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Ancient Alchemist Online  作者: はむだんご
一章
20/39

1-20




 ピコンッ


――――――――――――――――――


パーティー : [風見鶏(ドレイク,ノエル,ジーク,ロミオ,リリア)] が 解放イベント : 怒森熊の討伐 を初クリアしました。


これにより、本イベントの適正レベルが低下します。


――――――――――――――――――


 ピコンッ


――――――――――――――――――


解放イベント : 怒森熊の討伐 の初クリアを確認しました。


これにより、現実時間で一週間後に全プレイヤー参加型の公式イベントを開催します。詳細は別途メールにてご確認ください。


――――――――――――――――――



「お、やっと来たわね」

「普通はこのくらいかかるのじゃ……」


 入学式から一週間、このゲームがリリースされてから約二週間が経過し、ついに解放イベントをクリアしたパーティーが現れたようだ。


「そっちじゃないわよ、公式イベントの方!」

「あ、そっち……?」

「当たり前じゃない!解放イベント初クリアとかどうでもいいわ!」

「うん、取りあえず姉さんは風見鶏の方々に謝ろうか?」


 どうでもいいとか失礼すぎる。


「ほら、メール来てるわよ」

「……はぁ」


 メール、メール……っと、これか



 ピコンッ


――――――――――――――――――


公式イベント : 期間限定ダンジョンの調査


突如王都周辺に現れた4つの塔を調査せよ!貢献度に応じて王から褒美が貰えるぞ!


注1 : ダンジョン内で成果(敵の討伐、宝箱の発見など)を出す、もしくは間接的な手助け(生産品を売るなど)をすると貢献ポイントが貰えます

注2 : 貢献ポイントはイベント終了後ランキング化(匿名可)され、順位に応じた褒美が貰えます

注3 : 本イベントへの参加条件は、①解放イベント : 怒森熊の討伐 のクリア, ②イベント期間中のログイン です

注4 : 本イベントでしか手に入らないアイテムがあります


――――――――――――――――――



「ダンジョンかぁ……」

「いいわねぇ、燃えてきたわ!」

「ところで……一つ質問してもいいですか?」

「ん?どうしたんだサーヤ」

「……ヨシノちゃん、ちょっとリーゼさんに近づきすぎじゃないですか?」


 ん?あれ!?いつの間に腕に……


「気のせいなのです!」

「いえ、どう見ても近づきすぎです。ていうかひっついてますよね!?」

「気のせいなのです!」


 いや、さすがにそれは無理があるのではないかと……。


「まあいいです。取りあえず離れてください、そこ私の特等席なので」


 いつ決まったんだよ!?初めて聞いたぞ……


「いいえ、ここは私の特等席なのです!サーヤちゃんはもう片方を使うと良いのです」

「い、いえ……そういうことではなく……」

「使わないのなら私が独り占めにするのです!」

「うぅぅぅ~~~……」


 ――クイッ


 あ、結局袖つかむんですね……


「っく、恥ずかしいです……」


 なんで袖をつかむのが恥ずかしいのに一緒に寝るのは恥ずかしくないんだろうか……?


「恥ずかしいならやめればいいのです」

「そ、そういうわけにはいきません!だいたいリーゼさん、あなた最近ヨシノちゃんにひっつきすぎですよ!」

「悔しかったらサーヤちゃんもやればいいのです!」

「だぁぁぁぁぁ!いいからヨシノちゃんから離れろこのドエロメイド!」

「おチビさんには指図されたくないのですぅ~」

「あ゛あっ!?」


 あ、そうそう。VR研を新設した直後に、霧島先輩とリーゼが同一人物であることが速攻でばれました。今のところ気づいてるのはサーヤだけだけど、この調子でリアルでもゲーム内でも喧嘩してたら残りの二人にはすぐばれるんじゃないか……?というか、俺を間に挟んで喧嘩するのやめて貰えませんかねぇ……。


 ちなみにサーヤには、隠していたことを小一時間問い詰められて説教されました。まる。……解せぬ


「最近よく喧嘩するわねぇ、サーヤとリーゼ」

「そうじゃのぅ……あれ?この光景、どこかで見たような……デジャブかのぅ?」

「そうかしら、気のせいじゃない?」

「……うむ、多分気のせいじゃろう」


 ……なんか大丈夫そうだな。二人ともこういうところ抜けてるよなぁ……。


「って二人とも、喧嘩してる暇はないわ!イベントが始まるまでにレベル上げと生産をやるのよ!」

「レベル上げは賛成だけど、生産活動する必要あるのか?」

「わかってないわねヨシノちゃん。いい?公式イベントは絶好の稼ぎ時なのよ!それに生産品を売れば貢献ポイントが貰えるんだから、今のうちに需要の高そうな物を大量に生産しておくのよ!」

