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僕が主人公じゃないの!?  作者: 阿兼 加門
第1章 主人公を求めて
29/129

29 忘れてました

本日2話投稿。

2話目18時


 108階層

 ちょっとがっかり系の魔物は食傷気味なので普通の魔物希望中です。と期待せずにいたらワニでした。

 あれ? 意外とまともだよね。


「ワニだよワニ、期待できそうじゃない?」


「魔物に期待してどうするのよ」


 え? 僕が変なの? 委員長も時々がっかりしてたよね?


「怖そうな顔ですよね」


 だよね、ワニは凶暴だし実際強いからね。前はあの強靭な顎で噛み千切り、後ろは尻尾で叩いてくる、隙がない相手だ。


「さあ、強敵との戦いだ!」


「水中ならともかく、陸上のワニの移動速度はそこまで速くないから足を止めさえすればただの的でしかないわ」


 委員長が蛇腹剣を鞭形態でワニの前足を斬りつける。痛がって止まったワニに対し天沢がサンダーランスの魔法を撃った。


「倒せました?」


 ワニが動かなくなった。


「……動いてないね」


「倒したわ、こうすれば安全に倒すことができるわね」


 おかしいな、この調子だとボスも弱いパターンなんだけど……。


「サンダーランスだけでも倒せませんか?」


「倒せそうだよね」


 弱そうだし……。


「ええ、でも魔法に頼りすぎると近接戦闘が疎かになりそうだから」


 僕と委員長は魔法も使えるけれど、メインは近接戦だしね。


「あ、そうですね、私もたまには杖で倒したりしたほうがいいんでしょうか?」


 天沢が撲殺……。


「天沢はイメージが悪くなるから止めておいたほうがいいと思うよ」


「顔に返り血なんて付いていたらきっとみんな引くと思うわ」


 それは引くわー。


「じゃあ私も桜庭さんみたいな剣を使うとかどうですか?」


 え? 蛇腹剣? これで天沢が戦うの?

 意外と似合うかも、でも蛇腹剣なんて扱いづらくて無理でしょ。


「委員長の剣は使うのが難しいから普通は使わないよ、僕も使おうとは思わなかったし」


「私の場合はユニークスキルがあるから使えるけれど、普通は危なくて使えないわよ」


 うっかり自分で自分を切ってしまいそうだしね。


「そうなんですね、私も近接武器が使えたらと思ったのですが」


 このパーティーにいる限り、天沢が使える必要はないよね。


「天沢の場合、近接よりも魔法の属性や数を増やしたほうがいいんじゃないかな?」


 3人とも前衛とかバランス悪いから。


「天沢さんが後ろにいてくれるからこそ、私達は前にも後ろにも自由に動けるのよ。天沢さんが前にきたらどうしたらいいか分からなくなるわ」


 そのときは僕が自動的に後衛をやらされそう、スキル的には間違った配置だよね。


「わかりました、後ろから2人を支えられるように魔法も色々覚えていきますね」


 一件落着といったところでちょうどボスにたどり着いた。

 ボスもワニでくるかと思いきや亀が出てきた。

 ただ大きいだけの亀とかまた期待外れ感がするのだけど。


「委員長は足を、僕と天沢が魔法で攻撃するよ」


「「はい」」


 委員長が振るった蛇腹剣が亀の足を切り裂くかと思いきや、亀はスッと前足を甲羅の中に引っ込めてしまった。

 まさか外した!? でも引っ込めたのなら動けないだろうし魔法を放つ。


「「サンダーランス!」」


 雷の槍が甲羅に突き刺さる。が、平然と前足を甲羅から出して近づいてくる。

 魔法が効いていない?

 委員長がもう一度前足を狙い攻撃するが、また前足を引っ込めて攻撃が当たらない。


 亀が頭と後ろ足を引っ込めると、そのまま跳んできた。

 すばやく射線上に障壁を展開し、突進を止める。

 落ちたところに3人で魔法を放つ。


「「「サンダーランス!」」」


 雷の槍が甲羅に突き刺さる。

 亀が落ちるとドスンと大きな音が響いた。

 甲羅から頭と足を出して前に進もうとするが、障壁を張り進めなくする。


 まだピンピンしてるね、甲羅から頭を出してるときに首を斬るのが確実な倒し方だろうね。

 駆け出すと同時に障壁を解除し首を目掛けて剣を振り下ろす。が首を引っ込められ空振りしてしまう。


 反応良過ぎ、まさか避けられるとは。

 足を引っ込めたので障壁を張り下がると、障壁に突進してきた。ガーンと衝突の音が鳴ると同時に障壁を解除し、亀の甲羅の上に乗る。

 亀が様子を見ようと頭を出した瞬間にその首を斬り落とした。 


「いやーなかなか強かったねー」


 魔物にここまで苦労したのって初めてだよね。


「防御の堅さと回避能力の反応の良さが秀逸だったわよね、ここまで攻撃を外されるなんて驚いたわ」


「魔法も効いてませんでしたね、タイミングをずらせばよかったのかもしれませんね」


「今までは合わせて撃てば倒せてたからついタイミングが合うんだよね」


「防御能力の高い相手は敵に回すとやっかいよね」


 でも防御能力という意味ではこちらのほうが上だったね。


「でもユニークスキルの貫通攻撃ってありましたよね、あれでしたら甲羅に引っ込まれていてもなんとかなりそうですが?」


 ……あれ? そういえばそんなスキルあったような。


「け、結果オーライ?」


「まあいいわ、私達の場合は一部のスキルと魔法だけでなんとかなることが多かっただけに使わないスキルや魔法のことをどうしても意識しなくなるのもね、天沢さんも気がついたらどんどん言って頂戴」


 それは言えてる、ステータスの高さと絶対防御の便利さで大体の魔物は倒せるから、戦術とかもあまり必要ではなかったもんね。


「はい、私も使ったことのない魔法もどんどん使ってみたほうがいいんでしょうか?」


「僕も覚えたけど使ってない魔法がいくつかあるね」


 土魔法とか風魔法とか。


「ええ、出来るだけ使っていきましょ」


「分かりました、次の階層で練習します」


 次の階層の魔物の皆さん、ご愁傷様です。


お読み頂きありがとうございます。

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