04.今日詠めた? 四つ時超えて 焦りだす
01.雨に濡れ帰ると打てばスタンプで
お風呂に入る猫のあたたか
02.どこへやら はじけた夢の衝撃は
跳ねた頭の歯車ずらす
03.ぬれねずみ突然の雨窓の外
猫を抱えて一服いかが
04.まずまずとマズいの間あいまいに
好きに届かず食べるに足りる
05.雨音を 気分で選び踊らせる
今日の心はたぶんタンゴだ
06.菓子作り 砂糖牛乳卵麦
甘い夢から ひとつくみあげ
07.夏のせい スパイス口に落つ汗は
気づかれぬようそっと片付け
08.通学路 落ちたスモモが香り出す
朽ちて去るまで甘さ増しゆく
09.地図代わり衛星写真に雲はなく
晴れた世界は選んで作る
10.PCが点かない理由「照れたかも」
奴が押すなり素直に動く
11.年を経てごまかし効かない体型も
自由に魅せる光の魔法
12.勝つほどに運のおかげと言えるのは
陰らぬ自信がそこにあるから
13.望まない未来も誰かの願いから
夢にも思わぬじこがなければ
14.足は出る声に応えてまた一歩
響く足音誰より前で
15.眩しさにまどろみ揺らぐ風の影
覚めゆく耳に木漏れ日の声
16.参るたび一歩近づく墓の中
澄んだ青より晴れる仕舞を
17.日暮れより傾いたきり赤く染め
冷めゆく夏に氷ははしゃぐ
18.幾晩の労苦も溶けよと焚き上げて
骨身に染むる滋味となれかし
19.閉じて十数えてなおも暗いまま
明日は開けるか天気も知らず
20.あいゆうの知ったつもりでわからへん
さしすせそろっとはなまるつけたい
21.珍しい響きは一意を指しすぎる
好きでも重い私の名前
22.声と聞く言葉は文字で記せても
好いた調べを譜には落とせず
23.角度変え 冷えたビールを迎え入れ
膨らむきたいにはじける小麦
24.忘れずに残しておくため捨てた振り
リストに残る消えない応え
25.鍵の中しまい忘れておいたから
思い出しても返さないでね
26.元気だと返せないのが苦しくて
バッジも見れずに電源を切る
27.もういくつ数え歌呼ぶお年玉
インフレするのは子供たちから
28.雨はただ知らないままで包み込む
この道で見る名も知らぬ君
29.たかがとは知らず隠した爪でこそ
鋭さゆえに声も昇らず
30.扁桃腺腫れるな受験日鼻うがい
詰まれば出ない春へのこたえ
31.黒髪を切りて装いて選り抜いて
好いた顔成す惚れた美飾り