「お、おう……なるほど」


 まあ確かにその通りだな。今のうちに売れそうな物を大量に作っておいて、イベント期間になったらNPCに頼んで売ってもらえば、その間にダンジョンに行けて生産による貢献ポイントも貰える。まさに一石二鳥だ。


「そういうことならしっかりと計画を練っておいた方がよいじゃろう」

「そうだな……取りあえず今日から4日間はレベル上げ兼、素材回収でいいだろう」

「問題はどこでレベル上げをするか、ですね」

「ああ、経験値効率がよくてかつ、必要な素材がとれる採取ポイントがたくさんあるところじゃないとな」

「そうねぇ……私はモンスターの素材があれば十分だからどこでもいいんだけど……」

「私は木の生えている場所がいいですね」

「わしもモンスターの素材だけで十分じゃ」

「私は薬草の生えた場所がいいのです」

「俺はモンスターの肉でいいかな、強いて言うなら木の実とかは欲しいけど……」


 ということは……


「俺たちの拠点がある北の森か、まだ行ってない東の山の二択だな」

「経験値効率を考えるなら北のエリアⅢの森じゃあ物足りないわね」

「なら東で決まりだな」

「なのです!」


 よし、そうと決まれば早速――


「……――でよぉ、急に動きが素早くなりやがって、マジで焦ったわぁ」

「うん、まさか残りHP10%であんなモーションを取るとは思わなかったよ」

「ふふ、あのときの王子様の顔ったら……ブフッ」

「ちょ、笑うことないだろう!あと、王子様じゃなくてロミオって呼んでっていつも言ってるじゃないか!」

「そんな恥ずかしい名前呼べるわけないでしょ!」

「ええっ!?」

「……王子、くさい」

「然り然り」

「くさくないよっ!?このゲーム臭いほとんど感じないよ!?」

「……そういう、意味……じゃない」

「然り然り」


 今から東に行こうというところで遠くから大きな話し声が聞こえてきた。その集団は、おそらくプレイヤーメイドだろう見たことのない装備を身につけていた。


 ロミオっていったっけ……?たしか風見鶏のメンバーの一人だったはず。


「それにしても、このユニーク装備は大当たりだな!」

「うんうん、HPとMPとAPの上限値と回復速度が上がるんだもんね」

「然り然り」

「ん?……おい、おまえら」

「ドレイク、どうしたんだい?」

「アレ見ろ」


 やべ、こっち見てる!?いや、そうだよなぁ。全身黒ずくめのローブ着た5人組なんて目立つに決まってる。とはいえ、話しかけられるのは面倒だな……。


「……(コクン)」

「「「「……(コクン)」」」」


 逃げる!


「あ、逃げた」

「お――――…………」






~ エリアⅣ(山) ~


「ふぅ、どうやら追ってきてはいないみたいだな」

「じゃな」

「はぁ、はぁ……皆さん、速すぎ、です」


 サーヤさん?このゲーム、スタミナ無限なんですけど……なんで息切れしてるんですか?


「サーヤちゃんは体力なさ過ぎなのです!もっと鍛えないとダメなのですよ!」

「う、うるさい、です……」






























「あ、逃げた」

「おい待て!……っち、追うぞおまえら!」


 ――グイッ


「うおっ!?何すんだノエル!イベント逃すぞ!」

「……ドレイク、待った」

「どうしたのノエルちゃん?」

「……あいつら、の、装備」

「あぁ?装備がどうしたってんだ?」

「……普通の、ローブ、じゃない。……見たこと、ない」

「――!?……つまりノエルは、あいつらがNPCじゃなくてプレイヤーだって言いたいのかい?」

「……そう」

「そんなはずないわよ。私たちが初討伐なんだから、王都にいるプレイヤーは私たちだけでしょう?」

「……いや」

「……ドレイク?」

「初討伐しても、ワールドアナウンスを流さない方法はある」

「え、どうやって!?」

「クリア後にワールドアナウンスを流すか流さないかを選択できた」

「えっ、聞いてないわよ!?」

「ああ、言う必要がないと思ったからな。なにせ、流さなかったらユニーク装備が貰えないんだからなぁ」

「ユニーク装備が……なるほどねぇ」

「……あくまで、可能性。……あいつら、が、ユニーク、イベント、のカギの、可能性、ある」

「……ああ、でも――」


 ――もしプレイヤーだったら、おもしれぇなぁ




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