不機嫌なアーサー様
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あぁーー。なーんで、こうなっちゃったんだろー。アーサー様、ライムさんの村を出発してから、機嫌、ちょー悪ーーい。
「アーサー様」
「あぁっ!?」
なーんか、怒ってるし。さっきまでは、ずっと無視されてた。
ライムさんは、我関せずって感じだし、アーサー様との付き合いが長いエミリさんは、いつも通りなんだよね。
なんでー!?
「どうしたの、巫琴ちゃん?」
「なんで。アーサー様、機嫌が悪いんですか?」
「あぁ。アレ? いつものことよ」
「いつもの?」
「そう。いつものこと。なにか考えごとをしているときは、ああいう風に機嫌が悪いの」
「へぇー。そうなんですかぁー。知らなかった」
「でも、別に怒ってるわけじゃなやいのよ」
「そぉ言われましても、あたしには、怒っているようにしか見えないんですが」
「まぁ。普通は、そう思うわよね」
「はい。絶対に、そう思うと思います」
「わかるわかる。その気持ち」
「エミリさん。アーサー様が、いまなにを考えているのか、わかります?」
「さぁ? なにを考えているんでしょうね。案外、巫琴ちゃんのことを考えているのかもよ」
「えーーっ!? それで、あれですかぁーー!?」
でも、アーサー様が、あたしのことを考えてくれてるとしたら、嬉しいかも。あたしが居なくなったときも、随分と心配してくれてたし。
ホントに、そうなのかなぁー。あり得る? 本当に、あり得る?
「巫琴」
「はい。なんですか、アーサー様!」
「少し、静かにしていてくれないか」
「あっ。はーい。すみませんでした」
絶対に、あたしのことを考えてくれてるなんて、ウソ!
でも、あたし。村を出発する前も、悪いことなんて、なんにもしてないよぉー。
でも、アーサー様が、静かにしろっていうなら、黙ってます……。
「!?」
なんか、来る!? どこから?
「みんな! なにか、来ます!」
見えない!
「あたし、空から見つけます!」
取りあえず、30メートルぐらいの高さから!
「なにあれ!? ちょーでっかい蜂の群れ!?」
「みんなー! ちょーでっかい蜂の群れが襲ってきますぅーー!」
「なにぃーー!? キラービーか!? どっちからだ?」
「正面です! 正面から、来ます!」
「どれぐらいの数だ?」
「すっごい、たくさんです!」
「それじゃー、わからん!」
「そんなこと言われたってぇーー!」
「取りあえず、光の矢の魔法! エイ!」
「って、避けますぅー!? 普通、避けますー!?」
「何回矢を放っても、全然当たんないよぉー!?」
「下に降りて、結界で、みんなを護んなきゃ!」
「その結界が、間に合わない!? もぉー! やけくそぉーー!」
右手から、小さい光の攻撃魔法の乱れ射ちぃーー!
「ヤァーーー!」
魔法のイメージは、自転車の立ちこぎの全力疾走! 目一杯、ペダルを回してやるぅーー!
どぉーだぁーー!
「凄いわ! キラービーたちが、倒されてく……」
「それでも、何匹かは、くぐり抜けてきたぞ!」
「ここは、オレに任せろ! 巫琴。もう大丈夫だ! 下がってろ!」
「はい! アーサー様。お願いします!」
あとの蜂は、アーサー様が、全部倒してくれた! ありがとうございます。アーサー様!




