気持ちとは裏腹に僕の口からは次の言葉が飛ぶことはなかった。


また沈黙が続いた。


僕も、とりあえず星空を眺めることにした。

星が満天にでていてとても綺麗だった。

大好きな子のとなりでこんなにも綺麗な星空をみることが出来るなんて、きっとこういうのを幸せっていうんだな。

「あ!流れ星!!」

恵美が突然叫んだ。

「願い事しなくちゃ!」

僕は恵美が見た流れ星を見逃してしまったが、恵美のとる行動は見逃さなかった。恵美は両手を胸の前で組み、目を閉じて願い事をしているようだ。


綺麗な恵美の横顔に僕はしばらく見とれてしまっていた。

それに気が付いたのか目を開けた恵美がこっちを見た。

これだけの近距離で恵美と目が合ったことに動揺してしまった僕は、とっさにありきたりな質問をした。

「なにを願ったの?」

「内緒」

恵美もありきたりの答えをした。

でも恵美の顔は笑顔だった。この近距離で見る恵美の笑顔、いつもとはまた違って見えた。

しかし、恵美はさっきから僕から目を離そうとしない。僕は恥ずかしさのあまり再び恵美の目を見ることもできずに前を向いたまま言った。

「な、内緒か。まぁそりゃあそうだよね。でも気になるな、ハハ」

「気になる?じゃあ教えてあげよっか?」

恵美の意外な即答に僕は驚いて、恵美のほうを見た。

また恵美と目が合う。恵美は相変わらず笑顔だった。

「教えてあげるから、一つお願い聞いて」

僕は、恵美の突然の申し出に驚いた。

心臓が破裂しそうなくらい脈打っている。

鼓動が隣にいる恵美に聞こえないか心配だ。

「そのまま、あたしの目をずっと見てて」

僕の、頭の中は混乱していた。

恵美の突然の予想もしていなかったお願い。

そんなこといままで言われたことなんてなかったから。

僕は黙ってうなずくことしか出来なかった。



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