パーティーと婚約者
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洗礼式パーティー会場へ着いた。
先ずは会場へ今年5歳になる僕と同い年の貴族の子供とその両親が入場する。
その後、上位貴族と共に国の重鎮や金のある商人も数人入場した。
全員揃ってから僕と国王である父に妃の母と義母が参列。
会場は熱気に包まれた。
国王が前に立つ。
「今日、息子の誕生日とここにいる子供達の洗礼式の祝いのパーティーを行えることに感謝している。まずは息子であるライオネルが今日無事に洗礼式を終えた。ステータスを見て驚いた。こんなにも強い者は文献にも出てこない。そんな印象だった。それに称号だ。神の使徒や寵愛に加護などこれもまた凄かった。そしてスキルだな。皆はライオネルのスキルを小馬鹿にしたりしていただろう?私もそうだったのだ。嘆き悲しんだ事もある。それがだここ最近、錬金術だ剣技だ魔法だと複数のスキルがあると、判明した。しかし結果はスキル1つだった。だがそのスキルは神が神たらしめる為のスキルだった。全てを知り行える。現存するしない関わらず全てのスキルを知り使えるのだ。それだけではない、全ての情報を神から開示されると言う」
これを聞いていた者全てが僕を見て歓声を上げる。
とても恥ずかしい・・・
「ライオネルからも挨拶しなさい」
「は、はい」
「えーご紹介に預かりましたライオネル=フォン=マスタングです。今日はよくお越し下さいました。皆様と共に誕生日と洗礼式の祝いを出来て光栄に思います」
「実に大人びた5歳児だ。これからもライオネルをよろしく頼む。そしてここにいる子供達。君たちはこれから勉強や訓練と忙しくまた大変であろうだが、諦めず頑張れ!そうすれば必ず国の中枢で活躍する人材になれるであろう」
「さて、最後に。今日、洗礼式の帰りに、ライオネルが元帥と宰相の娘を救った。その後、話をして2人の娘達をライオネルの婚約者とすることになった。よろしく頼む」
歓声と悲鳴の混じった声が響く。
男の子達は2人の事を狙っていた様だ。
視線が痛い・・・。
「それでは皆の成長と健康に乾杯」
『乾杯』
「ライオネル。これから皆が挨拶に来る。覚えておくといい者は私から伝える」
「わかりました」
続々と列が出来ていく。
混んでいるうちに他の貴族と交流する者もいる程だ。
挨拶をしていると、是非娘を嫁に貰ってくれと言う者が多くて困った。
「ライオネル。此奴はマーシャル=フォン=アルミテート辺境伯である。儂の友だ。子供の頃からずっとライバルであり親友だ。最近は遊びに行けてないが今度、一緒に行くか?アルミテート領はいいところだぞ」
「コルネ様。ありがとうございます。友と言われて光栄にございます。是非遊びに来てくださいね。娘も同じ年なので遊んでやってくださいね」
「コナーズ=フォンアルミテートです。国王陛下にライオネル殿下、お初にお目に掛かります。よろしくお願い致します」
コナーズもなかなか美人さん。
あっ!そう言えば父をコルネと呼ぶ人は初めてだ。
余程信頼しあった仲なんだろう。
「はい。よろしくお願い致します。コナーズさんもよろしくね。父と遊びにいきますね」
「こんな場ではちゃんとしているが、他の目がなければ結構酷いこと言うんだよこいつは。ワッハハ」
父も楽しそうで何よりだ。
「ライオネル。此奴はオーカスト=フォン=バルバドーラ公爵。王族の血を引き、学者としても有名だ。頭が良くキレ者である。まだ若く爵位を継いで間もないがな、これから国の重鎮になる奴だ」
「叔父上様。ありがとうございます。日々努力致します」
「ライオネル様もよろしくお願い申し上げます。もし調べ物があるのなら是非遊びに来て下さいね」
「ありがとうございます。よろしくお願い致します」
