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小さな家のホームメイト  作者: 藤桜


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7/7

最終回:小さな家のホームメイト

 今日から衣替え。男子生徒はワイシャツが半そでになるだけだが女子生徒の制服はデザインが変わるのだ。

 1階で食事をしていると先に食べ終わり部屋に着替えに行った茜が戻って来た。

「お待たせ~」

 茜の夏制服姿につい見とれてしまった。

「なんか変かな?」

「い、いや似合ってるよ」

「ありがとう。そろそろ行こう」

「そうだな」

 学校まで歩いていると後ろから隆と岩崎さんと出会った。

「ういーっす」

「おっはよう」

「おはよう」

「おはようございます」

 この二人のツーショットは初めて見たな。

「春野ペアは今日も仲良く登校ですか?」

「うるせー。そういうお前達こそ珍しいな」

「近藤君とはさっきそこの信号で会ったの」

「俺ら電車組だからな」

「にしても茜ちゃん夏服似合うね」

 岩崎さんが茜に絡んだ。見てるこっちが恥ずかしい。

「そういう岩崎さんこそ似合ってるよ」

「茜ちゃんの体系には勝てないね」

「そんなことないって。普通だよ~」

「男子諸君もそう思うよね?」

「確かに茜ちゃんのむ―――」

 これ以上先を言わせないように隆の頭に一発入れてやった。

「痛ってー! 何するんだよ!」

「少しは茜の事も考えろよな」

 今日も隆と岩崎さんそして茜と一緒に変わらない毎日を送っている。許嫁ということは黙っておこう。

 放課後、俺は茜を近くにある大きな川へと誘った。土手沿いは街灯もあまりない暗い道だ。

「ここに何かあるの?」

 茜が辺りを見渡している。

「もう少しで見えるよ。ほら」

 僕が指さした方には川を渡るための大きな橋がある。その橋の上を車が通っていてそれはまるで光の橋のようだ。

「綺麗~」

「だろ。この前学校帰り隆とここ通った時に気がついたんだ」

「これを見せるためにここに?」

「ホントの理由はあるんだけどな」

「理由って?」

「あのさこの前茜のお父さんに俺達付き合ってるって言ったけどさ正確には言ってないような気がしたから改めて言おうかなと」

「それって……」

「俺と付き合ってください」

 俺は頭を下げながら右手を前に出した。

「はいっ、こちらこそ」

 そういって茜は俺の手を取った。

「ありがとう」

「私たち許嫁だけどね」

「そうだよな。そろそろ帰ろうか」

「うん」

 俺と茜は手を繋いだまま家に戻った。

 

 そして告白から約3年後……

 

 俺と茜は無事高校を卒業した。二人で見て回った学際や修学旅行。いろいろな思い出が出来た。

 俺は4月から近くの企業に就職することが決まっている。その会社こそが茜のお父さんがいる会社だ。跡取りとして将来会社のトップになるべく4月まで勉強中。

 茜は大学で学びたいことがあると言うのので大学に通うことになっている。まぁ進学は親の希望でもあるらしいが。

 今後は茜のお父さんが用意してもらった新しい場所で暮らすことになった。

 そして今日、3年間過ごした家とのお別れの日だ。

 実はこの家を貸してくれた親戚は転勤先で成功してしまいしばらくそこで住むとのこと。この家はもう古いので今年夏には取り壊されてしまうことになった。

 午前中に業者が来て家のものをすべて新しい住居に運んで行った。

 家の中は何もない状態になっている。

「この家ともそろそろお別れだな」

「うん。いろんなことあったね。もう一度見て回ろうよ」

「だな」

 俺と茜は最後にもう一度家の中を見て回ることにした。

「あっ、この床の傷確か啓君が付けたんだよね~」

「学際で使う旗を家に入れようとして付けたんだったな」

「持って帰るの大変だったもんね。傷もいい思い出だよ」

 茜が床の傷を懐かしそうに触っていた。

「このマジックのあと確か2年生の時の期末テストの時付いたんだったよな」

 傷の近くには“絶対合格”の文字が薄ら書かれていた。

「そうそう。油性で書いたから紙透けて床に点いちゃったんだよね」

「消せなくて焦ったよな」

「今はいい思い出だよね」

 茜の鞄から着信がなった。

「お父さんからメール。そろそろ会社の役員の方が迎えに来るって」

「それじゃ外で待つか」

「行こっ」

 手を取って家を出た。

 この町でこの家で手に入れたものは数多くある。そしてこれからも新しい人生を2人で歩んでいこう。

どうも藤桜です。

あっという間に最終回~

え!?

もう最終回って展開早すぎじゃない?って思う方もいますよね;

高校生活の話は~……希望者が多ければ書きたいと思っていますw

その時は改めてよろしくお願いします。


ブログの方はまだまだ続きますので是非~

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