表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第3章 聖王国脱出
95/129

15 そこに頭があったから

明日の投稿はお休みします。

次回投稿予定日は27日です。


「委員長、馬で駆けて来る人は僕が馬を狙うから、委員長が人を狙って」


 まずは足を潰しておきたい。2対1だからって卑怯なんていわないでね。


「分かったわ」


 委員長は蛇腹剣を鞭モードに変化させる。おそらくはあのユニークスキルで防がれるだろうけど、スキルの能力を探るにはちょうど良いだろう。


 駆けて来る馬を見て、僕がまず魔法を撃つ。


「ファイヤーランス!」


 馬を目掛けて炎の槍が飛んでいくが、光る盾により防がれる。光る盾は消えることなく馬の動きに合わせ馬を守るために馬の前に展開している。

 僕のと違って自由に動かせるんだね。まさに盾といったところか。

 彼女の周りに浮いている数十枚の光る盾も、彼女の動きに合わせ、彼女を守るように展開されている。

 数は30といったところかな? でもこれが全部とは限らないけど、形状は全て推定10センチの正方形、これも大きさや形状を変えられる変えられるかもしれない。

 あとは硬度、かなりの硬度みたいだけど、槍1つ壊して計ってみるかな。


 僕達と馬女との距離は残り50メートル。そのまま駆けて来るか、それとも止まるかは知らないけど、僕の攻撃範囲内に入り次第突く。


 残り40、30、20、10……ここだ!!


 馬女が馬を止めた瞬間僕は低い姿勢で飛び込み突きを仕掛ける。


「私の――」


 馬女が何かを言おうとした様だが関係ない、ただ馬を潰すのみ。僕が動くと同時に委員長の蛇腹剣が馬女を襲う。


「ちょっ!」


 僕の突きは光る盾に阻まれた。しかしこれは予定通りでフェイントを1つ入れると、本命の突きを穿つ。

 委員長の蛇腹剣が馬女の側面から打ちつけると、光る盾に阻まれる。しかしそのまま巻きついていくが、光る盾がそれも妨げる。ただし、巻きついたことにより、視界を妨げた。


「はぁ!」


 僕が槍を馬を狙い穿つと、光る盾が大量に現れ槍の穂先にぶつかると、槍が壊れた。

 委員長が蛇腹剣を引き戻し、剣モードに変える。


「数は今のところ60ほど、硬度は()()()かな、大きさ形状、変わらずだね」


 折れた槍をインベントリに放り込むと、新しい槍を取り出す。


「数もだけど、小さな盾を自在に動かせるのも厄介よね」


 これでもっと大きければ手の打ちようがなかったかもね。あとは効果範囲も知りたいとこだけど、今日は無理かもね。


「あの、私のはな――」


「委員長は向こうをお願いできる? 僕は馬女を足止めをするよ」


「馬女というのは私――」


 この女が広域魔法を止めたのなら、僕がこの女を止めておけば委員長が自由に広域魔法を撃つことができるだろう。


「分かったわ、でも適度に暴れたら撤退するわよ」


「おーけー」


「聞いて下さい!」


 委員長は馬女をそのままスルーして、走って行ってしまった。

 その姿を見た馬女が何故か泣きそうな顔をしている……。

 何この人、急に叫びだしたり、泣きそうな顔をしたりちょっと変……。


「さてと、馬女さんの相手は僕がするから」


 防御が堅い相手って苦手だね。でも今回は委員長の時間稼ぎをするだけだからゆっくりさせてもらおうかな。


「馬女というのは私のことでしょうか? そうなんですよね? 私は馬に乗ってはいますけど、いつも乗っている訳ではないのですよ」


 何を言い出すのだろう。そんなことはどうでもいいんだけど。こちらとしては時間稼ぎが目的なんだけど、意味不明すぎてなんか怖いね。関わりたくないな……。


「関わりたくないな……」


 僕がため息をつくと、なぜか馬女がショックを受けた顔をしている。


「私、あなたに何かしましたでしょうか? トーカ・ハツミヤ……」


 名前を覚えられているんだけど、初対面だよね……。顔をよく見ても記憶にない。これだけ綺麗な金髪で美人さんなら忘れるわけがないんだけど。もしかしてこの人、ストーカーの一味かも。動きもなかなかいいし、可能性が高いよね。