「商人達だ。右からファーディナンド商会のオルマ=ファーディナンド、デイル商会のビアンキ=デイル、ヘンリエッタ商会のヘンリエッタ=サラトールだ。大手商会で王族が利用する商会だな。ファーディナンド商会は武器、防具、魔道具等。デイル商会は奴隷だ。ヘンリエッタ商会は雑貨に家具、食料品など貿易も手広くやっていて他の国の品も手に入る」
「ライオネル殿下、オルマ=ファーディナンドです。その剣はどこで手に入れたのですか?研ぎや加工、強化等も承っておりますのでよろしくお願い致します」
「オルマさん、この剣は錬金術で作りました。ライオネル国王が使っていたとされる刀と言う剣です。研ぎもやってもらえるのですね。その時はよろしくお願い致しますね」
「刀ですか?是非遊びに来てください」
「ライオネル殿下デイル商会のビアンキ=デイルです。お初にお目に掛かります。奴隷がメインの商会になります。余りこう言う場でお話しする内容ではございませんね。もし近くにお越しの際は寄って下さい。奴隷と言っても清潔で病気もなく栄養バランスもいい食事を与えております。気軽にお越し下さいませ」
「わ、わかりました。寄ってみますね。よろしくお願い致します」
「殿下お初にお目に掛かりますわ。ヘンリエッタ商会のヘンリエッタ=サラトールです。雑貨や家具、小物など輸入物も多々揃えておりますわ。是非お越しくださいませ」
「はい。よろしくお願い致します。ええ近いうちに伺います」
その他、娘を猛烈に売り込む貴族の相手に辟易した。
ズラリと並んだ参列者は次第に少なくなる。
いよいよ全員と挨拶を済ませ自由時間である。
「やっと終わった。では父上失礼致します」
「わかった。楽しんできなさい」
子供達が集まる場所へ向かうと声を掛けられた。
「ライオネル殿下、お話し出来ますか?」
振り向くと元帥と宰相だった。
「はい。何かご用でしょうか?」
「先程は挨拶だけでしたので。先ずは婚約の事です。受けて頂きありがとうございます」
「はい。こちらこそ僕でよかったのですか?」
「勿論です。礼儀正しく強いのに奢らず、兵士文官から使用人に至るまでライオネル殿下を素晴らしい人間だと言うのです」
「お調べになったのですか?」
「はい。大変失礼と思いましたが、娘が一目惚れをした人物を父として見定めたくなりました。調べれば調べる程、娘と結婚して欲しいと願うようになりました。本当にありがとうございます」
「そうだったのですね。そう言って頂けると少し恥ずかしいですが嬉しく思います」
「近いうちに両家で食事会等を検討していますのでまたお話し致しましょう。引き止めて申し訳ありません」
「そうですか。わかりました。いつでもお気軽にお声掛けください。では失礼致します」
そう言うとその場を後にした。
一方元帥と宰相は。
「やはり娘が殿下を選んでくれてよかったな。人柄、能力、才能どれをとっても優秀なお人だ」
「そうだな。人の上に立つべきお方だ」
「やはりそう思うか?マイクよ」
「陛下。ええそう思います。私のように宰相でも元帥でも成功するでしょうし、公爵として領地経営しても成功するでしょうね」
「そうか?国王もいけると思うぞ」
「へ、陛下。それは・・・。」
「陛下まだまだ先の話ですよ。今そんな事言ってはいけません」
「無論先の話だとも。だか王太子をどうするか悩んでいるのだ。順当に行けば長男ルーカスだが奴は剣ばかり握っておる。次男ランスロッドは本を読み勉強ばかりでな。するとライオネルはどちらも才能があって華もあるのだ。順当かそれとも華か悩ましい。いずれ決める時は皆の意見も聞くからな。娘婿だからと贔屓するなよ」
「わかりました」
「はい」
そんな話がされている事を知らず同年代の子供達と話しをしたいライオネル。
だか皆媚び諂うばかりで居心地が悪い。
「殿下。トール=フォン=ヴィクトールと申します。殿下は初等教育はやはり文武両道で有名な王都初等教育学校ですか?」
「確かにそこに行く予定だよ」
「僕も行く予定です。同じクラスになれたらよろしくお願い致します」
「ええ、その時はよろしくお願いします」
