怒り、そしてトイレ
私は変態読者くんですか?はい!そうです!!
私は冬夜さんの家へと重い足取りを引きずっていった。一歩進むごとに足は重くなるようだった。私の頭の中は、半ば形を成した恐怖と恐ろしい現実が、混沌としながら激しく回転する独楽のようになっていた。私はその日の午後の出来事を頭の中で何度も再生し、砕けたガラスをいじるように、その断片をひっくり返し続けていた。
あの人に話すべきだろうか?
その問いが私の頭蓋を殴りつけていた。もし冬夜さんに、ルークの母親のあの不気味な、服で全身を覆い隠したイスラエルからの恋人のことを話せば、彼は即座にそれが脅威だと見抜くかもしれない。そして、もしサンティノ・フェボに真昼間の太陽の下でコンクリートの壁に押し付けられたことを話せば、彼は間違いなく警備を二倍にするか、私をあの地下訓練場に永久に閉じ込めるだろう。しかし、屋敷の重厚なオーク材の双開きのドアに辿り着いた時、冷たい、自己防衛的な直感が私を立ち止まらせた。冬夜さんはすでに、この同盟全体の重みを一人で背負っているのだ。もし私が学校のドラマや、教会の代行者との恐ろしい遭遇なんてものを彼の皿にぶちまければ、彼の集中力を削ぐだけになってしまう。
駄目よ。これは私だけの秘密にしておこう。今のところ、自分の幽霊は自分で処理しなければならない。
私は深呼吸をし、制服のスカートを整えてから、玄関のドアを押し開けた。
「一体全体、どこに行っていたんだ!?」
その咆哮がフォワイエの静謐な気品を打ち砕き、私は文字通り飛び上がるほど驚いた。メインのリビングルームへと続く短い階段の最上段に、冬夜さんが立っていた。その顔は純然たる、一切の手加減のない怒りの雷雲そのものだった。腕を胸の前でがっしりと組み、脱走兵を捕らえた看守のような鋭い眼差しを私に固定している。
「冬夜さん……」
私は言葉を詰まらせ、半歩後退した。
「私はただ――」
「一言もなしにか!? 訓練が終わったあと、煙のように消え失せやがって!」
彼は私の言葉を遮り、私のすぐ目の前に立ちはだかるまで階段を大股で降りてきた。
「自分がどれほど無謀で、脳みそを家に忘れてきたような愚行を犯したか分かっているのか? 気分転換に散歩したくなったからって、この家から勝手に出ていっていいわけがないだろう!」
サンティノの脅迫による残滓の恐怖が、一瞬にして防衛的な怒りの火花へと変貌した。
「なんですって!?」
私は言い返し、彼と同じように腕をきつく組み返した。
「私は一人の人間よ、冬夜さん! 私たちは『同盟』を組んでいるんでしょう、忘れたの? この狂った戦争を生き残るための、相互のパートナーシップよ! その契約は、あんたに私の毎日のスケジュールや私的な行動を完全にコントロールする権利なんて与えていないわ! 私は新鮮な空気が吸いたかっただけよ!」
「お前のその『新鮮な空気』が、お前自身を消滅させる原因になり得るんだから、大いに関係あるだろうが!」
冬夜さんは声を荒げ、純然たる呆れを露わにしてカウンターを仕掛けてきた。
「現実を精査してみろ、小山。お前は魔力をまともに循環させることすらできずに泣き言を言っている、紛れもない最低ランクの素人魔術師だ! この街にいるすべての敵プレイヤー、はぐれ魔術師、そして教会のハンターたちにとって、お前は歩く、喋る、極めて脆弱な標的なんだよ!」
「私はそこまで無力じゃないわよ!」
私は顔を真っ赤にして叫んだ。
「ほう、本当にそうか?」
冬夜さんは冷笑し、ホールにある大きな祖父の古時計を大げさに指差した。
「じゃあこれに答えてみろ。お前は今、自分が何時なのか、その片鱗だけでも分かっているのか!?」
私はパチパチと瞬きをした。彼の論点の唐突なシフトに、完全に不意を突かれた。私は時計を見つめ、それから玄関ドアの曇りガラス越しに横目を向けた。そして困惑して眉をひそめた。
「何よ……ただの、夕方前でしょう?」
「外を見ろ、このバカ!」
冬夜さんは鋭い指先を窓へと向けた。
「太陽が地平線に沈みかけている。あと20分もしないうちに夜になるんだよ。昼間のセーフティネットは完全に消え失せるんだ!」
