3人目と初等教育学校
誤字脱字お手柔らかにお願い致します。
洗礼式翌日。
朝から練兵場へ行き大将クラスと模擬戦をしていた。
「殿下、素晴らしい剣技です。中将と大将では実力差がかなりあります。どうですか?」
「はい。勉強になります」
そんな事を言いながら勝ち星も少しだが得ていた。
「やはりお強い。殿下はまだ5歳ですし後数年で私では相手にならなくなりそうですね」
「まだまだです。今日はこれくらいで失礼します」
「はい。この時間は殆ど私はいますので、いつでもお相手致します」
「ありがとうございます。またお声掛けしますね」
そう言って部屋に戻って着替える。
昼食は父と宰相、元帥にマリアとベティーで昼食を食べた。
「ライオネル。ちゃんと紹介してなかったな。先ずは元帥から。カインズ=フォン=ルメルバーグだ。ライオネル元帥とは何かわかるか?」
「はい。国王軍統括でしょうか?」
「そうだ。兵士の長で戦争があれば総大将となり軍を動かす」
「次は、宰相、マイク=フォン=カーリンだ。宰相どはなんだ?」
「はい。政務統括でしょうか?」
「そうだな、文官の長で政では私の補佐兼代理でもある」
この2人が側近という訳だ。
「はい。わかりました」
「ライオネルよ。今日から王となる為必要な勉強をしろ。順当に行けばルーカスだが能力はライオネルだと思っている」
「えっ・・・」
「気にする事はない、皆も5歳から始めている事だ」
「わかりました。ただ僕に人の上に立つ器量はないと思います」
「それは他人が決める事だ」
「わかりました」
「実はな、王族は色々な種族の血が入っている事は知っていると思う。基本的には長寿なのだが、中にはその血が悪さをして若くして亡くなる者もいるのだ。私の父達の世代は父以外成人することなく父も30歳そこそこまでしか生きられなかったのだ。皆いつなにが起こるか分からん、全員が覚悟して勉強しているのだ。無論ライオネルも勉強するのだ」
「わかりました。やってみます」
30代で亡くなっていたとは。父はいくつで国王になったのだ?
「頼むぞ」
その後皆で楽しく談笑きてお開きとなった。
「今日からライオネルに帝王学を教えるグラーンだ」
「ライオネル殿下、お初にお目にかかります。ご紹介に預かりました、グラーン=フォン=アステータと申します。伯爵を賜ってあります。よろしくお願い申し上げます。」
グラーン、初老の男性だ。
どうやらこの人が王になる為の教養を教えてくれるようだ。
「よろしくお願いします」
「では殿下行きましょうか」
「はい」
落とされた部屋は王太子の執務室だった。
「本当にここで勉強するのですか?」
「ええ、慣れることも必要です。今日からここで教養、姿勢、言葉遣いに公務を勉強します」
「わ、わかりました。」
では先ずは・・・」
ここからが地獄だった。
どうやらグラーンは先代国王の側近で父の教育係りもしていたそうだ。
間違えたり姿勢が悪くなると殺気を込めて指摘される・・・打たれた方がマシに思うほどの殺気を込めるので半日の授業でクタクタになった。
「では今日はここまででとしましょう。初等教育学校に入学するまで毎日この部屋に来ること。理由もなく来なかったり、遅刻したりしたら覚悟して下さいね」
「わ、わかりました・・・。それでは失礼致します」
ライオネルが去った後、国王が部屋に入る。
「グラーン、ライオネルはどうであった?」
「そうですな、上2人より才能はあるように思います。ただ、本人は国王になりたいとは思っていないようです」
「そうか・・・。すまぬがよろしく頼む」
「はい、承りました」
国王になると兄達との関係が壊れてしまうことをライオネルは考えていた。
父の跡を継ぐという事は名誉であるが、三男の自分が公爵になる事すら嫌だったのだ。
兄達のことを考えてため息を吐く。
5歳の子供のスケジュールではない毎日だ。
朝から練兵場での訓練に試合、午後から帝王学、夜だけはゆっくり出来るのだが毎晩のように婚約者のマリアとベティーにシルビー姉様が部屋へやってくる。
そんな日々を送るライオネルはあっという間に7歳になった。
今日は王都初等教育学校の試験日。
この試験結果でクラス分けされる。
馬車で送ってもらい試験会場へ向かうと声を掛けられた。
「ライオネル殿下、お久しぶりです」
「トール、久々だね。試験頑張ろう」
「はい」
話をしながら会場へ向かった。
試験会場にはマリアとベティーもいた。
最初は学科だった。
席に着いて、テストが始まる。
「え・・・?」
なんて簡単なんだ。
グラーン爺のやつ試験勉強と言いながら難しい問題ばかりだしやがって。
めちゃくちゃ簡単な問題で思わず声が出てしまった。
クスクスっと笑われてしまった。
試験が終わると後ろから声を掛けられた。
「君あんな簡単な問題もわからなかったの?」
「そんな事ないよ」
「あんな声出して本当は全く分からなかったのだろ?」
「いえいえ。簡単すぎてびっくりしたのですよ」
「プププ。本当かな?まぁクラス分けで点数も出るから勝負だな。勝負なら実技もあるしなそこで頑張れよ」
試験は2教科、数学と魔法の問題だった。
終わると実技試験だ。
実技試験は教官相手に試合形式で行われる。
魔法と剣術のどちらかを選ぶ形式だがどちらも自信のある者はどちらも受けられる。
当然どっちも受けた。
「次っ」
「はい」
「どちらを受ける?」
「勿論両方です」
「わかった」
出てきたのは冒険者風の男。
