エロい前衛
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「さて、また王の城の途中の村まで歩くぞ!」
「さぁー、張り切っていきましょう、アーサー様♪」
もう、エミリさんが男ってわかったら、心配ないもんねー♪
「お前、今日はやけに機嫌が良いな?」
「そーですかぁー。きっと気のせいですよ」
あっ、ダメだ……。自然に顔が緩んで、笑顔になっちゃう♪
「さっ、エミリさんも、はやく行きますよー♪」
「ええ……」
あーーっ、心配事がないなんて、なんて幸せなんだろ。この幸せが、ずっと続けばいいのに。
出来るだけ、長ーく、次の村まで掛からないかな♪
エミリさんも、あたしたちに遠慮して、ちょっと後ろの方を歩いてくれてる。
あーーっ、こんなカッコイイ人があたしの……。もぉーー、幸せ!
魔物も出てくる気配がないし……。
「って、いきなり!?」
「一旦、左右に別れるぞ!」
「えっ!? アーサー様、ちょっと待ってくださいよぉー!?」
もぉーー! せっかく良い雰囲気だったのにぃーー! この禿げ頭の不細工な魔物めぇーー!
「光の矢の魔法! 三連続! エイ!」
思わず、ガッツポーズ! 三本とも命中!
「お前……凄いな……」
「ホント……」
って、もしかして二人とも、ドン引いちゃってる!?
「お前、凄いぞ!」
「えーと、もしかして、あたし、褒められてます?」
「褒める、褒める! 巫琴、最高だ!」
なんか、そこまでストレートに褒められると、照れるーー♪
「あたし、アーサー様の為に、もっと頑張りますね!」
「ああ! 頼む!」
と、思ったのも、束の間……。
もぉーー、ショックぅーを通り越して、絶望……。
次の村で、「前衛」となる戦士を勧誘するっていうから、安心してたのにぃーー!
見るからに、コスプレみたいなエロい格好をした、オンナじゃないのよぉーー! こういうのが、アーサー様の好みなの!?
「わかった。前衛は、このワタシに任せろ! このライムに!」
あーーっ、もうちょっと拒むとかなんとか、ないのかなぁーー。この斧を持ってる姿、やたら強そうだし……」
「あのぉーー、ひょっとして、ライムさんも付いてたりしますか?」
「付いてる? なんのことだ?」
「いえ。なんでも」
まさか、二連続で、「実は男でしたー」なんてないよね……。
って、ことは!? あたしの恋のライバル!?
どうか、ライムさんの好みは、絶対にアーサー様ではないようにお願いします。
でも、大丈夫か。見た目は、エロい格好だけど、中身はガサツそうだし……。
「お前、さっきから一人で、なにをブツブツと言ってる?」
「いやー。このライムさんも、頼りになりそうだなぁーーって……。ハハ」
「それは、オレが選んだ前衛だからな」
「そーですよねー。ハハ」
あぁー。神様、本当にお願いしますね!




