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うっかり死んだら異世界転生しちゃいました! でもここにはイイ男が全然いませーん! そんなところへ、ドSの王子様が現れました!  作者: 志村けんじ


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エロい前衛

♢ 


「さて、また王の城の途中の村まで歩くぞ!」


「さぁー、張り切っていきましょう、アーサー様♪」


 もう、エミリさんが男ってわかったら、心配ないもんねー♪


「お前、今日はやけに機嫌が良いな?」


「そーですかぁー。きっと気のせいですよ」


 あっ、ダメだ……。自然に顔が緩んで、笑顔になっちゃう♪


「さっ、エミリさんも、はやく行きますよー♪」


「ええ……」


 あーーっ、心配事がないなんて、なんて幸せなんだろ。この幸せが、ずっと続けばいいのに。


 出来るだけ、長ーく、次の村まで掛からないかな♪


 エミリさんも、あたしたちに遠慮して、ちょっと後ろの方を歩いてくれてる。


 あーーっ、こんなカッコイイ人があたしの……。もぉーー、幸せ!


 魔物も出てくる気配がないし……。


「って、いきなり!?」


「一旦、左右に別れるぞ!」


「えっ!? アーサー様、ちょっと待ってくださいよぉー!?」


 もぉーー! せっかく良い雰囲気だったのにぃーー! この禿げ頭の不細工な魔物めぇーー!


「光の矢の魔法! 三連続! エイ!」


 思わず、ガッツポーズ! 三本とも命中!


「お前……凄いな……」


「ホント……」


 って、もしかして二人とも、ドン引いちゃってる!?


「お前、凄いぞ!」


「えーと、もしかして、あたし、褒められてます?」


「褒める、褒める! 巫琴ミコト、最高だ!」


 なんか、そこまでストレートに褒められると、照れるーー♪


「あたし、アーサー様の為に、もっと頑張りますね!」


「ああ! 頼む!」


 と、思ったのも、束の間……。


 もぉーー、ショックぅーを通り越して、絶望……。 


 次の村で、「前衛」となる戦士を勧誘するっていうから、安心してたのにぃーー!


 見るからに、コスプレみたいなエロい格好をした、オンナじゃないのよぉーー! こういうのが、アーサー様の好みなの!?


「わかった。前衛は、このワタシに任せろ! このライムに!」


 あーーっ、もうちょっと拒むとかなんとか、ないのかなぁーー。この斧を持ってる姿、やたら強そうだし……」


「あのぉーー、ひょっとして、ライムさんも付いてたりしますか?」


「付いてる? なんのことだ?」


「いえ。なんでも」


 まさか、二連続で、「実は男でしたー」なんてないよね……。


 って、ことは!? あたしの恋のライバル!?


 どうか、ライムさんの好みは、絶対にアーサー様ではないようにお願いします。


 でも、大丈夫か。見た目は、エロい格好だけど、中身はガサツそうだし……。


「お前、さっきから一人で、なにをブツブツと言ってる?」


「いやー。このライムさんも、頼りになりそうだなぁーーって……。ハハ」


「それは、オレが選んだ前衛だからな」


「そーですよねー。ハハ」


 あぁー。神様、本当にお願いしますね!


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