表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル クラス オンライン   作者: ARS
俺の目標とは…
11/15

ここからが本番だ!

修行回は無しですよ。

「ふう、今日からか…」


教室で俺は感慨深そうに呟く。

すると、友人の遠夜がいち早く反応する。


「そうだな、今日は終業式だな!」


いや、俺がそっちじゃ無いのだが…。

まぁ、いいか。


「そうだ、最近お前ゲームの方では見ないけど何したんだ?」


遠夜がふとしたかのように聞いてくる。


「ん、修行かな?」


「なんだそれ?

あの有名な剣術の山にでもまた篭ってるのか?」


「まぁ、似たようなものだ」


それを聞いて遠夜は少し顔が引きつっていた。


「それで遠夜はどこまで行ったんだ?」


俺の質問に遠夜は自慢げに胸を張る。


「聞いて驚け!

俺は今、第三の街にいる!」


第三の街って確か…アルコールという名前の街でレベル的には大体30から40が適正だったか。

そして闘技場がありPvP系の試合が解放される街でもあって、ベータ版ではここまでしか進められなかった筈だ。


「それはすごいな。

前線グループと同等の速さじゃ無いか?」


「そうなんだが…」


「どうした?

やけに歯切れが悪いが…」


「いや、実はな次の街というのが、とても遠くてな暫くはそこに滞在しながら進めることになるらしい」


そういうことな、今のところ速い移動手段が殆ど無いこのゲームでは帰りは一瞬でも行きが大変なのだ。

一応、馬車があるが徒歩よりも少し速い程度である。


「そういえば、闘技場の解放はされたのか?」


「いや、約千人のプレイヤーが闘技場に辿り着くまで開催はしないらしいぞ」


なるほどな、ベータの頃は参加して貰うために全然進めていなくても参加できるようにしていたが、本サービスではこの街に行けるようにしないといけないからな。

最低限の人数が集まるようにしたいのだろう。


「そういえば、知ってるか?」


「何がだ?」


「大体二週間くらい前から追加生産がされて新しいプレイヤーが増えたんだ」


「へぇ、どおりで」


俺はその言葉を聞いて納得していた。

この前、やけに魔導の小屋に人がいて何事かと思ったらそういうことだったのか。

他にも教会や剣術の山にも集まっていたな。


因みに色々とあり、教会で光魔法や回復魔法を教えて貰っており、時々寄ったりするのだ。


「それで従姉妹が始めてな、本当に生意気なんだよ」


「従姉妹って確か…」


「春美だよ」


「ああ、あのお前のいつも言ってる…」


遠夜の従姉妹の春美とは、遠夜と同い年で見た目は普通(遠夜曰く)、性格は横暴(遠夜曰く)、いつも怒ってばかりで(遠夜曰く)生意気(遠夜曰く)らしい。


まぁ、俺自身は会ったことが無いから分からないけど想像がつきにくいな。


「そうだ、遠夜は今日の予定は?

パーティは組めるか?」


「ああ、すまん。

少し集めたい素材があって無理だわ。

すぐに終わっても生産職の人と打ち合わせが…」


「分かった、んじゃそれまでに追いついて見せるよ。

それでお前のレベルは?」


「ふっ、7とか6だな。

必要経験値10倍のスキルの恩恵がすごいからそれでも戦えるんだよな」


なるほどな意外とあのスキル当たりなのかもな。

まぁ、神奈のスキル構成は異常の一言に尽きるけど。


そうして、終業式も無事に終わり家に帰ってゲームを始めるのだった。


**************


「ふぅ、これで準備完了だな」


俺がそう言うと後ろからエフィアさんが来る。


「本当に行くのだな」


「おうよ、チュートリアルはこれで終わりだ」


「ふふふ、君らしい」


エフィアさんは少し笑みを漏らす。


「そうだな、これは餞別だと思ってくれ。

これに関しては特殊なものではないから免許皆伝の時に渡すものにしてたんだがな…」


「ここまで人が少ないと…ですね」


「そうだな、それとアイントと教会にいるティリアと魔窟にいるメダーからも似たようなものが来てるな」


そうして、それぞれ違うアクセサリーを渡される。


ーーーーーーーーーーー

武士の腕輪 R0


効果:剣の派生スキル系統の武器使用時に全ステータスに50%の補正。

   HP、STR、AGI、VITに+50の固定補正。

   HP、STR、AGI、VITに10%成長補正。

ーーーーーーーーーー

魔法使いの指輪 R0


効果:全属性の魔法の威力とMP消費量の補正(威力50%UP、MP消費量25%軽減)

   INT、MPに10%の成長補正。

   INT、MPに+50の固定補正。

ーーーーーーーーーー

聖職者のネックレス R0


効果:光魔法と回復魔法の威力とMP消費量の補正(威力50%UP、MP消費量25%軽減)

   MND、MPに10%の成長補正。

   MND、MPに+50の固定補正。

ーーーーーーーーーー

闇のイヤリング R0


効果:闇魔法と強化魔法の威力とMP消費量の補正とリスク軽減(威力50%UP、MP消費量25%軽減、HPスリップ量50%軽減)

   INT、MND、MPに10%の成長補正。

   INT、MND、MPに+50の固定補正。

ーーーーーーーーーー


「何かとんでもない効力ですね」


「たしかにそうだが、ある程度のレベルになると微々たるものになるよ」


「たしかにそうですが追加効果の圧倒的な有用性はすごいですよ」


「たしかに、メリットの強みを生かした効果だからな免許皆伝には丁度いいだろう?

