遠足気分で護衛任務
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いやー。村長の甥っていうから、それなりの家に住んでるとは思ったけど、大きい立派な家じゃないですかー。さすがに屋敷って家じゃなかったけどねー。
家がほかの村との交易してて、だいぶ儲けてるっていう話じゃないですかー。
「では姫。どうぞ中に」
えーーっ! あたしお姫さまー! すごく嬉しいんですけどー! このままお姫様抱っこしてほしい!
食事も豪華ー!
「すごくおいしいですぅー」
「それは良かったです。もっとお召し上がりください」
ここでの調味料とか料理作るのにもだいぶ慣れたけど、やっぱり元からいた人にはまだかなわないもんねー。
このアルフレディさんのお父さんで、村長の弟さんもいかにも立派そうなひとだなぁー。
「ところで巫琴様。魔法で魔物を倒したことがあるそうですな。
「魔物? あの狼男のことですか? でも、あれは元は人間で」
「いえ、そちらではなく。村の外で、魔物を倒したとか」
「あぁー。確かに倒しました……」
アレが元は人間じゃないことを祈るばかり。
「それで……」
「はい……」
「アルフレディも同行しますので、護衛をお願いできないかと」
あぁ……。そういうことですかぁ……。
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結局、そのまま強引に頼まれて引き受けちゃったよー。
隣りの村との交易の護衛の役割。その村との距離が七~八時間ぐらいって話だから、おそらくは三十キロぐらい。
交易の品は馬車で運ぶって話だから、重い荷物を持つ必要もなし!
それっぽい服装も向こうで用意してくれたしねー。
「それじゃ師匠、行ってきまーす!」
まぁ、バスに乗らない遠足だと思えばなんとかなるでしょー!
いやー。しかし、すごい森の中だなぁー。右を向いても左を向いても、木ばっかり。唯一山道じゃないのは助かるけどさぁー。
でも、ここで山賊でも魔物でも襲われたら、逃げるところないよねー。
アルフレディさんも、剣を持ってRPGみたいな武装してるー。カッコイイ!
馬車は三台、護衛してるのは七人。ほかに弓矢や盾を持ってる人もいるし、安心、安心!
だってあたしの魔法での攻撃力って、ちょっと大きめの石飛ばしたり、木を倒したり、そんなもんだもんねー。
あの最初の魔法攻撃は、あの一回切りだしさー。
それより、もう二時間以上歩いてるんですけどー! そろそろみなさん休憩しませんか?
「それじゃーみんな此処で休憩しようか!」
やったー! 待ちに待った休憩ですよ! やっと休めるー!
こんなに歩いたの中学生のとき校外学習の登山以来だよー。
いやー。こんなに水がおいしいと思える日が来るとは。
このままなにも起きなければ……。って、いきなりー!? 山賊に取り囲まれてる!?
「アワワワワ……!? 早く魔法出して、出して!」
アルフレディさん、あたしのこと護ってくれるんじゃないのー!? 剣の先がブルブル震えてるし。
この道の端に落ちてる石たちをー。
「エイッ!」
思いっきり山賊たちにぶつけてやるーー!
「うぇーーっ! 痛ぇー、痛ぇー! 逃げるぞ!」
ヨーシ! 撃退してやったぞー! って、なんなのよ!? この男の人たちはー! これでどうやって今まで村を護ってきたのー!?
あー、あれかー。昔師匠が掛けたっていう結界魔法……。でもその結界の力が弱くなってるって話だし……。
もぉー! 落ち着いたと思ったらまたーっ!
「助かったよー。ありがとう」
「いえいえ。どーぞご遠慮なく」
ダメだ……。あたしも誰かに護ってほしいけど、この人たちじゃダメだ……。
あの読んだ百冊以上の魔法書の中身を思い出せー、思い出せー。




