4.修道女ララ、信仰の盾
ララが12歳の誕生日を迎える頃、チュディ医師は彼女の次の進路について、公に相談を始めた。彼女自身もまた、「神への奉仕」を望んだ。
「神の慈悲によって救われた身です。母の罪を償うため、そして、私と同じように苦しむ人々のために、残りの人生を捧げたい」
この献身的な願いは、グラールス社会全体に感動をもって迎えられた。魔女の娘が聖女への道を歩むことは、社会の道徳的な勝利であり、チュディ医師の功績として大いに称えられた。こうしてララは、修道院の静謐な壁の中にその身を置くこととなった。
修道院でのララの献身は、誰もが認めるところだった。彼女は常に静かで謙虚であり、院内の薬草園での作業に最も熱心に取り組んだ。彼女の知識欲は尽きず、院長は彼女に古い文書の管理を任せた。
14歳を過ぎた頃、ララは信者たちの懺悔を聞く補佐役を任されるようになった。
人々は、修道女ララの前に座ると、重い罪や、心に秘めた不安、欲望、そして他者への憎悪を打ち明けた。貧困への不満、権力者への嫉妬、家庭内の不和。彼女はただ静かに、瞳に深い共感を浮かべながら耳を傾けた。
この時期、グラールスの情勢はさらに不安定になった。貧富の差は広がり、人々は「何か大きな変化」を予感していた。
19歳になる頃、修道女ララのカリスマは完璧なものとなっていた。彼女は、母アンナ・ゲルディを処刑した社会の最上層部(チュディ医師や有力者たち)から「聖なる娘」として庇護され、社会の最下層部(貧しい信者たち)からは「救いの光」として慕われていた。
彼女の表情は常に穏やかで、その目は常に人々の苦しみに向けられていた。




