掛け声
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「う~ん。気持ちいい、朝~」
まだ、みんな寝てる。アーサー様の寝顔、可愛い。
そういえば、あたし。この世界に転生したとき、なんで魔法使えたんだろ?
それは、魔法使いに転生したから、なんていうことなら、身も蓋もないけど。
でも、最初に使った、あの魔法。全然使えないんだよねー。
って、いうか。無意識に、とっさに出た魔法だから、全っ然、使い方わからないしー!?
「おはよー。ずいぶんと早起きなのね」
「おはよう。お前、ずいぶんと早起きだな」
「ふぁーーっ。オハヨー。ずいぶんと早起きだな」
「なんか。みんなして、そう言われると。あたしが早起きしたら、いけないみたいじゃないですか」
「そんなことは、ないぞ」
「ただ、ちょっと意外だっただけよ」
「なんか、その言い方だと、どこかトゲがありますー」
「気にすることはない。みんな褒めているのだから」
「そーですかぁー」
「そうよ」
「そうだ」
「だから、気にするな」
「それじゃー。そういうことにしておきます」
「あっ。いま思いついたんですけど、これからみんなで、掛け声をしあいませんか」
「なにな急に? 掛け声?」
「その掛け声とは、どんなのだ?」
「聞かせてくれ」
「これは、あたしの生まれた国の、掛け声なんですけど、いいですか」
「言ってみろ」
「では。あたしが、ファイトーー! って言ったら、みんなはそのあとに、イッパーーツ!と大声で叫んでください」
「巫琴よ。最初のファイトーーはわかるが、そのあとのイッパーーツというのはどういう意味だ?」
「えーと。その一発というのはですね。思いっきり、元気にやっていこうっていう意味です」
ホントは、違うかも知れないけど、大体合ってるはずだよね。
「なるほど。それは、いいな」
「いいわね」
「いいな。賛成だ」
「では、行きますよ。ファイトーー!」
「イッパーーツ!」
「イッパーーツ!」
「イッパーーツ!」
「これはいいな! これからは、この掛け声を掛け合っていこう!」
やったー! これで、このパーティーの絆も、もっと強くなれるかも。
「それじゃ。朝食の準備をするわね。巫琴ちゃん。食材を一度出してちょうだい」
「わっかりましたー! エミリさん、美味しい朝ご飯お願いしますね」
「任せておいてちょうだい」




