第43話〜行方〜
向かう先に。
昨日の話、
なんかいろいろあり過ぎてよくわからなかった。
でも、
俺はそのつらい過去を自分から話してくれたノゾミ。
俺だったら思い出したくもないような事を教えてくれた、
ノゾミを少し、
少しだけだけど理解できた気がする・・・
俊也
「・・・・・・ん・・」
俊也は窓から差し込む朝日で目が覚めた。
俊也は寝呆け眼で部屋を見渡すと、刃界とノゾミの姿が見えなかった。
俊也が立ち上がろうとした瞬間
千夜
「あいつらは、ちょっと用があるんだって。ちゃんと戻るから安心しろ。」
俊也に背を向けて寝ながら千夜は言った。
俊也
「そうか・・・・」
俊也はゆっくり立ち上がり窓の外を見ていた。
俊也
「いい天気だな?」
千夜は体を窓の方に向けた。
千夜
「・・・そだな。」
俊也
「なぁ・・・・?」
千夜
「あ?」
俊也
「・・・千夜は、まだ復讐したいとか考えてるのか?」
千夜はしばらく黙ってから答えた。
千夜
「・・・・わからない。」
俊也
「え・・・?」
千夜
「・・・どうすることが正しいのか、間違ってるのか・・・わからないんだ。」
俊也
「・・・じゃあさ、しばらく置いとくのはどうだ?」
千夜
「え?」
俊也
「その・・・どうするこてが正しくて間違ってるかってことがわかる時まで・・・保留にしとくみたいな?」
千夜
「・・・もし、その時がこなかったら?」
俊也
「また考える。もしとか考えないでわかるまで。」
千夜
「無茶苦茶だ・・・・」
俊也
「まぁそうだな。」
千夜
「・・・・わかった。」
俊也
「え??」
千夜
「ガキを信じて、わかる時まで待つ。そのかわりわかんなかったら責任とれよな?」
俊也
「あぁ、なんだってしてやるよ。」
千夜
「本当だな?」
俊也
「男に二言はない。」
千夜
「けっ、ガキが格好付けてんじゃねぇよ。」
俊也
「ははっ、そうかもな?」
千夜
「・・・・お前、なんか変わったな?」
俊也
「そうか?」
千夜
「最初に会った時とは覚悟が違う・・・気がする。」
俊也
「なんだよ、気がするって!!言い切ってくれたっていいのに・・・」
千夜
「駄々捏ねるなんてやっぱガキだな?」
俊也
「う、うるせぇ!!」
千夜
「ふっ。」
千夜は布団から出て立ち上がった。
千夜
「よっ、と。ちょっくら散歩してくるわ。」
俊也
「・・・俺も一緒に行っていいか?」
千夜
「いやだね。」
俊也
「力づくでも行く。」
千夜
「はぁ・・・んでだよ?」
俊也
「う〜ん・・・・」
千夜
「ノゾミがいなくて寂しいか?ガキ。」
俊也
「んなわけあるかっっ!!」
千夜
「じゃあ何だよ、言ってみろ?」
俊也
「だー!!もう、いい!!一人で行く!!」
千夜
「ったくしゃあねぇな。一緒に行ってやるよ、特別にな。喜べガキ。」
俊也
「誰が喜ぶか!!このチビ!!」
俊也はその言葉だけは言ってはならなかったことに言い終わってから気付いた。
千夜
「チ、ビ??」
千夜のボルテージが上がっていく。
俊也
「い、いや!?い、今のは言葉のあ・・―――」
千夜
「死んで詫びろぉぉ!!」
ドカッッ!!!