サンティノのあの絹のような声が、突如として鮮烈に耳の奥で木霊した。『教会は、羊たちがハサミを見るような真昼間から、血を流すような真似はしない……次に私たちが闇の中で出会う時……』。私の背骨を、不随意の戦慄が駆け抜けた。冬夜さんは正しかった。その正確な理由を知らないにしても。闇こそが、怪物たちが這い出てきて踊る時間なのだ。
「わかったわよ! 理解したわ、こうして戻ってきたでしょう!?」
私は自分の手の震えを隠すために視線を逸らし、不機嫌にブツブツと言った。
冬夜さんは、猛烈な偏頭痛を追い払うかのようにこめかみを指で挟みながら、長く、重いため息をついた。彼が再び私を見上げた時、その怒りに満ちた表情は、深い嫌悪感に似た何かへと歪んでいた。彼は意図的に一歩後ろへ下がり、鼻をぴくぴくと動かした。
「それに、もう一つだ」
彼の声のトーンが、平坦で、容赦のない審判のような一本調子へと落ちた。
「今すぐシャワーを浴びてこい。お前、信じられないくらい奇妙な臭いがするぞ」
私の顎がアングリと外れた。私が築き上げていた防衛の壁は、純然たる、コミカルな屈辱の山となって崩壊した。あの妖精のヨダレ。 秋の冷たい空気が、パースリーの"プレミアム・ブレンド"の物理的なドロドロとした質感を服や肌から完全に蒸発させてくれたとはいえ、屋敷しもべ妖精の唾液が放つあの有機化学実験室のような悪臭は、どうやら核の冬並みの持続力を持っているらしかった。ヨダレは、どこまでいってもヨダレなのだ。
「言われなくても行くわよ!!」
私は絶叫した。純粋な恥ずかしさで顔がカッと燃える。
私は彼の脇をすり抜け、あの魔法の、空中に浮遊する階段タイルをドタバタと駆け上がり、ゲスト用の寝室へと文字通り身体を投げ込んだ。ドアを乱暴に閉めて鍵をかけ、即座に制服を引きちぎるように脱ぎ始めた。変異したパースニップの舌の幻の臭いと、あの白髪の神父が放っていた冷酷なオーラをまとった布地は、窒息しそうなほど不快だった。靴を部屋の向こうへ蹴り飛ばし、靴下を脱ぎ捨て、私は完全に一糸まとわぬ全裸になった。この肌から、今日という一日をすべて洗い流してしまいたくてたまらなかった。
私はタオルを掴み、隣接する浴室のドアの鍵を開けて中に足を踏み入れた。その空間は、すでに濃密で、分厚い白濁した湯気の毛布によって完全に満たされていた。高級なサンダルウッドの石鹸の、重々しくも心地よい香りが空気中に漂い、大きなシャワーブースの曇りガラスの向こうからは、激しく降り注ぐ水の規則的な水音がゴーゴーと反響していた。
待って、 と私は思い、冷たいタイルの上で足が凍りついた。
渦巻く白い湯気の雲を割って、彫刻のように美しく、そびえ立つようなシルエットが外へと歩み出てきた。完全に濡れそべり、後ろへと掻き揚げられた黄金の髪が、絶対的で、恐ろしいほどの完璧さを誇る美貌を縁取っていた。彼の鋭く、筋骨隆々とした胸や肩の輪郭の上で水滴が輝き、その白い肌をだらしなく流れ落ちていく。
ラインハルトだった。冬夜さんの、あの暴虐で、圧倒的な力を有するミュトス。
そして彼は、一切の躊躇なく、完全に全裸だった。
「あっ――」
絞り出すような、甲高いうめき声が、まともな悲鳴になる前に私の喉の奥で死んだ。
物理法則を完全に無視した速度で、濡れた、重い手が私の口を直接覆い尽くし、私の声を完璧に圧殺した。その勢いの変化を私が認識するよりも早く、ラインハルトが一歩前へと踏み出し、彼の巨大で強固な肉体が私の身体と激突した。彼は私を後方へと追い詰め、浴室の隅の、冷たいタイルの壁へと私の剥き出しの背骨を直接押し付けた。
浴室の沸き立つような熱い湯気と、背中に触れる凍るようなタイルとの凄まじいコントラストに、私は完全なパニックを起こして目を見開いた。ラインハルトは顔を近づけ、その射抜くような黄金の瞳で、まるで神が蟻んこを見下ろすかのような、冷酷で不遜な絶対的威厳をもって私の目をロックした。彼神の後方では、シャワーの激しい水音がゴーゴーとけたたましく鳴り響き、私たちを熱気と静電気のような沈黙の、プライベートで息の詰まる檻の中へと閉じ込めていた。
「静かにしろ、か弱き人間よ」
ラインハルトが囁いた。彼の深く、旋律的な声が、私の顔の皮膚を直接震わせながら響き渡る。
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