トールとはかなりの時間話をした。
勉強法や家庭教師の話で盛り上がり初めて友と呼べる者ができた気がした。
「殿下。お話し致しましょう」
マリアンとベティールだった。
「ええ、いいですよ」
「ありがとうございます」
「マリアンとベティールはどこの初等教育学校へ行くのかな?」
「殿下、マリアと呼んでください」
「私はベティーと呼んでください。お願いします。私達は王都初等教育学校です。父達も王城勤務なので王都のお屋敷に住みます」
「わかった、マリアとベティー。僕も王都初等教育学校だよ。クラス同じになるといいね」
「はい。楽しみにしています」
「そ、それと。あの、婚約を受けて頂き本当にありがとうございます。とても嬉しかったです」
2人で顔を真っ赤にして俯く様子を見てただただ可愛いと思うライオネル。
「僕の方こそ可愛い婚約者が2人も出来て夢のようです」
「あ、あ、あ」
湯気が出るほど真っ赤になった2人。
もう言葉も出ない様子。
「これからよろしくね」
「は、はい。よ、よろしくお願いしゅましゅ、あっ」
あ、噛んだ。
「せっかく婚約者になった訳だし、今度一緒にお出かけしませんか?お食事とか」
畳み掛けるライオネル。
「へ?いいのですか?嬉しいでしゅ。あっ」
そんな話で盛り上がっていると。
前から小太りの男の子が話しかけてきた。
「君。僕が婚約しようとしている子達に気安く話しかけないで頂きたい。遅れてきたらこれだもんな」
少し怒った様子で話に割り込んできた。
「あのーが2人と婚約されているのですか?」
「話し聞いてた?婚約しようとしてるの。またしてないけどきっとするんだよ」
「そうですか・・・」
「ライオネル様、私達はこの人知りません。なんの関係もありません」
「なんだって?何度かすれ違ったじゃないか?父からも婚約のお願いをしていますし」
「申し訳ありません。存じ上げていませんし婚約なんて聞いていません。聞いたとしてもお断りしています」
「なんだって?侯爵の僕では納得出来ませんか?
怒りが彼女達に向いたのでライオネルは呆れたように。
「君さ、マリアとベティーが嫌がっているだろう。そろそろ気づいたらどうだ?」
「何?貴様に指図される覚えはないぞ」
周りがザワザワし始めた。
「すまん関係あるんだ。この2人は僕の婚約者なのでな」
「なんだって?俺様が先に目をつけていたのだ。泥棒とは許せないな」
泥棒呼ばわりされて流石に我慢も出来なくなった僕は仕方なく少しの殺気を込めて話し始める。
「泥棒とはよく言ったもんだ。君は侯爵だったね。僕の身分を聞かずによくそんな事が言えるな。場合に寄って不敬罪で首を落とされる覚悟があるのかな?」
「覚悟?なんだ公爵家の子息なのか?」
「だから?覚悟はあるのか聞いているのだ」
「逆に君は覚悟があるのか?」
「覚悟だと?君に覚悟を問う僕は覚悟が要らぬ身分だと分からないか?」
「え?」
顔面蒼白で何も言えないようだ。
「僕はライオネル=フォン=マスタング、第3王子だ。申し開く事はあるか?」
「お、お、王子殿下・・・大変ご無礼致しました・・・申し開く事は何まありません」
「なら行け。僕の婚約者に金輪際近寄るな」
「はっわかりました。ご寛恕いただき誠にありがとうございました。では失礼致します」
そう言うと彼は逃げるように去っていく。
「ライオネル様ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「いえいえ。大した事はしていませんよ。名乗っただけです。それに婚約者のマリアとベティーを守るのは当たり前です」
そんな事を言いながらニコっと笑うライオネルを見て
「きゃっ」
「あっ」
2人は完全に茹で上がったようだ。
その後も時間の許す限り話した。
読んで頂き有難うございました。
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