プロローグ2
まだ、プロローグなんですよ。
本当にすいません。
しばらくはこの話の更新を急ぎます。
ピロンと携帯の着信音が妙に響く。
それが目覚ましとなり俺はゆっくり目を覚ます。
着信音は買った当初から変えていないため凄くわかりやすい。
俺は携帯を手に取り、今来たメールを見てみる。
どうやら、遠夜からのようだ。
今日の約束に寝坊しないか心配になったらしい。
俺は大丈夫とメールを打ち仰向けになる。
そして、ゆっくりと昨日の出来事を思い出す。
あの父親は本当に人間なのか不思議な動きをしていた。
通じる通じないとかそういうレベルの問題では無かった。
足元にすら届いていなかった。
俺はあの後、悔しくて必死に鍛錬したことは覚えている。
けど他の記憶が無いのだ。
いつ布団に入ったのかも覚えていなかったりする。
コンコン、と部屋の扉をノックする音が響く。
「どうした?」
そう言うと共に部屋の扉が開き一人の少女が入ってくる。
背は俺より小さくて結構可愛い感じの黒髪ロングストレートの美少女である。
「兄さん、やっと起きたのですね。
今日は兄さんの楽しみにしていたゲームの本サービス開始ですよ。
あまり、無理をしないで下さい。」
「おう、ありがとな。
母さんには着替えたら降りると伝えておいてくれ。」
「はーい」
そう言って彼女は部屋から出て行く。
彼女は小倉 神奈で家一の集中力と洞察力を持つ頭の良い自慢の妹である。
頭の出来は俺より遥かに良いものの活かせるものと活かせないものの両極端な部分があり、ひどくアンバランスなやつだ。
俺は着替えを始めようと立ち上がると。
再び扉が開く。
「そういえば、兄さん。
よかったら今日一緒にゲームやりませんか?」
「別に良いが今は【スキル クラス オンライン】しか受け付けないぞ。
ハードとかうちに俺の分しかないだろ?」
確かゲームをするのはうちでは俺だけだった筈だが、どういう風の吹きまわしだ?
まぁ俺のやっているゲームに昔から興味津々だったから分からなくも無いか。
「いえ、昨日お父さんがくれました。」
なるほど。
前々から神奈が父さんにねだっていたのは知っていたが…。(大体俺がVRを買ったあたりから)
まさか、娘のお願いに負けるとは…。
けど、分かるぜ父さん。
神奈のおねだりには逆らえないよな。
その影響で神奈はゲーム方面で才能を伸ばしつつあるのは兄として悲しいが…。
「兄さん、どうしました?
何か複雑な表情をしていますが?」
「なんでも無いよ。
それで、俺の友達が一緒でもいいか?」
「大丈夫です」
「なら、サービス開始から30分後に噴水前でわかるか?」
「はい、ありがとうございます。」
そう言って神奈はスキップ混じりに部屋を出て行った。
ため息を吐いた後俺は携帯を開く。
そのタイミングで再び扉が開く。
「古色兄さん、さっき神奈姉さんがスキップしていたようだけど何かあった?」
次は茶髪で眼鏡をかけているが決して陰キャラに見えないし顔も悪く無い(身内補正無し)頭がそこそこ良く同じく自慢の弟だ。
名前は小倉 優である。
「いや、ゲームの約束をしただけ。」
そう言うと、優は何か納得したのか頷き始める。
「うーん、あのレベルなら可愛いけど千明姉の域まで行くと怖いよな。
まぁ第三者だから思うだけかもしれないが…」
「どうかしたのか?優、何かブツブツと…。」
「いや、何でもない。
とりあえず、古色兄さんはそんなことより周りをしっかりと見たら?」
そう言って優は部屋から出て行く。
俺は何か分からずに首を傾げるばかりだった。
とりあえず、早く降りないと怒られるなと思い遠夜に妹も一緒にすることになったとだけメールを送り、着替えを始める。
少し経ち、俺はいつも通りに飯を食って時間を確認する。
サービス開始は12時半からで、うちでは昼飯は基本ないので今から準備を始めることができそうだ。
******優視点******
昨日、父さんの様子が変だった。
どう変なのか聞かれても困るが何かいつも違った。
そんな思考を繰り広げながら寝転がっていると携帯に電話がかかってくる。
俺は携帯を開き電話に出る。
『ハロー!愛しの千明お姉様がれんら…ブツッ』
ヤベッ、うっかり切っちゃった。
まぁ、いい…。
割り切ろうとした直後再び着信がくる。
俺は仕方なく電話に出る。
『何で切るの!
私は空いた時間を利用して連絡しているというのに!』
「はいはい、その情熱を母さんの連絡に使ってあげて心配してるから。」
『そ、それは後程ね…』
これは電話しないパターンだな。
今、俺と電話している相手は小倉 千明といい、俺達の姉である。
大体、三女に当たり見ての通り極度のブラコンである。
これの相手をしていると神奈姉さんのブラコンがとても可愛く感じる。
まぁ、元々うちの家系はブラコン、シスコンなどのが多いのだけどな。
母さんは父さんの幼馴染だっ筈だし。
近い人間をどうしても好んでしまうらしい。
理由はいろいろあるのだけど…。
「で、何の用なんですか?」
『そうだった、久々に優くんと話せて浮かれている場合じゃなかった!
古色はどうしてる?』
「…元気だよ。」
急に先ほどまでの声が嘘のように暗くなるが理由を知っている、俺にとっては何も言えない。
『そう、なら良かった。
それで神奈は?』
「大丈夫だよ。
少し古色兄さんにべったりだけど。
千明姉が気にすることじゃないよ。
…千明姉は何も悪くないんだから。」
『うん、ありがと。
もう、時間だから切るね。
あと、お父さんから変なのきたんだけど…。』
「それに関しては俺も調べているから大丈夫だよ。」
そう言って俺は電話を切る。
昨日の夜、父さんに貰ったゲームのハードとカセットが机には置かれていた。
そこにはハッキリと古色兄さんがプレイする予定の【スキル クラス オンライン】とソフト名が書かれていた。
「父さん、あなたは一体何を考えているんだ…」
兄弟が多い設定です。
因みに神奈は五女で末の妹です。
大体中学生くらいです。
優は六男で末の弟です。
神奈より一つ年下です。
因みに主人公は高校生で五男ですね。