第52話〜教官〜
流れ始める出会いの風。
ノゾミ
「いきます!!」
ノゾミが突撃しようとした瞬間
マリー
「あ、ちょっと待って。」
ノゾミは急に止まったので転びそうになった。
マリー
「いい忘れてたけど、貴方達は闘う際武器を使ってもらって構わないわ。それと私が戦闘不能だと判断したら終了だから。」
一同
「わかりました。」
ノゾミ
「じゃあ今度こそ、・・いきます!!」
マリー
「武器は?」
ノゾミ
「使いません。」
マリー
「武器を使わないで私に一撃を与える、と?」
ノゾミ
「はい。」
マリー
「はぁ・・・私達教官も嘗められたものね。」
ノゾミ
「・・・・・」
マリー
「けど、私達教官は貴方達如きには負けはしない・・・・!!」
ゴォォォ!!
その瞬間マリー教官は一同を睨み付けた。
ノゾミ
「す、凄い殺気・・・でも!!」
ノゾミは臆する事なく突撃した。
シュバッ!!
ノゾミ
「はぁあ!!」
ノゾミは射程距離ぎりぎりまで走り一瞬でしゃがみ右足で足を払おうとした。
ブンッ!!
マリー
「ふふっ!!」
マリー教官は笑みを浮かべながらそれを上に飛びジャンプした。
バッ!!
ノゾミ
「そこっっ!!」
ノゾミはそれを読んでいたらしく即座に狙いを空中にかえ蹴り込んだ。
ブンッ!!
マリー
「甘いっ!!」
マリー教官は空中にもかかわらず体をひねりそれを躱した。
ノゾミ
「なっ・・・・!?」
マリー教官はその躱した足を空中で掴みあげ、綺麗に着地した。
マリー
「はい、貴方の負け。」
ノゾミは足を掴まれ宙ぶらりんになっている。
ノゾミ
「まだ闘えま・・―――」
ヒュッ!!
その瞬間はマリーの足がノゾミの顔の前で止まった。
マリー
「わかった?」
ノゾミはかなり悔しそうに言った。
ノゾミ
「はい・・・・」
マリー教官は手を離した。
ノゾミは渋々木の方に歩いていった。
マリー
「じゃあ次は・・・貴方かしら?」
マリー教官は千夜を指差した。
千夜はゆっくり立ち上がった。
千夜
「お願いします。」
千夜はマリー教官の前に移動した。
マリー
「武器はどうするの?」
千夜
「使いません。」
マリー
「さっきの子といい貴方といい教官は甘いもんじゃないわよ?」
マリー教官は少し千夜を睨んだ。
千夜
「わかっています。それでも使わずに勝ちたいんです。」
マリー
「・・・わかったわ。来なさい。」
千夜
「はい。」
千夜は少し後ろに下がり構えた。
千夜
「はぁっ!!」
シュバッ!!
千夜はノゾミと同様に真っ向から突撃した。
マリー
「・・・・・」
バッ!!
千夜は加速を付けマリー教官の上に飛んだ。
マリー教官は動かない。
千夜
「っあ!!!」
ブンッ!!
千夜は体を一回転させかかと落としを繰り出した。
マリー
「ふふっ・・・」
バシッ!!
マリー教官はいとも簡単に左腕一本で千夜の足を止め掴んだ。
千夜
「ふぉぉお!!!」
千夜は腹筋を使い体を前に起こし頭から攻撃を仕掛けた。
マリー
「はっ!!」
バシッ!!
マリー教官は千夜の頭を右腕で抑えた。
千夜
「ま、だまだ!!!」
ブンッ!!
千夜はがら空きの脇腹に左足で蹴り込んだ。
マリー
「ふふっ!!」
ドッ。
右腕の肘でそれを受けとめた。
千夜
「くっ・・・・」
マリー
「ふんっ!!」
ブンッッ!!
マリー教官は掴んでいた右足を外に投げた。
ドシャァ!!
千夜はそのまま体を地面に打ち付けた。
千夜
「ぐっ・・・」
マリー
「貴方も負けね。」
千夜は何も言わずに木の方へ歩いていった。
マリー
「じゃあ・・・次は、君!!」
マリー教官は体育座りをしている一人の少年を指差した。
少年
「ひっ!!」
少年は自分が呼ばれたことにかなり驚いているようだ。
その少年は髪は黒く、サラサラですべて下ろしている。前髪が他より長く鼻下辺りまであり顔はよくわからない。
マリー
「?どうした、早く来なさい。」
少年
「ひゃいっ!!?」
少年の声が裏返り一同は笑う。
少年は怯えながらマリー教官の前に来た。
マリー
「君は武器を使うの?」
少年
「あ、は、はぃ!!」
少年は慌てながらポケットから丸い宝石を一つ取り出した。
少年がその宝石を握ると、その手には剣の柄だけしかなかった。
マリー
「柄・・・だけ?」
マリー教官もさすがに唖然としている。
少年
「それと・・・」
少年はさらにポケットから赤い宝石を取出しそれを柄の穴の一つに差し込んだ。
ボォォォ!!
