デボラ姫
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あぁーーっ。国王様の話、長かったぁーー。校長先生の話みたい。
えぇーーっ!? あのお姫様が、こっちにやって来る!?
なんなのぉーー!? やるっていうのぉーー!?
「アーサー様。お久しぶりでございます」
「はい。デボラ姫。お久しぶりでございます」
えぇーーっ!? この二人は、まさかの知り合い!?
「この者は?」
えっ!? あたしのこと!?
「はい。ただの給餌係でございます」
ちょっと、待って!? 給餌係って、動物の餌係って、ことじゃないですかぁーー!?
あたしって、目立つ、注目の的じゃなかったんですかぁーー。酷いですよぉー。
「お嬢ちゃん。お名前は?」
お嬢ちゃん!? あたしこれでも、もう十七歳なんですけど!? そんな小さい子どもじゃないんだから!
アーサー様が、早く名前を言えって、目で合図送ってるぅーー。
「はい。巫琴ですぅ。アーサー様の白馬の餌係です」
「そう。エライのね」
本当は、アーサー様の信頼厚い、魔法使いですけどぉーー!
「それで。そちらの方は?」
今度は、エミリさん?
「はい。エミリと申します。初めまして、デボラ姫」
「ずいぶんと、キレイなお方なのね。まぁ、ワタクシほどではないですけどぉーー。おーーっ、ほほほ」
実は、このお姫様が見てたのは、エミリさんの方!?
「ほら、ワイデル。こっちにいらっしゃい」
今度は、あのお坊ちゃま王子を呼んだ!?
「ワイデル。こちらの方、お名前をエミリというそうよ」
「ど……どうも。初めまして、ワイデルです。おキレイですね」
「そうですか。お褒めいただき、ありがとうございます」
本当は、男なんですけどねーー。みんな、知ったらビックリするだろうなぁー。絶ーーー対に、言っちゃダメだけど。
「今度、よろしければ、一緒に食事でも」
「そうですね。もし、機会がございましたら」
これは、やんわりと断られてるんだぞ! わかれ! このお坊ちゃま!
「では、お二人とも。我々は先を急ぎますので、これで失礼いたします」
「お気をつけなさってください。アーサー様」
「では、エミリさん。今度お会いしたときに食事を」
このお坊ちゃま。王子って肩書があるだけで、女の人に、全然モテないんだろうなぁーー。
「それでは、失礼しまーーす」




