魔法特訓
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「ところで、お前」
「もぉー。お前だなんてー。あたしの名前は巫琴です。これからは、巫琴って呼んでくださいね、アーサー様」
「……」
「えーーっ!? 名前で呼んでくれないんですかー?」
「わ……わかった、巫琴」
「なんですか、アーサー様?」
「出立は、今日から3日後だが、お前、あと幾つの魔法を覚えられる?」
「魔法? なんでですか?」
「馬鹿か!? これから魔王を討伐しに行こうというのに、攻撃や防御の魔法をもっと覚えないで行くつもりか!」
「あーー。そうですねぇー。そうなると、一日1つ魔法を覚えられたとして2つでしょうか」
「はぁーーっ!? お前、ふざけてるのか!? なら、魔法使いは、別なのをパーティーに加える!」
「ちょ、ちょっと待って!? それだとあたしの計画がぁー」
「計画? なんのことだ?」
「いえ。こっちの話ですぅー」
危ないアブない。これから王子様とふたりっきりの時間をたくさん作ってぇー。燃え上がるような恋をするんだから!
「それじゃ、3つ」
「ダメだ。出立まで、あと7つは新しい使える魔法を覚えろ」
なんですか、その「使える」ってぇー。あたしはなにかの道具じゃないんですよ。そんな言い方されると、泣いちゃいますよ。
「無理なのか? お前なら、絶対に出来ると思ったんだがな」
えっ、それってもしかして、あたしに期待してくれてるってやつですかぁー! それなら頑張っちゃいます!
「絶っ対に、魔法をあと7つ覚えてみせます! 見ててくださいね!」
「楽しみにしてるぞ」
「任せてください!」
♢
「師匠♪ 師匠♪ 師匠♪ 新しい魔法を教えてください!」
それではいきますよぉー!
「必殺! 若返りの魔法! ちょっとだけ、ロングバージョン!」
たまたま、この前に掛けた魔法のあと見つけたんだけど、10分から40分にに30分だけ延びました!
「早速、師匠お願いします!」
「では、魔王討伐に使えるであろう魔法を授けてしんぜよう。心して掛かれ」
「はは」
って、これじゃまるで、日本の時代劇!?
「師匠、時間がないので、出来るだけ手っ取り早く説明をお願いします!」
「わかった。では……」
えーーっ!? マジで大変!? こんなのを覚えるのぉー!?
でも、これもアーサー様と燃え上がるような恋をするため! どんな大変な魔法だって、絶対に覚えてやるんだからぁーー!
あのあと師匠、またいつものおじいちゃんに戻っちゃったけど、なんとか一人で覚えて見せました。
これでアーサー様、あたしのこと褒めてくれるかなぁー。もしかして、惚れ直しちゃったりして。そんな、アーサー様があたしに惚れてたなんて。
「なにをしてるんだ? 準備はいいか?」
「はい。念のため、特に大事なことを書いてある魔法書も持ちました!」
「ほぉー。それは感心だな。では、行くぞ!」
「はい!」
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