災害
第一章 「緊急災害警報を発令。20秒後にこの地区一帯で地震が発生します。住民の皆様はただちに身の安全を…」
前日までの雨の名残りで雲がまだ残っており少し薄暗い2時間目の数学の授業中、教師のつまらない親父ギャグのせいか、それとも単に自分の数学出来なさか、眠気が襲い意識も途切れ途切れになってきた時に突然鳴り出したタブレット端末に親父ギャグに呆れてため息が漏れるクラス中が静まり返る。なんせ46人もいる教室で46個のタブレット端末が一度に鳴り出したのだ。多少驚くのも無理はない。しかも受信速度に少しムラがありかえって何を言っているのかわからない。タブレット端末に耳を当てどうにかして聞き取った事によると地震が発生するらしい。
「地震‼︎そんなはず…」
当たり前だ日本が地震大国と言われていたのは昔の事で今更地震なんて起こるはずがない。なんせ政府はあらゆる活断層を20年前に炭素でできた新素材で補強し、地震は二度と日本では起こらないと言われている。
「とにかく身体を机下に隠しなさい。机の脚をしっかり持て」
60代にさしかかりそうな数学の教師が叫ぶ。あまりの古すぎる地震対策に教室中からヒソヒソと笑い声が聞こえる。そしてタブレット端末が伝えた20秒を過ぎ1分が過ぎ2分が過ぎた。いくら地震を経験したことが無いとはいえ政府の緊急速報だったので教室には緊張がはしる。しかし5分を過ぎるとさすがにタブレット端末の誤作動か政府のミスかと思いおのおのが席に着き授業の再開の準備をする。
「何だったんだ今のは1ミリも揺れなかったじゃないか。てゆうかこんなアプリ入ってたんだな。何に使うんだろ5年前のタブレット端末には入ってなかったよな?」
確かに5年前に突然政府は日本中の携帯機器を全て国民から回収し、そして政府公認タブレット端末を配給した。