「先ずは俺と剣で勝負だな」
「わかりました」
「始め」
先制は冒険者と言うよりライオネルが譲った。
「俺に先制させるとは馬鹿なのか?それとも優秀なのか?」
剣が重なるとライオネルは
「魔法流してもいいですか?」
「あれも剣術だからないいだろう」
お互いの剣が魔法を纏った。
ライオネルは雷、冒険者は凪でライオネルの雷を沈める。
「頭を使えよ坊主」
「そうですね、あなたは馬鹿ではないようだ。もう一度いきますね」
そう言うとまた魔法を纏わせた。
冒険者はまた凪を、ライオネルも雷を。
しかしライオネルの雷は先程とは規模が違った。
バリバリと鳴り冒険者の凪を物ともせず剣を切り落とした。
「どうします?魔法無しで再戦しますか?」
「いやいいよ。俺も剣士の端くれだ勝てるイメージが湧かない。これで合格だ、どうする魔法も受けるか?俺よりもずっと凄い奴だぞ」
「なら久しぶりに本気出せそうですね。やります」
「え?久しぶりに本気?」
次の相手は学校の先輩なのかな?エルフの少女だった。
「始め」
「僕、先に攻撃してきなさい」
「そうですか・・・わかりました」
ライオネルはマナを名一杯吸うとイメージを始める。
引火性のガスに点火、酸素をどんどん注ぐそんなイメージで出来上がった真っ青な炎はゴーっと音を出して燃え上がる。
「ちっなにこれ?あんた馬鹿なの?」
「先行させてくれるって言いませんでした?一応言っておきますが鉄は一瞬で溶ける温度になっているので気をつけて下さいね」
「参ったわ。こんなの勝てる奴いるの?」
「勝ちですね」
「それとも魔法放ちたいですか?」
「ほう、いいの?当たったらただじゃ済まないわよ」
「どうでしょうね?当てられたら言ってください」
「カッチーン、キレたわ。やってやる死んでも恨まないでね」
「だから当ててから言ってくださいね」
少女はライオネルに乗せられたとも知らず挑発に乗った。
「私の爆魔法で死になさい」
放った魔法は言うだけあって相当な物だった、しかしライオネルの耐性を打ち破る魔法を放つ者はライオネル以外いなかった。
念のため先日覚えた自動回復スキルを発動して魔法に飲み込まれた。
ドッカーンとけたたましい音と共に爆炎爆風が広がる。
メラメラと燃え盛る炎の中から人影が見えた途端に少女は座り込んだ。
ライオネルは無傷だった。
炎の中から出てきたと思ったら少女に悪態をつく。
「今ので終わったのかな?」
「痒いくらいあるかと思ったら何も感じなかったよ」
「そもそも強いと豪語するならせめて爆魔法でなく爆炎にするとか融合して打つべきだ」
「もっと魔法を勉強した方がいいと思います」
「魔法はイメージが一番大事だと気づきなさい」
「マナの吸収も足りないです。練習ちゃんとしてます?」
などなど丁寧に的確にダメ出しをする
少女は言われる度ビクビクしながら聞いていた。
ライオネルが言い終わると。
「弟子にして下さい。そして結婚して下さい」
「え?」
ライオネルは頭が混乱した。
この子何言ってるの?
「貴方はライオネル=フォン=マスタング第3王子殿下ですよね?私は、アール王国第2王女リリーラ=アウラと申します。リリーと呼んでください」
「アールお姫様?」
アール王国は亜人国家アールとも言われる亜人や獣人の国である。
「アールとは往来の制限がありませんが王女殿下がお忍びで来るなんて前代未聞ですよ。なぜここにいるのですか?」
「ライオネル殿下にに会いにきたの。お噂通りの強さね。私より強い貴方と結婚致しますわ」
「結婚ってアール王国は知っているのですか?」
「旅に出ると置き手紙してきたわ」
「ドヤ顔で言われても・・・家出じゃないですかそれ」
「ドヤ顔?」
「何でもないです。アールの国王陛下と父上に報告しますね。他国王族同時の婚約には両陛下の話し合い無しでは成立しませんし、今日会って試合した家出女性と婚約なんて考えられませんからね」
「・・・父様に報告だけはご勘弁願えないでしょうか?」
「では、結婚の話は無かったことに」
「えー無理?」
「はぁ話になりませんね。試験は終わったので帰ります」
そう言うとライオネルはマリア、ベティーと王城へ帰る為馬車に乗った。
城に着き、3人で父達がいる執務室へ報告をしに行った。
「父上。皆、試験滞りなく終わりました。しかし実技の試験中、アール国王の王女殿下が試験官をしており結婚を申し込まれ本人は家出の身でした」
「そうか君がリリーか?久しぶりだが覚えているか?」
「え?いつの間にここに?」
「ええ小さな時の事ですが今でも鮮明に覚えております。お久しゅう御座います、マスタング国王陛下」
「でライオネルと婚約とな?奴は知っているのか?」
「父様にはまだ伝えておりません。お噂に聞くライオネル殿下を査定してくると置き手紙を置いてきましたの」
「そうだったか。ライオネルはどうだった?」
「ええ美しくて頭も良く、何より私より強い。言うことなしで御座います」
「リリーとライオネルの婚約でより一層、マスタングとアールの国と国民が良い関係になるだろう。マリアとベティーそしてリリー、これ以上ない結婚相手だ。そして歓迎するぞリリーしばらく王城へ滞在しなさい」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きますわ」
「奴には儂から連絡を入れておくが良いな?」
「はい」
「よし今夜は宴だ」
政略結婚なのかな?
