第一作戦
「ところでお前、なんで背中に弓矢を担いでる?」
そら来た!? やっぱり、そう聞かれた。
「ハハ……。これはお呪いというか、なんというか……。実はあたし、弓矢の名手だったりして……ハハ……」
まさか、7つ新しい魔法を覚えろって言われたうち、6つまでしか覚えられなかったなんて、言えないよぉー。
「ところで、アーサー様。あたしの名前は、お前じゃなく、巫琴です。もぉー、何度言えばわかるんですかぁー。あたし、拗ねちゃいますよぉー」
「わ……わかった。巫琴だな」
「そうです! 巫琴です。もぉー、もう忘れないでくださいよ。ところで、これから王様のいるお城に行くんですよね?」
「そうだ。その前に寄り道したいところがある」
「それって、どこなんですかぁー?」
「オレの幼馴染が住む村だ。そこに仲間にしたい頼もしい者がいる」
「へぇー。それって、どんな人なんですかぁー?」
「僧侶だ」
「僧侶? 僧侶って、お坊さんのことですよね。頭の禿げた」
「禿げた? 禿げてはいない。女だからな」
女!? 女って、なに!?
「アーサー様。その女の人って、もしかして、若くてきれいな?」
「若くてきれい? まぁ、歳はオレと同じ21歳だから、若いと言えば若い。確かに、美人ではある」
ガーーン……。あたし、その女の人に勝てんのぉー。
「ただ、正確にちょっと難がある」
正確に難!? それって、もしかして、すっごい性格ブスだとかぁー。
「へぇー。そうなんですね。でもなんで、そんな人を仲間に?」
そこは、気になる、気になる。
「やはり、特筆すべきは、あの回復魔法だな」
回復魔法ぉー!? それって、ナイチンゲール的なやつですかぁ!? 献身的に看護しちゃうっていうやつ。
「それに強い。単純な力比べなら、オレはあいつに勝てない」
強い? 顔は美人で、身体はゴリラ?
「まぁ、会えばわかる」
「その村までは、あとどれぐらい歩けばいいんですかぁ?」
「そうだな。今晩には着く」
意外と遠いのね。それまでに、できるだけアーサー様に気に入られなくっちゃ!
「ところで、アーサー様。お菓子食べますぅ? あたし、早起きして、お弁当と一緒に作ってきたんですよ」
ここは古臭い手だったとしても、アーサー様の胃袋を掴んでおかなくっちゃ。
「いらん! まだ出発したばかりだぞ」
「えーーっ。そんなこと言わないで、食べてみてくださいよぉー。おいしいですから」
ね。食べて食べて。
「わ、わかった。一つだけもらう」
「ありがとうございます! さぁ、どうぞ」
どきどき。
「ん? うまいな」
「ホントですかぁー! やったぁー!」
よぉーし! これで、第一段階成功!