すると先程までなかった刀身が炎によって形成された。
一同
「おぉぉ・・・!!」
一同も驚いているようだ。
マリー
「な、何だ?それは・・・?」
どうやらマリー教官ですら知らないようだ。
少年はキョトンとしながら言った。
少年
「これは、昔に、お、お父さんが僕に作ってくれて・・・」
マリー
「名は?」
少年
「ヤオ=タマキと申します・・・」
マリー
「!!?、い、いや。そうじゃなくてそれの名前だ!!」
ヤオ
「これは合成剣(L.セイバー)って言います。」
マリー
「・・・・ヤオ君、君は合格だ。」
一同
「えぇぇ!!!???」
ヤオ
「ど、どうゆうことですか!?」
マリー教官は答えずに紙を取出し何かを書き始めた。
マリー
「ヤオ君、君は城に戻りこれを髭の教官に渡してきなさい、そしたら寮に案内してくれるわ?」
マリー教官は手紙をヤオに渡した。
ヤオ
「で、でも・・・」
マリー
「いいから行きなさい?」
ヤオ
「は、はい・・・」
ヤオはそう言うと城に向かい始めた。
一同
「マリー教官!!どうゆうことですか!?」
マリー
「声を揃えて言わなくても・・・、いい?言ったでしょ?教官からの特別推薦。あれだからよ。」
一同
「納得行きません!!」
マリー
「はぁ、ごちゃごちゃ言うのはおしまい!!再開するわよ!!」
一同はざわざわ話していたが無視した。
マリー
「それじゃ、次の人は・・・貴方!!」
マリー教官は一人の少女を指差した。
少女
「はいっ!!」
その少女は青髪で長くはないが後ろの髪を短いツインテールにしている。
少女はマリー教官の前まで行った。
マリー
「・・・使うの?」
少女
「はいっ!!」
少女はポケットから丸い宝石を取り出し、握るとその手には槍があった。
マリー
「・・・・貴方頑張り屋さんね?」
少女
「えっ!?」
マリー
「その槍かなり使われてるみたいだから。」
少女
「はいっ!!毎日ずっと使って練習してました!!」
マリー
「貴方の名前は?」
少女
「アメス=カーフルです!!」
マリー
「アメスちゃんね?それじゃやりましょうか。」
アメス
「はいっっ!!」
アメスは槍を右手で持ち構えた。
アメス
「たぁぁっ!!」
シュバッ!!
アメスは槍を突き出しながらかなりのスピードで突撃する。
アメス
「はっ!!」
ブンッ!!
アメスはマリー教官目がけて槍を突き出す。
マリー
「ふふっ・・・」
バッ!!
マリー教官はそれを右に躱した。
アメス
「だったら・・・・!!」
アメスはその勢いのまま右に急速回転し振り払った。
ブンッッッ!!!
マリー
「はっ!!」
バッ!!
マリー教官は驚きもせずに上に飛び躱した。
アメス
「つぁぁぁ!!!」
アメスはいきなり槍の矛先を自分の後ろに持っていき槍を両手で掴んだ。
アメス
「でぁぁぁ!!!」
ブンッッッッ!!!
アメスは剣のように縦振りで空中に浮かぶマリー教官を狙う。
マリー
「っ!!?」
マリー教官はそれに驚いた、が体を捻りなんとか躱し着地した。
アメス
「くっ・・・!?」
マリー
「はっ!!」
バコンッッ!!
マリー教官はアメスの槍を横から蹴り飛ばしアメスも一緒に吹き飛んだ。
アメス
「きゃあ!!?」
マリー教官は力を入れすぎたようだ。
マリー
「しまった!!つい力が・・―――」
アメスは木に直撃する瞬間ある二人がアメスを受けとめた。
ドカッ!!
アメス
「痛たたた・・・あれ?」
千夜
「痛いのはこっちよ!!」
ノゾミ
「それより早くどいて!!」
アメスは二人に受けとめられていた。
アメスはすぐにどいた。
アメス
「あ、ありがと!!」
千夜とノゾミは立ち上がった。
千夜
「偶然だから。」
ノゾミ
「偶然よ?」
その時三人のところにマリー教官が来た。
マリー
「すまないな、二人共。」
千夜
「偶然。」
ノゾミ
「偶然です。」
アメス
「・・・あのぉあたしは・・・ダメでしたよね?」
マリー
「まぁな、だがいい線だった。」
マリー教官は元の場所に戻り次の相手を選んでいた。
三人はそのままそこに座った。
アメス
「あ、あたしアメスって言うんだけどあなた達は?」
千夜
「千夜。」
ノゾミ
「ノゾミ。」
アメス
「さっきはありがと!」
千夜&ノゾミ
「「だから!!偶然よ!!」」
彼女との出会いが二人の運命を大きく変えることになる。
第53話へつづく
風はやがて彼らの運命を揺るがすものへと繋がる。




