表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法不能障害者による相談室〜共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致、それが私の魔法です〜  作者: ねこみんご


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/2

Prologue

「先生!見ててね!私、やり切る!」


遥か頭上、少女が柵を乗り越え建物の淵に立っている。

やめろ、早まるな、周囲の人が声を飛ばすなか、肝心の自分は喉が震え、痛み、声が出ない。


体育館から持ってきたであろうマットや、保健室から持ってきたであろう毛布などが地面に積まれていく。

積んでいる者たちもみな、それがほとんど意味をなさないであろうと思っている。それでも積んでいくのは祈りのようなものだった。


昨日、部屋に来た彼女は私になんと言っただろうか。どれもこれも明るい言葉だったはずだ。


彼女が一歩踏み出す。周囲が叫びを上げる。自由落下。


私の足は動いていた。

彼女の方へ、走り出した。

目の前に黒い塊が落ちてきた。




── ── ──


ドンっと、体に強い衝撃が走る。


「がはっ、はぁっ、はぁ」


涙でぼやけている視界の中、顔を上げると全身鏡に己が写し出されていた。


「……誰?」


金色の髪、青い目、薄い緑のワンピース。

首元についた縄状の赤あざだけが浮いていた。


やっと定まってきた視界で周囲を見渡す。


「……ここは──」



── ── ──


ロイト王国、ここには魔法が存在する。

魔法の使われ方は多種多様で、魔物と呼ばせる生物の攻撃、物の創造そして破壊、そして人の回復など多岐にわたる。


国民の90%以上が魔法を使うため、魔法が使えない残り10%のものは、魔法不能障害として障害者に分類されている。


魔法不能障害の者が就ける仕事は限られており、多くの場合は工場などの単純作業に就く。言い換えれば、この国の要職は魔法を使える者だけが就くことができる。


スピカ・スタキスは、魔法不能障害者の一人だ。

彼女は王国の中心を離れた農村に暮らしている。


彼女の家は小さな2階建で、一階の奥の部屋を使って仕事をしている。

部屋は白を基調とした小さなものだ。

部屋の奥には真四角の机と椅子が2脚。これもまた白っぽい塗料が塗られている。

その横には細い観葉植物の鉢が置かれている。


この部屋の特徴は、今挙げたこれらではない。

扉側の壁に置かれた収納。

そこには、さまざまな種類の小さな人形や動物、植物などのおもちゃがある。そして、その横の箱には、さらさらとした大きめの粒の砂が入っていた。


9:55。スピカは表の扉の鍵を開け、看板をひっくり返した。


『相談屋 1時間80レンタ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