第十話 いろいろと開店前
第十話 いろいろと開店前
「ハア…」
真は自分も知らずにため息をついてしまった。
目の前にある商店街への入り口は丈夫な金属素材になっているシャッターが下ろされ、閉められていた。
防犯のために当然丈夫なものであろう。
もしやと思って力を入れてシャッター開けようとしてみたが、動く様子はまったくない。
開けようとするたびに、天井近くのシャッターが下ろされるところから何かが引っかかっている感じがした。
多分、このシャッターは機械式のシャッターで歯車とかが中にあったりするかも知れない。
よく考えて見たらこの閉められた入り口は当然なことかも知れない。
普通、電車の始発、最終ダイヤより商店街の商売は遅く、そして早く終わる。
終電を乗って帰る人なんてそんなにあるわけでもないし、その人が商店街を利用する可能性は低い。
多分、ゼロに近いかも…。
商売には人を使う。人件費っていうものがかかる以上、「商売にならない」商売をするわけはいかないのだ。
人達も商店街ではなくても遅い時間に大体の用事は済ませる。
俺みたいにコンビニとかでね。
コンビニ王国、大万歳だ。
真ははっきりは覚えてないが、夜の9時まではなんとなくだったけど10時過ぎて駅に着いたら商店街が閉まっていたのを思い出した。
朝はあんまり駅を利用したことがないからわからないけど、周りの銀行やスーパーマーケットなどを考えると遅くても9-10時の間には開店か開店の準備をしているはずだ。
でも、店員さんのバイクがそのまま置いてあったコンビニを考えると、真自身の追足に過ぎないかもしれないけど、人がいなくなったのは深夜とか夜明け前とかいえる時間代だったはず。
時間代を考えると商店街には誰もいない状況だったかもしれない。
だから、駅の前にある広いバス停にも一台のバスもないのだ。
そんな時間代をなら防犯のためにも営業をしない商店街の入り口のシャッターはあり得る。
ただ、状況的には今の真にはまずい。
シャッターを何とかしないと、商店街に入ることができない。
本屋へ行けないから、地図も手に入れない。
真はシャッターの周りにシャッターを開けるスイッチとかがあるのか探してみた。
残念ながらスイッチみたいなものは見当たらない。
シャッターを何とか開けないと、ここの入り口からは入られない。
「ちょっと散歩しようか…」
真はこの入り口からは入るのをやめて、周りを歩いてみてほかに入られる入り口を探してみることにした。
そして、真はズボンのポッケットからスマートフォンをだして、どのくらい時間が過ぎているのかを確認した。
1時22分…。
真のマンションから駅までは歩いて40分くらいの距離だが駅まで来る途中、周りをいろいろと見ながら来たせいか、思ったよりはもう少し時間が過ぎていた。
自分も知らずにシャッターの前で思い込んじゃったかもしれないし。
改札口から入ってプラットホームとかを見ようとも思ったが、そこには駅の施設や電車に関わるものしかないと思って後回しにした。
商店街のシャッターのスイッチがありそうもないし、電車が来る様子もないし。
真は駅の入り口から出て、真ん中の建物にある銀行の方に先に向かった。
財布にはまだ余裕の紙幣札があるけど、通って行くのであればおろしてから行こうと思った。
入り口が何処にあるのかわからない以上、またお金をおろすためにこの場所まで歩いて帰ることを避けるためだった。
真ん中の建物の1階にある銀行のATMや隣にあるファストフード店、ファミリーレストランなどの店はシャッターなどがないガラスの扉や窓になっていた。
どこでも見れる普通の店だった。
もちろん、ファストフード店とファミリーレストランは営業などはしていなかった。
24時間制の店ではなかったから夜遅くには閉店したんだろう。
しかも今は誰もない。
念のために扉を開けようとしてみたけど、やはり開けることはできなかった。
あっさりとあきらめて真は隣の銀行に向かう。
幸いにも銀行のATMは普通に入ることができた。
財布から銀行のカードを出しならATMの前に着いたら、ATMの機械が真に出してくれた画面は
「只今、メンテナンスのためご利用できません。しばらくお待ちください。」
だった。
「あ、もう…」