 離れた場所で委員長が魔法を撃ちまくっている。僕もあっちにすれば良かったかも……。


「なにか……ねえ、はっきり言ってストーカーは迷惑です! だから止めてください!」


「ス、ストーカー?」


 あー、ストーカーという言葉がないのかも。


「付きまとうなと言っているんだよ。この馬女が!」


 凄いショックを受けた顔をしているね。なんか罪悪感が出てくるんだけど……。


「う、馬女……」


 馬女が落ち込んでる。どうしよう、戦う雰囲気でなくなってきているんだけど。

 いっそのこと、馬女を放置して委員長の手伝いに行こうかな。うん、ありだね。


「じゃあ今後僕達をつけたりしないようにね」


 さり気なくその場を立ち去り、委員長の手伝いに行く。

 なんだろうね、このしまらない感じは……。


「……分かりました。……ってちょっと待ってください! 私はあなた達を捕まえに来たのです!」


 委員長が戦っている場所を外して魔法を撃つ。


「ファイヤーランス!」


 炎の槍が飛んで行くが、光る盾が炎の槍の前まで飛んで行きぶつかり消滅する。


「付きまとうだけでは飽きたらず、僕達を捕まえる気なんだ。僕達を捕まえてナニをするつもりだよ、この変態馬女!」


「へ、変態!? 馬だけではなく変態って、私は変態などではありません!」


 本当に邪魔だね、この馬女。戦っても時間がかかるし、相手にしないのが一番なんだよね。

 走って敵の中に飛び込もうとするが光る盾が進路に並ぶ。一番気をつけないといけないのが、あの盾に捕まえられることだろうね。テレポート以外の逃げ方ができなくなる。

 光る盾を避け、ひたすら走る。馬女も僕を捕らえようと馬に乗って駆けて来る。

 走りながら、委員長との距離を離していく。


「人を捕まえるなんてとんだ悪人だよね。僕が正義の鉄槌を下してあげるよ!」


「悪人!? 私が? 私は神の御心のままに行動しているのみです。あなたに悪人と呼ばれる筋合いはありません!」


 神の御心? 馬鹿なのかなこの馬女、鹿もつける必要が出てきたよ。


「強欲な教会の犬風情が何をほざいているのかな、教会は迷宮コアを奪いたいだけだろ!」


「迷宮コア!? そんなの私は聞いていません! あなた達が間違った行いをしているので正す必要があるだけです」


 踊らされているお馬鹿さんなんだ。間違った行いね……心当たりがありすぎて困る。


「無知な馬鹿女は引っ込んでくれないかな。いい加減、邪魔なんだよ!」


 委員長との距離はだいぶ離した。この辺りでいいだろう。


「ば、馬鹿女!? いい加減、私を名前で呼んで下さい!」


 名前? 聞いてないよね? 興味もないし……。


「知らないし、馬鹿女で通じるから問題ないよ」


 さてと、ど派手にやりましょうか。


「あっ、言ってませんでしたね。私の名前はベ――」


 インベントリから迷宮コアの杖を取り出すと、地面に向ける。


「エクスプロージョン!!!」


 撃つと同時に障壁を足場にしてできるだけ高く跳ぶ。そして魔力の塊が地面に当たると同時に障壁の中に隠れる。


「――なっ!」


 魔力の塊が地面にぶつかり大爆発を起こす。その大爆発は軍隊の大半を吹き飛ばしていく。

 委員長が巻き込まれていないといいけど……。人が飛ばされていくのを見ながら、きっと後で怒られるんだろうなと他人事のように考える。


 爆煙がなくなると大きなクレーターが真っ先に目に付いた。そしてその中に、光る盾に守られ伏せているのか倒れているのか、馬鹿女がうつ伏せになっている。馬は吹き飛んだようだ。

 死んだかな? 僕も死者を冒涜したくないので、頭を上から踏みつけてやる。


「ど、どうして私の頭を踏もうとするのですか……」


「そこに頭があったから」


 僕の足と馬鹿女の頭の間に光る盾がある。本当に邪魔な盾だ。


いつもお読み頂きありがとうございます。


よろしければ『ブックマーク』『評価』をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