俊也
「は!?はぅぅ・・・!?」
千夜がどこを蹴ったかは言うまでもない。
俊也は押さえながら膝を付く。
ドサッ。
千夜
「言ったわよね?今度言ったらどうなるかって。忘れたとは言わせない。」
俊也
「い、いやぁ・・・・だ、か、ら・・・わるかっ・・―――」
千夜
「さぁて・・・何してやろうかしらぁ・・・」
千夜は肩や手、足の間接をポキポキ鳴らしながら近づく。
俊也
「ま、待て・・・は、やまるな・・・話せばわかっ・・――――」
ドスッ!!バキバキッ!!・・・ボコッ!!カンカンッ!!ベキッ!!・・・ゴキュゴキュ!!ドドドドッッ!!・・・・
パンパンッ・・・
千夜は手をはたいた。
千夜
「ふぅ、今日はこのくらいで許してあげるわ?」
俊也がどんなひどい事をされたかは言うまでもなくボッコボコのケチョンケチョンにされたとだけ言っておきます。
俊也
「ぅ・・・ぁ・・・・ぃ。」
俊也は力尽きた。
ドサッ。
千夜
「さっ、早く散歩行くわよ?立ちなさい。」
俊也は悶絶していて立つことなどできるはずがない。
千夜
「はぁ、だっらしないわねぇ〜、男だろーが!!立て。」
俊也は半ば強制的に起き上がらされた。
俊也
「うぅ・・・・痛い・・」
千夜
「泣き言いうな、ガキ。」
俊也は思った。
こいつ・・・絶対Sだ。
千夜
「あぁ?なんか言いたいことでも?」
俊也
「な、何でもありません!!!?」
俊也は背筋をビシッとした。
千夜
「??急に元気になったな・・・まぁいいけど。」
俊也
「あ、あはは〜・・・・」
お、恐るべし。千夜の勘。
千夜
「じゃ、行くわよ?ガキ。」
そう言うと千夜は部屋を出た。
ガチャ、バタン。
俊也は少し間を置き千夜の後を追った。
ガチャ、バタン。
二人は宿を出て大通りを歩いていた。
千夜
「・・・・・・」
俊也
「あ、あのぉ・・・?どこに行くんですか?」
千夜
「散歩に目的地があったら散歩とは言わない。」
俊也
「そ、そうですね・・あはは・・・」
千夜
「ガキ、さっきから敬語使いやがって、気持ち悪いからやめろ。」
俊也
「は・・、あ、あぁ。」
二人は一つの出店のおっちゃんに声を掛けられた。
おっちゃん
「へいっ!!そこのカップル!!ちょっと見ていきんなさいや!!」
二人はある言葉に激しく反応した。
俊也&千夜
「「だぁれがカップルだぁ!!??」」
さすがのおっちゃんも驚いていた。
何がさすがなのかもわからないが・・・
おっちゃん
「いやぁ・・・それは失礼したねぇ、悪気はなかったんだぁ・・・」
俊也
「い、いや、分かってくれればいいんです。」
千夜
「今度ふざけたことぬかしたらただじゃおかねぇ・・・」
俊也
「千夜!!言いすぎ・・・」
おっちゃん
「すんませんなぁ・・・お詫びといったら何ですが、どれかお一人お一つ半額で売らせてもらっても?」
俊也
「と、いうかこの店何の店何ですか?」
おっちゃん
「見ての通り、いろんなルートから手に入れたレアアクセサリーでっせ!?」
その出店には見たこともない(俊也にとっては当たり前なのだが・・)いかにも高級そうなものが紫の布の上にたくさん並べてあった。
俊也
「と言われてもなぁ?ち・・よ?」
千夜は既に商品を見ていた。
千夜
「何か言ったか?ガキ。」
俊也
「何も・・・・」
俊也も仕方なく並べてある商品を眺めることにした。(だって何なのか一つずつ聞くなんて恥ずかしいですから・・・)
すると千夜は何かを見つけたようだ。
千夜
「おっちゃん。これは?」
千夜が指差したのは翼の形をした赤銀のアクセサリーだった。
おっちゃん
「あぁ、それはねぇ、これと一緒に発掘されたものでなぁ・・・」
おっちゃんは後ろから翼の形をした青銀のアクセサリーを赤銀のアクセサリーの横に左右対称になるように置いた。
俊也
「発掘ってどうゆうことですか?」
おっちゃん
「いやね?ここらの砂漠にはまだ見つかってない遺跡がわんさかあってね?その一つの遺跡の奥にあったんだよ。」
俊也
「遺跡かぁ・・・行ってみたいなぁ・・・」
千夜
「で、なんのアクセサリーなのかはわかったのか?」
おっちゃん
「さぁ・・?私にもわからないねぇ。使い方がわからないから。」
千夜
「・・・・じゃ、これ頂戴?二つセットで。」
おっちゃん
「お客さん、半額になるのはお一つですよ?」
千夜は俊也を指差しながら言った。
千夜
「こいつの分を使えば問題はない。」
俊也
「はぃ?」
おっちゃん
「いいのかい?お兄さん。」
俊也
「ちょっ、まっ・・―――」
千夜
「いいわよね?さっきの事、許してあげるわ?」
俊也は即答した。
俊也
「どうぞ、お使い下さい。」
千夜
「ってことで値段は三分の一ね?」
おっちゃん
「お客さん・・それはちょっ・・―――」
その時俊也がおっちゃんに小声で言った。
俊也
「(命を無駄にしたくないなら、売った方が身のためですよ?こいつ殺し屋も同然なくらいだから・・・)」
千夜
「ガキ。なんか言った?」
俊也
「何も?」
おっちゃんは観念したようだ。
おっちゃん
「嬢ちゃん、あんたには負けたよ・・・これはあんたにやるよ。」
おっちゃんは二つのアクセサリーを千夜に渡した。
千夜
「あら、いいの?」
おっちゃん
「あ、あぁ・・・」
俊也はおっちゃんを助けるように言った。
俊也
「じゃ、行きますか。千夜」
千夜
「そうね。じゃあね、おじちゃん。また来るわ?」
千夜は手を振りながら歩きだした。
俊也
「(おっちゃん、俺が来させませんから安心してください。)」
俊也はそう言い残し小走りで千夜の後を追った。
その翌日、その店がなくなっていたことは知る由もなかった。
第44話へつづく
世界は続く。




