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君は花のように  作者: 恋華


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01.小国の運命

アルガナントは小国であるが為に強い男児を当主にして強い血を残していかなければならない。跡継ぎも男が絶対である。唯一の魔法を使える人間が生まれる国で男の魔法持ちはそれはそれは大事に育てられる。貧しい家に生まれた魔法持ちの男は子に恵まれない貴族の家に売られるか一番の稼ぎ頭になる。一方で女はとても身分が低く女の魔法持ちでも売られることが多く、魔法持ちではない女はもっと酷い仕打ちを受ける。貴族の魔法持ちの女でさえいじめを受けるのだ。それは主に家族からが多い。


「お前はいつもいつも笑っているな、何がそんなに可笑しい?腹が立つ!!」


今日も私を責め立てる兄達。生まれてからずっと私の長男は当主になるべく厳しく教育されていて、その行き場のないストレスを私にぶつけていた。私がいつもニコニコとしているのが気に食わないらしい。母に兄達の機嫌を損ねるといけないから笑顔でいなさいと言いつけられたのでしている訳だが、ストレスを抱えた兄達にはどんな表情も通用することはない。


「お許しください、お兄様」


心ない謝罪。どんなに心を込めたって届かないのだ。兄達はさらに怒った様子で私を殴りつけた。鼻血が出た。そして口の中に血の味が広がった。


「兄上、あんまり殴ると父上に怒られます。縁談が破談になればモラレス家が潰れます」


と次男のハワードは言う。ハワードの言う通りモラレス家は今経営難に陥っている。そんな時に縁談の話がきた。お金の援助をする代わりに魔法持ちの血を一族に入れたいという。モラレス家にとって危機を脱出できる唯一の手段だ。


「魔法持ちは治癒力も早いから問題ない。全く宝の持ち腐れにも程がある」


まるで千切れてうねうね動くトカゲの尻尾を見るかのような目で見下ろして長男のエドワードは廊下を後にする。それに続くようにハワードが去っていった。魔法持ちは普通の人間より身体能力も治癒力も高い。妹よりも身体能力が劣っていると考えたら嫉妬せずにはいられないのだろう。誰も居なくなったと分かると


「痛い……クソ」


と思わず汚い言葉を吐き捨てる。殴られたところをそっと撫でてため息を吐く。結婚してもどうせ罵られ暴力を振るわれて暮らすんだろうなと考えるとうんざりした。家出しようとも思ったがアルガナントは魔法持ちを狙った人攫いが多い。魔法の勉強は逆らうといけないからとろくにできていない。そんな状態で家出したとしてもきっと人攫いに遭い人間の尊厳さえ奪われてしまうかもしれない環境で死んでしまうかもしれないと思いとどまった。


「リア……?」


悔しくて床に当たっているとか細い声が私を呼んだ。聞かれてしまったと焦る私は勢いよく声のする方向に振り向いた。

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