とは言え父には逆らえない。
すぐに夕飯が婚約披露の宴となり婚約者の事を姉や兄に根掘り葉掘り聞かれたが、正直3人ともまだ良く知らない・・・。
16歳までまだ時間はあるからゆっくりと知っていこう。
2日後、入学式当日。
試験の結果でクラス分けされる。
「ライオネル殿下おはようございます」
「おはよう」
トールと挨拶を交わしクラス分けの表を見る。
成績順1〜10番までがSクラス、11〜30番がAクラス、それ以降30人クラスになる。
月に一度テストがありその都度クラス替えがある。
下位クラスは変わるが上位クラスは殆ど変わらないの実情だ。
「あっSクラスだ。トールも一緒だよ」
マリアもベティーも一緒だった。
学校には目的に合った研究室や図書室など様々あり、Sクラスは朝のホームルーム、課外授業とテストに参加すれば好きな事を好きなだけ勉強出来る。
「Sクラスのライオネル=フォン=マスタングです」
「ライオネル殿下ですね。こちらが制服と一応教科書も入っています。それと殿下は主席となりますので新入生代表の挨拶をお願い致します」
「え・・・挨拶?」
一度教室へ入る。
「おはよう。Sクラス担任のミッシェル=エヴラだ。よろしく」
「出欠を取る、成績順だ。首席ライオネル=フォン=マスタング、次席トール=フォン=ヴィクトール、マリアン=フォン=ルメルバーグ、ベティール=フォンカーリン、ファイン=フォン=ヤーサル、ジル=フォン=カスティバス、ラモタール=フォン=バドン、マリエッタ=フォン=アステータ、アイリーン=フォン=グリタリス、コナーズ=フォン=アルミテート。以上10名」
あれ?テストで笑った奴いないけど・・・。
「これでホームルームは終わりだ。次に入学式へ移る、会場へ移動してくれ」
そう言われて皆で会場の式典館へ移動した。
式典館はその名の通り式典を行う場で、全校生徒と教師、父兄が余裕で入る広々とした部屋だった。
成績順で着席すると開式した。
まず学校今日からの開式の言葉から始まり来賓からの挨拶には父である国王陛下からの祝辞あった。
その後、一人一人名前を呼ばれて入学の許可を学校長から得る。
その後在校生代表として最高学年の首席であるランスロッドから祝辞を頂いた。
最後に入学生の首席である僕の代表挨拶である。
「最後に入学生代表挨拶、主席ライオネル=フォン=マスタング」
「はい」
壇上に立ち来賓、先生、生徒の順に一礼して挨拶の言葉を述べた。
「今日、良き日にこの王都初等教育学校へ入学出来たこと大変感謝致しますと共に今日から学ぶこと全てを大切することをここに誓います。私達新入生はまだまだ未熟で学校にも不慣れです。ですから教師上級生の皆様、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。そして御父兄の皆様、ここまで育てて頂いたこと感謝申し上げます。今日からまた一歩一歩成長した私達を見守り育てて頂きたく思います。新入生代表ライオネル=フォン=マスタング」
盛大な拍手に見送られ新入生は退場する。
代表挨拶もミスなく終えられてよかった。
教室へ戻ると担任が明日からの予定を聞いた。
明日からホームルームの後、個人又はグループ学習と研究が始まる。
5人以上のグループで研究する場合にのみ研究室が与えられるそうだ。
研究は上級生もやっているので明日ホームルームが終わってから外に研究の呼び込みがあるが参加は自由だそうだ。
研究は魔法にしよう。
神様からの願いでもあった魔法のイメージの改善を目的とした研究だ。
帰りのホームルームも終わりマリア、ベティーにトールと研究の話で盛り上がった。
「ライオ様、研究はどう致します?私達はライオ様の助手を致しますわ」
「僕は魔法の研究をしようと思います。魔法の強化、魔法のイメージや融合魔法の研究をしたいです」
「僕も研究仲間に入れてくれるかな?」
「これで4人だな」
読んで頂きありがとうございました。
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