12 コンテスト応募原稿
24年ぶりに再会した元カレは不動産屋になっていた。15年ぶりに帰国した私(主人公・コト)は様々な社会問題を、不動産で解決してゆく。
そして、大人の恋のやり直しはできるのか。
チョコを食べると活性化する脳で、町の活性化からシングルマザーの疲弊、幼児虐待、老人の孤立にどんな解決策を出すのか。
誰にでもある青春のやり残しをやり直す、人生・社会問題解決バラエティ
チョコと不動産
12 コンテスト応募
「さてと、それじゃ仕上げとまいりますか?」
と独り言を言うと私はパソコン前に座ってキーボードをたたき始めた。
駅前開発のデベロッパーが募集している、新しいビルのアイディアコンテストに出す原稿を。
近年大きな社会問題になっている、シングルマザーの疲弊、それに伴う幼児虐待、そして老人の孤独や孤立。そんな問題を一気に不動産で解決できるアイディアがあります。
そしてそれは難しいことではなく、今ある商店や施設を並び替えるだけなのです。
たとえば14階建てのマンションを建てるとします。一階には「コンビニと24時間のカフェとコインランドリーを入れます。マンション入り口にはコンシュルジュを置きます。2階には内科、小児科、歯科、眼科、耳鼻科などのクリニックと薬屋をフードコートのように配置し、真ん中を共有の待合室として利用します
3階には行政書士、弁護士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、ケアマネなどの事務所を置き、生活相談を行い、残りのスペースは塾や集会所にします。
4階から12階までは住居スペースで入居優先順位は、元気な独居老人、シングルマザー。シングルファーザー、独身、学生の順です。14階は屋上スペースで家庭菜園および幼稚園、保育園、デイサービスを置き、半分はスーパー銭湯にします。
13階はカラオケ、体育館、スポーツジム、できればプールを設置します。
さて、このようにハード面は特別新しいものはありませんが1階の店に特徴があります。
24時間のカフェでは、朝は朝食とお弁当を作ります。ここでシニアは朝食無料なので、ほとんどの人が利用するでしょう。出席簿システムで生存確認ができます。
シングルマザー、ファーザーも無料でここで朝食を食べ弁当を受け取ります、自分の部屋で用意することはないので朝をバタバタ過ごすこともなく、子供たちの世話に集中できます。
そののち、子供を14階の保育園や幼稚園に預け、そのまま出勤できます。
おっと忘れていました。洗濯物は大きな専用のバッグに入れコンシュルジェに預けていきます。
次は元気なシニアの出番です。コインランドリーで洗濯物をたたむまでのサービスをしたり、
早起きを逆手に利用して、朝のカフェでの調理をお願いしたりコンビニで働いたり(もちろんバイト代は支払います)あるいは働かなくても、家庭菜園やジムで一日を楽しむことができます。
さて、親が子供の送り迎えを気にすることなく働けるように、アクティブシニアが再び活躍します。下校後の塾で勉強を教えたり、カフェで一緒に夕食をとったりします。
親は帰宅したら受付で出来上がった洗濯物を受け取り、部屋に戻ると子供と一緒に屋上の銭湯へ向かいます。お風呂掃除をすることもなく、洗濯物する手間もないのでその分、子供と過ごす時間が多くとれます。こうして家事の時間とストレスが軽減されます。
シニアは働く場と、社会に必要とされていることで、生きがいが生まれ病気をしている暇もないでしょう。
しかし病気になっても大丈夫。ワンストップで2階のクリニックモールに行けます。
また老後の資産や遺産にまつわること、シングルマザー・ファーザーたちの今後の生活にはファイナンシャルプランナーのアドバイスで将来設計がはっきりして、人生の生き方が違ってくることでしょう。
もちろんこれはモデルケースとして実証実験を重ねながら試行錯誤でより良いコミュニティを作っていかなければなりません。ここは大きな一つの新しい形の家族寮であり、今ある社会問題の解決の場なのです。
「よ~しこれで一応コンテストに応募する原稿はできあがった~」
大きく伸びをして外を見ると夜が明けていくのが見えた。
朝8時、旅支度をしトランクを持った私は元カレのドアのベルを鳴らした。
起き抜けの元カレは私の旅支度をみて目が覚めたようだった
「オマエ、どこかに行くのか」
「うん」
「どこだ?」
「住み込みで働けるところが見つかったの?」
「えっ、どこだ、どこに行くんだ」慌てる元カレ
「ここよ」と指さす私
「えっ、ここってオレんち?」
「そう、住み込みで雇ってもらおうと」
「でもオマエ、オレのプロポーズ断ったんじゃ・・・」
「そう、そのとおり、それで私のやり直しリストがコンプリートでクリアになったの、
だからゼロで振り出しに戻ったわけ、これから新しい人生をやり直すことができるの」
「はあ?」なんだかわからない様子で寝ぼけ眼で頭をかしげる元カレ。
「うふふ、いいでしょ?」
リビングルームに差し込むひとすじ朝陽が玄関まで伸びで私を照らしていた。 (了)
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