別に君だけにあげるわけではない。

現にアイントはもう一人、渡した人物がいるそうだ」


「そうか、ならいいんだが…」


まだ腑に落ちないけど、気を引き締めて行くとしますか。


「では、ありがとうございました!」


俺は深々とお辞儀をしてから魔導の小屋を出る。

そこで眼に映る街は新鮮に見えた。

今まで通って来た道もこれから外に出ると考えると違って見えるものだった。


俺は一歩踏み込み冒険者ギルドに行くことにした。


さて、ここで冒険者ギルドのおさらいをサラッとしよう。

冒険者ギルドとは、よく異世界もので見るあれとほぼ変わらない。

そこで依頼をこなしてお金を稼ぐことができ、重要性は高い。

プレイヤーが多く集まる場所でもあり、パーティなんかも気軽に組みやすい。

さらに言えばランク制度はあるがランク指定の依頼がある訳ではなく、依頼には推奨レベルしか書かれていない。


そんな感じの場所である。

そんなこんなで冒険者ギルドに着いて、依頼を見て行く。

登録に関してはちょっと前に済ませている。


依頼をざっくりと見るが、めぼしい依頼は何一つとして無い。

パーティ募集してる人や張り紙も無く、ちょっと辛いものがある。


「何が天才魔法使いだ!」


俺がボケっと依頼を見ていると後ろの方から怒声が響く。

俺は恐る恐ると見ると男三人と女の子二人が言い合っていた。


「あんな魔法でどうやって敵を倒すんだよ!」


先程とは違う男が女の子の一人に怒鳴る。

話がイマイチ分からない俺にとってはどっちが悪いとか判断が付かない。

とりあえず、周りの言葉にも耳を傾けてみるか。


「また、やってるよ。

カスミとミミカの二人は実力は確かなんだけど俺達初心者じゃ足手纏いなんだよな」


「それなぁ、大方男達は自分が強いとか勘違いしてる部類だろうな」


会話からすると男達の方が悪いのか?


「第一、あなた達がもう少し粘れれば勝てましたよね?」


「ちょっと、ミミカ。

これ以上揉め事を大きくしてどうするの?

私が詠唱の遅いオリジナル魔法を使用したから…」


「あれ以上、どう粘れと?」


「現に私は四体相手に粘ってましたよ。

貴方達は三人で四体じゃないのですか?」


お互いに言い合いが悪化していく。

これは前衛と後衛の問題か…。

後衛の詠唱速度の問題か…これは初心者には酷な問題だな。

ベータの時でも詠唱破棄の高速詠唱を取れたのは一人しかいなかったのに。


「誰か…」


カスミと思われる少女が必死に周りを見る。

その時に俺は彼女と目が合ってしまった。

その瞬間、少女からとんでもなく見られ始める。

期待の眼差しである。

助けてくれるよね?という眼差しでは無く、助けてくれるかな?という目眼差しという点が唯一の救いだったりもする。


「第一、そこの後衛の詠唱が遅いのが悪いんだろ!」


「それを言うなら貴方達の連携や技量の甘さも眼に余ります。

よく、それで森に入ろうとか言い出しましたね。

ある意味、尊敬に値します」


はぁ、その場いたたまれなくなり俺は仕方なく二人の間に割って入る。


「とりあえず、そこで終了」


俺は五人の間に立つ。


「誰だテメェ!」


男の一人がマジギレ寸前という感じで怒鳴ってくる。


「とりあえず落ち着きましょう。

騒がれると迷惑なので一度口を閉じて下さい」


「うるせぇ!

関係ない奴は引っ込んでろ!」


もう一人の男も悪態をついてくる。

先程少女と言い合っていた男は意外と大人しく黙っていた。


ミミカと呼ばれている少女に関してはカスミと呼ばれている少女を宥めていた。


そして、先程まで少女と言い合っていた男が口を開く。


「見ない顔だが、先行組か」


「へぇ、意外と冷静になるのが早いじゃん」


冷静な反応に俺もびっくりだ。


「でも、全員の顔と名前でも一致させてるのかな?」


「それはそうだろう。

この街に残っている奴なんて数が知れてる」


なるほどな、弱いまんまの人達、またはレベルが上げにくい人達が集まってる訳か…。


「それでお仲間二人は興奮してるけど、あんたはどうするんだ?」


「はぁ、頭に血が上っていた。

すまないな」


男は溜息ついて少女の二人に謝る。

そして、残り二人を引っ張って去っていった。

意外と冷静かつ理性的な判断ができていたようで何よりだ。


「えっと…ありが…」


「すまないな、出しゃばって」


俺はカスミと呼ばれる少女がお礼を言おうとする言葉をかき消すように謝る。


「いえ、こちらの方が謝りたいです。

助けてもらいましたから」


「ハハハ、そうか?

おっと悪い、自己紹介がまだだったな。

俺はコシキだ」


俺が自己紹介すると先程男と言い合っていた方が前に出る。


「私はミミカだ。

よろしくなコシキくん」


先程は彼女の容姿には触れなかったが、金髪サイドテールの少女で普通に十中八九可愛いと言える美少女である。


次に俺に助けを求めた少女が前に出る。


「次は私ね。

私はカスミよ。

よろしくコシキ…さん?」


「いや、コシキでいいって」


彼女は少し活発そうな赤髪でミミカと同じように可愛い系美少女である。


「んで、お願いがあるんだが…」


俺は言いにくそうに言うと二人は何と言わんばかりに首を同時に傾げる。


「俺とパーティを組んでくれねぇか?」

ヒロイン?登場かな?


読んで頂きありがとうございます。

面白いと思って頂けたなら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