勇剣漫才 十一作目 いけるはず
そろそろ日本になれ始めた二人
先に居住を決めた伝説の剣に
果たして勇者は続けるのだろうか?
幕が上がると二人して中央で寝転がっている。
剣「殺人現場ではありません」
勇「なんで寝て登場なん?」
剣「ここからなんか生まれないかなって…」
勇「…動けるのは俺だけだけどな!!」
剣「じゃあ立とうか」
勇者は一人で立ち上がった。
勇「は~い相性わるいーず、勇者右利きでーす。」
剣は転がったままだ…
剣「俺立ってないよ~」
勇「…今日は一人みたいですけど何とか頑張りまーす。」
勇者は右足で剣の真ん中あたりをギリギリと踏みつけた。
勇「日本に移住してソロソロ、一人で色々いけるはずって思います。」
その次の瞬間、剣がまばゆい光を放ち勇者を吹き飛ばした。
剣「フッフッフッ俺には力がある。今こそこの力で貴様を葬ってやろう!」
宙に浮いた状態で、剣がイキっている。
勇「どうやって」
剣「俺をその手にし!!自らを切り裂くのだ!!!」
勇「しねー、それにその形式なら、力に目覚めてなくてもいいじゃねーか」
剣「ああ、まさに盲点!!」
勇「あのな、剣が自分で動いて人を襲ったらモンスターだからな」
剣「…堕ちるのって簡単よね」
勇「なぜ急におんな言葉?」
剣「どうもレフトハンドソードでーす。ところで一人で行けるってどういうことだ?」
勇「俺たちの世界に、金とか宝石ってあっただろ?」
剣「ああ、そうだね」
勇「あれを仲良くなった女と協力して、日本のお金に変えてドーンよ」
剣「それなら相当な金持ちってことじゃない?」
勇「そうでしょ?でも問題はある。」
剣「契約が絡むことが出来ない」
勇「そう!その通り!!」
剣「伊達に日本は見てないぜ!!」
勇「それで現金一括ならいけるかな~って、家を探したんだけど」
剣「だけど?」
勇「契約が必要だった…」
剣「全然いけてねぇ」
勇「現金だけで買える家を探したが…」
剣「探したが…」
勇「買えたのは段ボールだけ」
剣「それ家じゃな~~い!」
勇「それを公園に組み立てて勝手に住むしかなかった…」
剣「野営と永住のコラボレーション!?」
勇「雨が降って全部駄目になった!!」
剣「ブルーシートがないせいでブルーに!!」
勇「俺は雨に打たれながら女の子の家に転がり込んだ…」
剣「黒王子と呼ばれてただけはある!」
勇「女の子は俺と山分けした金で他の男と豪遊していた。」
剣「ああ、お金が人を変える典型」
勇「でも俺は泣かなかった!!」
剣「伝説の勇者のプライド!!」
勇「コレなんか逆じゃね?あと語呂が微妙」
剣「それなら俺の方がいけるはず」
勇「少年の家に入り浸ってるだけだろ?」
剣「俺は少年の教育係となって収入を得ている。」
勇「物質がなにを教育する?」
剣「剣を教えてる」
勇「お前、剣術全然できないだろ!」
剣「世界の剣、剣には色々な種類があります。」
勇「剣の種類を教えてた!?」
剣「ソウソウ ケッキョク シンナルケンハ オリハルコンダヨー」
勇「片言で棒読み!!」
剣「そして素振りをさせてその場を凌いだ!!」
勇「やっぱり剣術わかってない!」
剣「勇者たちに好きに振られているだけでは何も身につかなかった。」
勇「冷凍マグロ並みの受け身!!」
剣「それでも俺は出来ませんと言えなかった!」
勇「伝説の剣のプライド!」
剣「私は少年にこれから言った。」
勇「これから?」
剣「おっけーグルグル、タケぴ~に電話して」
柄にかけたスマホが反応する。トルルルルル…
剣「あっタケぴー?俺、今平気?」
勇「ちょッッ!なにしてんの?」
剣「うんうん、大丈夫、マジの魔王倒した奴が知り合いにいるから…」
勇「ん?俺のコト?」
剣「そうそう、そいつも住むことなくてこまってんだ~」
勇「何する気だ」
剣「えっいいよ、犬も人間も同じ命だよ?」
勇「なにか道徳でもといてるのか?」
剣「犬が使ってたところで十分だよ♪うんじゃ~ね~」
勇「当たるタイプの嫌な予感」
剣が電話を切った。
剣「…」
勇「…」
剣「人間だからワンワンくらい言えるよね?」
勇「言えるかぁぁぁぁぁぁぁぃいい!!!」
剣「俺は勇者の就職を決めた!」
勇「それ就職ですかぁぁぁぁ!!!?」
剣「せ~のワンワン♪」
勇「ワンワンじゃねぇ!」
剣「あ~、じゃねぇじゃねぇよ!!」
勇「俺ひょっとして犬のスペースに住むのか?」
剣「命はどんな生物でも同じ!!」
勇「物質的平等感覚!!」
剣「ともかく剣術を教えてやってくれ!!」
勇「あの~、俺ってスキルと絡め手で戦うタイプだから」
剣「うん」
勇「剣術できませーん」
剣「ああ!!ペットにしかならない!!!!」
二人「どうもありがとうございました~」




