アーサー様の背中
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そんなことより~。もう、疲れて、立てない~。
「ありがとう、巫琴。ここを切り抜けられたのは、全部お前のおかげだ」
そんな優しいこと、言ってくれるんですかぁー。アーサー様、優しい。
「だがな。巫琴。無理や無茶はするな。それにみんなのために、最後までチカラは残しておいてくれ。お前が、最後の頼りだ」
もしかして。さっきは、そんなこと、考えててくれたんですかぁーー。嬉しー!
「はい! アーサー様のために、もっと頑張りますね!」
「だから!? チカラは最後まで、残しておけって! オレたちは、パーティー。チームなんだぞ!」
「ん? そのチカラを残しておけって、どーいう意味なんですか?」
「あぁーー!? もう!」
「巫琴ちゃん。アーサーはね。あなたが、最後の切り札になるかもって言ってるのよ」
「そーなんですかぁーー!?」
「そうだ! だから、戦いのときのチカラは、ちょっと抑えろ! それでもお前は、十分に強い!」
「う~ん。どれぐらいの加減かわかりませんが、今度から、そうしてみますね」
「あぁ。頼む」
「だけど、ワタシたちの後ろの護りは頼んだぞ!」
「そこは、任せておいてください!」
「それで、巫琴ちゃん。立てる?」
「ごめんなさーーい。立てませーーん」
「しょうがないな。ほら」
「アーサー様が、おぶってくれるんですかぁー」
「そうだ。早くしろ」
「はい。それでは、遠慮なく」
あぁーー。アーサー様の背中って、けっこう広いんだぁーー。見た目、細マッチョなイケメンで、スタイルよく見えるのに、やっぱり、がっしりしたカラダしてるぅー。
待って!? あたし、重くない!? 大丈夫!? 重いオンナだって、思われてない!?
「なにを、背中で暴れてる?」
「あっ、いや……。アーサー様、重くないですか?」
「なにがだ?」
「いや、あたしが……」
「お前。こんなに軽かったんだな。もっと飯は、ちゃんと食え」
「大丈夫。あたしのご飯で、これからたーっぷり太らせてあげるからね」
「それはいい」
「もぉーー。エミリさんも、ライムさんも、からかうのはやめてくださいよぉーー」
「冗談よ。冗談。でも、体力をつけるためには、もっと食べないとねー」
「わかりました……。これからは、もう少し食べることにします」
だけど、太りませんように、太りませんように。神様、どうかお願いします。




